概要
日本の主導による環太平洋地域の国々の間で取り引きされる自由貿易を推進する協定。
正式名称は『環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定』で、英訳では『Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership』となり、通称は『CPTPP』だが、元々のアメリカ主導で行われる予定であった際は『Trans-Pacific Partnership』のみで通称『TPP』と呼ばれており、現在でもこの呼称で呼ばれることも多い一方、アメリカが離脱し日本を含む11ヶ国で行われることになったことから、現状を『TPP11』と呼称することもある。
日本にとっては初となる自国を中心とした独自の貿易圏の構築であり、参加した11ヵ国によるGDP(国内総生産)の合計は、日本円にして約1100兆円にも上り、これは世界全体の13%という巨大な規模である。
政府の試算によれば、貿易や投資の拡大によって日本のGDPは7兆8000億円押し上げられ、仕事の雇用人数は約46万人増加する見通しで、恩恵は国民の暮らしや企業活動の広い範囲にまで及びそうだという。
経緯
当初は、関税撤廃のほか、法制度、文化、商慣習などの非関税障壁もその対象となっていると言われ、例えば日本の著作権保護規定をアメリカの基準に合わせる事となれば、著作権侵害が著作権者の親告罪である日本の国内法に対し、非親告罪化することが求められ、その影響がいわゆる「二次創作」群に波及する可能性があった。
トランプ大統領の就任後、アメリカが協議から離脱するものの、日本を含む11ヶ国による交渉は継続された。これにより米関係の規定は凍結され、凍結項目には著作権関連の規定も含まれていたため、二次創作等に関しての非親告罪化による影響はとりあえず回避された。
こうした日本主導よる新体制が打ち立てられたことがきっかけで、ヨーロッパ連合(EU)からの離脱を控えたイギリスや、タイ王国など他のASEAN諸国など、新たに加盟を表明する国々も現れており、離脱したアメリカも復帰を検討している。
加盟国
- 日本(2018年12月30日発効)
- ベトナム(2019年1月14日発効)
- ブルネイ(2019年発効予定)
- マレーシア(2019年発効予定)
- シンガポール(2018年12月30日発効)
- オーストラリア(2018年12月30日発効)
- ニュージーランド(2018年12月30日発効)
- カナダ(2018年12月30日発効)
- メキシコ(2018年12月30日発効)
- ペルー(2019年発効予定)
- チリ(2019年発効予定)
加盟検討国
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FTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)……簡単にはこの2つの協定を合わせ、2ヶ国間ではなく複数の国々で行うもの。