プロフィール
上記のプロフィールは2話で判明。
概要
OVA作品『スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION THE ANIMATION』の1~2話に登場するモブキャラ。声の出演はなし。
藤色の髪に琥珀色の瞳をした女性。生前の写真では、髪をハーフアップにし、赤いネクタイとグレー調の制服を着ていた。
彼女はウォン重工業の一般社員であったが、同社が開発した新型の人型起動兵器「バルトール」の生体コアとして利用されてしまう。
劇中、彼女は既にバルトールに組み込まれており、多数のバルトール群と共にお台場の式典へ向かい、キョウスケ達を襲撃する。
彼女が搭乗していた機体はヴァイスリッターに襲い掛かるも、グルンガスト参式の攻撃を背後に食らい墜落。機体は吊り橋のロープに引っかかり機能停止していたところを鹵獲された。
鹵獲後、中の状態を調べる為、強制的にコックピットから解放され姿を見せるが、最早生命体とは呼べなくなった状態で発見される。
その後、医療室に運ばれたものの既に手遅れだった為か、眠るように息を引き取った。
彼女の死は、ハガネ隊の面々にODEシステムに対して大きな危惧を抱かせる要因となった…。
劇中での活躍
1話序盤~中盤
ウォン重工業が開発した新型機「バルトール」はお台場の式典でお披露目される予定であったが、突如大群で現れ、式典を襲い始める。
キョウスケ達は応戦するも、同機の学習能力に苦戦。いくつかのバルトールを撃破に成功するも、式典は甚大な被害を受けてしまう。
最終的にバルトール群は撤収したが、この襲撃によって、多数の民間人、ラミア、クスハ、ラトゥーニ、ゼオラ、アラドが拉致されて姿を消してしまう。
- エクセレン「連中何者なの? 何の目的で?」
- キョウスケ「当人に聞くしかあるまい…」
キョウスケ達は事件の真相を知る為に、機能停止していたバルトールを鹵獲し、その中を調べる事に…。
1話終盤
鹵獲されたバルトールを調べるリョウト。
- リョウト「確かに生体反応はあるんですが…変なんです」
- テツヤ「どこが、どう変なんだ?」
- リョウト「公表された仕様書によると、この部分に開閉スイッチがあるんですが…見当たらないんです」
- テツヤ「設計変更した可能性は?」
- リョウト「あると思いますが…いくら調べても開閉スイッチらしきものが、見当たらないんです。一体どうやって搭乗したのか…」
- アヤ「中のパイロットとは、話はできないの?」
- リョウト「あらゆる周波数で呼びかけてみましたが、応答がないんです」
- ブリット「じゃあ、強引に開けるしかないってことか」
パイロットの生体反応はあるが、応答は返ってこない。しかもコックピットには搭乗口は存在しないことが判明。不審に思った面々はコックピットを強引に開ける事に…。
こじ開けると、緑色の液体と共に、全裸の女性が飛び出てきた。
女性は体各所に、フックワイヤーが取り付けられており、まるでマリオネットのような状態でぶら下がっている。緑色の液体に浸かっていた影響か、全身が緑青色に染まりきっていた。
意識は感じ取れず、茫然した表情で目をカッと見開き、涙のようなものを流している。
- リュウセイ「なんじゃこりゃ!」
- アヤ「酷い…」
ショッキングな光景を見て唖然する一同。そして、そこに後ろの壁に寄り掛かるギリアムが一言。
- ギリアム「ODEシステムだ…」
2話序盤
ギリアムがキョウスケ達に色々と説明。
- ギリアム「ヴィルヘルム・フォン・ユルゲン博士。かつてのEOTI機関、そしてDCに所属していた男。彼が対異星人専用の機動兵器ネットワークシステム、オムニ・デンドロ・エンセンフォロン、通称ODEシステムの開発者だ」
- エクセレン「機動兵器のネットワーク……もしかして、それで無人機をコントロールするとか?」
- ギリアム「ODEシステムは最小限の人員で多数の無人機を制御するためのものだ」
- ライ「ですが、捕獲されたバルトールの中には女性が」
- ギリアム「ああ。事前にウォン重工業から連邦軍へ提出された資料とはその点が異なっている」
- リュウセイ「異なってるって……もしかして」
- ライ「トライアル用として連邦軍に提出されたバルトールはスケープゴートだということか」
- アヤ「軍は欺かれたのね。ウォン重工業やユルゲン博士に」
- リュウセイ「いくら何でも人間をあんな風にしちまう量産機なんて」
- ギリアム「そう。現状のODEシステムは生体コアとして人間を必要とするらしい」
- アヤ「生体コア!? もしかして連邦軍の軍人を!?」
