移民編(サイボーグ009)
いみんへん
移民編はサイボーグ009にあるストーリーの一部である。
この話は旧ゼロでは第15話『悲劇の獣人』として一部変更し原作通りに、平ゼロでは大幅にリメイクされた第39~42話『ミュータント戦士編』としてアニメ化されている。
続編の『時空漂流民編』もある。
009の仲間たちは、ふとしたことから事故に遭った男女を助ける。
ところが男女は救急車も待たずに姿を消してしまう。残ったのは、事故の際に男の腕からちぎれた精巧な義手だった。
現代科学を凌駕する義手のメカニズムに、男女の正体をいぶかしむ009たち。
やがて義手を取り戻しにきた女を捕まえた009たちは、女の背後に謎の組織があることを知る。
その組織の者たちは、一見、人間のような姿だが、それは義手や義足で取りつくろったものであり、実際には触手が生えていたり足がなかったりして、とても人類とは思えないのだった。
009たちとの攻防の末、彼らは空飛ぶ円盤で消えてしまう。
残った女の口を割らせたところ、彼らは私たちの子孫であることが判明する。
近い将来、核戦争が勃発し、地球上に放射性物質がまき散らされる。その影響で、23世紀の彼らの時代には、人間も動植物も突然変異を重ね、現代の生物とは似ても似つかない奇形ばかりの世界になってしまう。ようやく生まれた赤ちゃんは、下半身が蛇のようにのたくっていたりする。
009と戦った者たちに触手が生えていたり足がなかったのも突然変異のためであり、彼らも人類の一員だったのだ。
そして彼ら未来人は、環境が激変した地球に住み続けることをあきらめ、核戦争が起こる前の地球に侵略して移り住もうと企んでいた。彼らの科学技術では300年くらいまでしかタイムトラベルできない。そのため、私たちの"現代"が狙われたのだ。
009たちは子孫の境遇に同情しながらも、侵略という乱暴な手段を許すことができず、彼らの基地に乗り込んでいった……。
とうとう009たちと未来人たちが雌雄を決せざるを得なくなったそのとき、未来人の科学陣は超大なタイムトラベルに成功した。何十万年でも、何百万年でも、望みの過去へ移動できるようになったのだ。
そこで未来人は"現代"への侵攻を止め、有史以前へ、人類が発生した遥かな過去へ旅立ち、自分たちが人類の祖先となることにした。
私たちの子孫が先祖となり、先祖は子孫だったのだ。
遥かな過去へ去った未来人たちを見送って、004はつぶやいた。
「これで…いまだにときどきカタワの子どもがうまれることの説明がつく」
司令官/ノア(TVアニメ第1作)
声-市川治(TVアニメ第1作)
『移民編』『時空間漂流民編』に登場。未来から来た男性。未来から現代への移民を計画する組織の指揮官。
頭の右半分を覆い、左目はサングラスのレンズのようなもので隠している。
基本的に目的のためなら手段を選ばないが、考え方は穏健派に近いため、移民推進派の部下から裏切られた。人類誕生前の時代へのタイムトラベルが可能になったため移住先を変更、同時に自分が009=ジョーと003=フランソワーズの子孫であることを告げた。
『時空間漂流民編』では脱出反対派のボスであり、003=フランソワーズが脱出強行派に狙われる原因となった。009=ジョーが脱出強行派に囚われた際、円盤機で救出に来たが攻撃を受けて墜落。残骸の下で耳から血を流して倒れていた。
旧昭和版アニメではリナの兄という設定。
平成版アニメでは彼をモデルにしたミュータント戦士のケイン(声-森川智之)が登場する。
性格は司令官とは反対に好戦的で残虐非道であるが、彼がそうなったのは時空移動しすぎたことで戦いの歴史を見た上で例えブラックゴーストを倒しても何も変わらないことを知り失望したからである。
ラビリンスに巻き込まれそうになり老化現象になってしまいガモ・ウイスキーに助けを求めるが自分達にある超能力を倍増され記憶も消されたがリナ達よりも先に記憶を取り戻しているが上記の通りである。
助けに来たニコルを邪魔になり、口封じにニコルを殺害した。
声 - 栗葉子(TVアニメ第1作)、園崎未恵(TVアニメ第3作)
『移民編』に登場。未来から来た女性。未来から現代への移民計画のために派遣された工作員で、コードネームは「F-502」。
