概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。初登場エピソードはてんとう虫コミックス6巻収録「せん水艦で海へ行こう」。
外観は片手で持てるサイズの小さな潜水艦だが、水上に浮かばせると、その水の面積に合わせて潜水艦が巨大化及び縮小する。例えば風呂場の浴槽にこの道具を浮かばせた場合、人が乗れるサイズに巨大化する。潜水艦には2人まで乗ることが可能。
この潜水艦には、水から水へ瞬間移動する機能が搭載されている。一度の瞬間移動ではそれほど遠くの位置へ移ることは出来ないが、瞬間移動出来る回数に制限はない為、いずれは目的地へ到達することが可能。
最初に目的地の方角を設定することで、その場所へ向けて瞬間移動することが出来る。しかし水(液体)が存在する場所しか移動出来ない為、場合によってはグラスの中の飲み物やトイレの中、洗濯機や下水道の中等、意図しない場所へ移動してしまうこともある。
それだけでなく耐熱性は皆無の為、熱湯の中へ移動した場合は潜水艦が高温になってしまい、中に乗っている人物は凄まじい熱さに襲われることになる(参考として『ドラえもんのひみつ道具使い方事典2』では、この道具には耐熱装備が付いていないと解説されている)。
単行本10巻収録「たとえ胃の中、水の中」で登場した際はデザインが変更されている。機能自体は初登場時とほぼ同じだが、こちらはドラえもんが取り出した時点で人が乗り込めるサイズになっている。
ドラえもんとのび太が潜水艦に乗り込んだ時点では周囲に水が存在しない状況(部屋の中)であり、瞬間移動機能及び水の面積に合わせてサイズが自動的に変化する機能が使用出来ない為、しずかの胃へ向かう際は「スモールライト」を使用し、潜水艦を小さくした状態で彼女に飲み込んで貰っている。
その後、しずかの体内から風呂場の浴槽へ瞬間移動して脱出した後、ドラえもん達は「ビッグライト」(あるいはスモールライトの解除光線)を使用し、自分達の身体を元のサイズまで大きくしている。また、物体を回収する為のアームも搭載されているが、ドラえもん曰く「この潜水艦は故障しやすい」とのこと(原作では故障しなかったが、4回目のアニメ化となる2022年版では操舵が故障している)。
単行本23巻収録「おざしき水族館」で登場した際は、水に浮かばせなくとも外部に搭載されたスイッチを押すことで潜水艦の大きさを変更出来るようになっている。それだけでなく自動操縦に切り替えることも可能で、作中ではこの道具がドラえもんの指示通りに動き出す様子が描かれている。
また、使用者がコックピットで操作することにより、潜水艦のサイズを周囲の水の面積より更に縮小させる様子も描かれている。しかし作中では潜水艦が故障してしまい、瞬間移動機能と大きさを変更する機能が使用不能になってしまった(ただし水の面積に合わせてサイズが自動的に変化する機能は故障していなかった為、ドラえもんとのび太は最終的に潜水艦から脱出することが出来た)。
派生作品
2006年版「たとえ胃の中、水の中」では、従来の機能に加えて空中浮遊機能が追加されている(ドラえもん曰く「ほんの少し浮かぶくらい」とのこと)。作中では、この道具に乗り込んでしずかの身体の中へ入ったドラえもん達が浮遊しながら食道を進んだり、しずかのくしゃみで鼻の穴から飛び出してしまった際も、飛行しながら彼女の顔まで戻る様子が描かれている。
2014年版「宇宙戦艦のび太を襲う」では、ドラえもんが取り出した時点で人が乗り込めるサイズであり、この道具に乗り込んでしずかの胃の中へ向かう際、周囲に水が存在しない状況(部屋の中)でも瞬間移動機能及び大きさを変更する機能を使用してワープする様子が描かれている(原作版ではそのような描写はない)。
その際は「液体」(胃液)ではなく「目的地」(胃の中)へワープしており、上記の空中浮遊機能も健在で、胃の中へ瞬間移動した後もこの道具で空中を移動しつつ、敵(ウイルス)が潜んでいる宇宙船へ着陸する様子が描かれている(原作版では液体以外の場所へ瞬間移動する描写はない)。
2015年版「おざしき水族館」では、ドラえもんとのび太がこの道具に乗り込もうとした際、彼らの身体が潜水艦のサイズに合わせて自動的に縮小する様子が描かれている(原作版ではそのような描写はない)。
名称について
上記の名称は『ドラえもんのひみつ道具使い方事典2』、『ドラえもん最新ひみつ道具大事典』、水田わさび版アニメ(アニメ版『ドラえもん』公式サイト「ひみつ道具カタログ」にて確認可能)にて設定されたものであり、原作版における正式名称は不明(作中では「潜水艦」と呼ばれるのみ)。
また、『ドラえもん道具カタログ』では「小型潜水艦」、日本テレビ版アニメでは「超能潜水艦」、大山のぶ代版アニメでは「ジャンピング潜水艦」という名称になっている。
関連道具
- 潜水ゴンドラ
潜水艦型のひみつ道具。
上記の「瞬間移動潜水艦」とは違い瞬間移動機能は搭載されていないものの、こちらは大人数でも問題なく乗り込める広さを誇る(作中ではドラえもん達5人が乗り込んでいる)。
- 瞬間移動潜水艦ファミリータイプ
水田版アニメオリジナルひみつ道具。
上記の「瞬間移動潜水艦」と同じ機能を持つ道具だが、こちらは大人数が乗り込めるサイズになっている(作中ではドラえもん達5人が乗り込んでいる)。
また、水田版アニメでは通常の瞬間移動潜水艦はメイン画像右のデザインであり、ファミリータイプはメイン画像左のデザインになっている。