- ギリアム「いや、コアは軍人でなくても構わないようだ。現にあのバルトールの中にいた女性は…」
- リュウセイ「まさか民間人!?」
- ギリアム「そう。ウォン重工業の一般社員だ。そして最初の襲撃で行方不明になった者達は、軍人も民間人も、まとめてバルトールに拉致された様だ」
ギリアム曰く、ODEシステム搭載されたバルトールには生きた人間が必要らしく、ラミア達や多数の民間人が拉致された理由はそれだと言う。そして利用する際、軍人も民間人も関係ないようである。
そしてバルトールの中にいた女性の身元が判明。彼女は王玲華。21歳の中国人女性で、ウォン重工業の社員だったようだ…。
画面には生体コアになる前の彼女の写真が映し出されており、微笑みを浮かべていた。
2話中盤
「大阪の連邦大学に突如バルトール群が出現した」という情報が入り、キョウスケ達はすぐさま大阪へ向かおうとするが、そこにリョウトからの連絡が入る。
- リョウト「リュウセイ、さっきバルトールの中にいた女性の死亡が確認されたんだ。バルトールに取り込まれた人間はまず助かる見込みがないと思う」
医療室からの中継映像が流れ、そこには納体袋に入った裸の王玲華が映し出されていた。
彼女は眠っているかのような表情で横たわり、変色していた体色は元に戻っていたが、色は青白くなり生気がない。
何故か、袋のチャックが必要以上に下げられており、彼女の胸元が大胆にも見えていた。
今にも見えそうであったが、最後は医師の手によって袋が閉められて映像は終了する。
どうやら治療の甲斐も虚しく亡くなってしまったようだ…。合掌。
余談・考察
彼女は、出番も設定もほんの少しで、敵機の実態を知らせただけの背景ようなキャラクターに過ぎないが、物語の中で裸にされ、ワイヤーに繋がれ、思考や感情、行動の自由も奪われ、情報処理ユニットCPU>という"生きた部品"に成り果てた彼女は、かなり悲惨な末路を送った不憫なキャラクターであろう。また罪のない民間人なのが、より悲惨さを誘う。
しかし偶然とはいえ救出され、人としての最期を迎えることが出来たのが、彼女にとって唯一の救いだろうか…。
ちなみに次回予告第2話「ヒトという部品」にも登場する。
その内容は、全裸死体の彼女を映しながら「ヒト。それは一対の精子と卵子があれば容易に量産可能な生体パーツ」と、かなり際どいナレーションが流れるというものである。
まるで彼女の命や人としての尊厳を侮辱するかのようなイヤらしい言い回しである。
彼女の死因は明らかにされていないが、ODEシステムは、膨大な情報を処理する故、搭乗者の脳への負担がかかる代物であり、それが原因で死亡したと考えられる。
また、そもそも民間人の彼女にとって、戦闘機のGは過酷なものであり、それに耐え切れず、死亡の一因になった可能性も捨てきれない。
実際バルトールの先行機であるミロンガでは、パイロットがGに耐え切れず、死亡する場面も見られた。
彼女の人物背景、組み込まれた経緯は一切不明だが、「21歳で工業系企業の製品開発部に所属」という設定を見るに、相当優秀な社員だったと考えられる。
後にゲームやドラマCDでは、ジジ・ルーの手によってウォン重工業の社員達は、全員バルトールに封入された事が判明。
ゲーム版、ドラマCDには王玲華は登場しないが、無理矢理搭乗させられた可能性が高い。
ちなみにゲームや漫画版だと、バルトールに組み込まれていたポジションはジジ・ルーという別のキャラが担当している。彼女は王玲華とは逆に物語の黒幕と言える悪役である。
実は他のヒロインを差し置いてスパロボOGのアニメで初めて全裸、乳首を見せた最初のキャラクターである。(登場シーンの殆どが裸であり、ラミアと並ぶ裸要員でもある。)
また容姿端麗であり、ゲストヒロインとして出しても問題ないキャラデザをしている。
ちなみに名前の「玲華』の二つの漢字は「玲は玉のように美しい。」「華は、はなやかなこと。すぐれて美しいもの。」と意味する。彼女に相応しい名前ではなかろうか。
pixivに投稿されているイラストを見ると、生前美女だった事とその末路を思うと非常に切なくなるユーザーも居る。
関連イラスト
関連タグ
ジジ・ルー:ウォン重工業のエンジニアで、ODEシステム開発者の一人。王玲華とは同一ポジションに当たるキャラなのが、此方は逆に同情酌量の余地も無い、極悪非道な悪役である。最終的に自らバルトールの生体コアの糧となり死亡する
ラミア・ラヴレス:彼女も同アニメ内で、バルトールの生体コアにされた。
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