未来の地球人は、度重なる戦争のせいで突然変異した巨大昆虫や食人植物によって手足を食べられたり醜い顔になったりし、その傷付いた部分は作られた肉体で補っている者がほとんどだが、彼女は奇跡的に足の噛み跡程度で済んだ。
改訂前の原作では、未来の地球人は放射線により醜い奇形が多発しているが、彼女は足の指が6本あるという奇形のみで済んだ、という設定だった。
平成版アニメではブラックゴーストに支配された未来から来ており、超能力を持っている。
昔の資料を見た上で歴史を変えるために過去へ飛んだがラビリンスに巻き込まれ老化現象にあい、それを改善するたまめにガモ・ウイスキーに助けを求めるが彼によって超能力を倍増され記憶を消された上でミュータント戦士とされゼロゼロナンバーの前に立ちはだかるが、ニコルの形見を見たことで記憶を取り戻し009と協力をする。
ケインがニコルを殺害したことを知り、彼を道連れに時空移動し消息不明となる。
リナの兄/ジャック(TVアニメ第1作/ニコル(TVアニメ第3作)
声-野田圭一(TVアニメ第1作)、河相智哉(TVアニメ第3作)
『移民編』に登場。未来から来た男性。
リナの兄で彼女と同じく移民計画の工作員で、コードネームは「F-501」。食人植物によって両腕を失い、義手をつけている。現代で事故に巻き込まれて義手を紛失したため、組織の仲間に消された。
改定前の原作では、両手の欠損は生来のものとなっている。また、放射線の影響で体に鱗が生じていた。
旧昭和版アニメではリナの恋人という設定。
平成版アニメでは彼をモデルにした未来の男性「ニコル」が登場。
リナ達と同じくブラックゴーストに支配された未来から来ており、超能力を持っている。
昔の資料を見て平和と言う物を知り、歴史を変えるために過去へ飛ぶがラビリンスに巻き込まれる前に仲間と逸れてしまったことで老化現象には免れた。
リナ達より先の現代(ゼロゼロナンバーが活躍する現代)に辿り着いている。
しかし仲間達がガモ・ウイスキーによりミュータント・戦士にされたうえに記憶を消されていることを知り解放してくれと頼むが逆に命を狙われてしまう。
瀕死の状態で006が経営する「中華飯店 張々湖」に行きゼロゼロナンバーに警告を発する。
声-朴璐美(TVアニメ第3作)
『時空間漂流民編』に登場。時空を越えてやって来た女性。霊感美少女「田代ミー(たどころ ミー)」として話題となっている不良少女。
実は縄文時代の人間で、「神々」である脱出強行派から009=ジョーの抹殺指令を受けていたが、009=ジョーに一目惚れしたため、縄文時代へ連れ戻された。
「神々」の計画を潰すため縄文時代に来た009=ジョーと再会、一緒に現代へ戻ろうとした際に攻撃され、行方不明となった。
平成版アニメではブラックゴーストに支配された未来から来ており超能力を持っている。
昔の資料で平和を知り歴史を変えるために過去に行くがラビリンスに巻き込まれそうになり老化現象になってしまった。
それを改善すべく仲間と共にガモ・ウイスキーに助けを求めるが超能力を倍増され記憶を消されたうえにミュータント戦士としてゼロゼロナンバーの前に立ちふさがる。
リナが009と共に未来に飛ばされたことでゼロゼロナンバーに協力するがギルモア博士共々ガモ・ウイスキーに捕まってしまうが001によってギルモア博士と共に脱出する。
だがゼロゼロナンバーが未来を見たことで歴史が変わり消えてしまった。(変わった未来で幸せに生きて欲しいことを願う)
イラストの通り、原作とは違い顔はアルベルトに似ている。
原作において「サンジェルマン伯爵」を名乗る人物は『海底ピラミッド編』と『時空間漂流民編』に登場するが、各話で登場するのは同名の異なる存在と思われる。
作者は史料中の描写から時間旅行者であると解釈し、これを解説する短編も描いている。
『海底ピラミッド編』では、スウェーデンボルグ伯爵とも名乗っている。意図的に文明の進化を促す、敵とも味方ともつかない、地球人であるかすら不明の謎の人物である。
『時空間漂流民編』では、口元から膝辺りまでを覆う黒いマントと黒い高帽子が特徴。
脱出反対派に属し、歴史の改変を防ぐためにゼロゼロナンバーと共闘する。
ただし目的のためには手段を選ばない面も持つ。
2024年8月23日に16話,17話と共に東映アニメーションミュージアムチャンネルにて配信された。