――人間が空を飛ぶなど馬鹿げている
もし 空を飛ぶ必要があるのならば
神様は最初から 翼をくれた事でしょう――
ゲーム概要
リリースはC73(2007/12/31)。
先述の通り縦スクロールシューティングゲームであり、
- 敵本体には当たり判定がない。
- ショットの他、弾数制限があるロケット砲が撃てる
- ロケット砲の爆炎は攻撃判定と弾を打ち消す効果がある。溜め撃ちは2発分消費するが、威力と効果時間が長くなる
- 敵機を破壊した際に落とすコインを一定数回収すると、ロケット弾の補充ができる
- 得点倍率というシステムがあり、ロケット砲を連続して当てる度にスコアとコインの数が倍加していく
- 倍率は ×2 > ×3 > ×4 > ×6 > ×8 > ×12 > ×16と増えていくが、有効時間が限られている
- 一定区間にボーナスタイムが存在し、被弾せずカウンタが回りきる前に敵を全滅させることで高得点が得られる
- 会話イベントが起き、ステージの進行やプレイヤーの行動によってリアルタイムで変化する
- ゲーム中にとった行動(敵を倒す/逃すや倒す順番等)によって様々にストーリーとステージが変化する
- エンディングは全18種。条件達成やゲーム進行よって優先順位が変動する
といった独特の雰囲気がある。分かりやすく例えるなら『バトルガレッガ』やマイルストーン製のSTGに近い。
基本的には「撃たれる前に撃つ」というスタンス。
全5面構成でテンポ、システム、難易度共に軽快でお手軽かつ程よく詰め込まれたゲーム内容。
ただし、ストーリー分岐や隠しボス、EDなどの演出は練りこまれており橙汁製STGの名にし負う隠れた名作だ。
また、開発陣の意向としては「ゲームでの演出のみでストーリーを展開させ世界観を掴んでほしい」との事なので、ゲームでの登場人物には一切名前が表記されない。
舞台となる世界の通例らしく、通信では搭乗機の機体名でのみ呼び合っている。
ゲーム用語
ギルド
正式名称は青空組合(Blue Sky Union)。
紛争状態にある空の秩序を取り戻した治安維持組織。
結成は10年前であるが国からの名声や信頼は高く、民間組織の域を超えた権限と武力を持つ。
反面、管理体制や越権に不満を持つ声も多く、ギルドの存在が治安の乱れに繋がりつつある。
反抗組織(Resistance)
ギルドの行為に対して自由を主張し、反抗する組織。
問題が起きない限り基本的に何もしないが、ギルドからの不当な圧力に対しては抵抗をする。
構成メンバーには元ギルド所属者も多く、武力的にもギルドに引けをとらない。
主なキャラクター
マール(プレイヤー)
本作の主人公。15歳の少女。搭乗機はレッドバレル(Red Barrel)。
空の平和を守るため東奔西走するひよっこ飛行士。
ギルド認定の飛行士資格の最年少保持者でもあり、前向きな姿勢と合わせてギルド内ではそれなりに評価が高い。
ピート
ギルド所属飛行士。搭乗機はブルークロウ(Blue Crow)。
マールの先輩に当たり、彼女が入隊するまでは最年少飛行士であった。
その為何かとマールに強く当たり、立ち位置はライバルに近い。
根は努力家だが、方向性はズレている。
マールに対しする感情は対抗心というより言外のものであるが、本人達にその自覚は無い。
ゲーム内では最も登場回数が多いキャラクター。
フェルネット
マールの元学友。搭乗機名は無いが、複数の飛行船を保持する資産家の娘。
素直ではないが良き友人。
上流階級の空気に馴染めずマール達のいた学校に通っており、
自分の立場を自覚しながらも彼女の自由な生き方に憧れている。
理解ある執事と共に登場する。
アイラ
ギルド所属のベテラン飛行士。搭乗機名はホワイトクロス(White Cross)。
男顔負けの凄腕飛行士であり、マールの先輩にして良き理解者。
一途だが無鉄砲な彼女を何かと心配する姉のような存在。
グレーン
ギルド発足メンバーのひとりであり実力派の最古参。搭乗機名はグリンフロッグ(Green Frog)。
現在は若手飛行士の監督役を務めているが、彼の操る大型飛行船は単機で一飛行部隊に引けを取らない。
ゲームクリア後のスコア評価は彼のお仕事。
評価が振るわず辛いコメントに泣かされたプレイヤーも多いはず。
ギルド長
ギルドを取り纏める飛行士。本名は不明。搭乗機は黄金の翼。
5面の大取を務めるラスボスにして凄腕の飛行士。
国による領土問題や制空権が空に持ち込まれ、自由に飛べなくなることを嘆くあまり空の全域制圧を試みた人。
ギルドが秘密裏に開発してきた飛行型大規模城砦「空飛ぶ城」での武力行使に出る。
全ステージにてノーコンティニュー且つ空飛ぶ城の砲塔の全機撃破を果たすと最終ステージに移り、
隠しボスとして黄金の翼が登場。ゲーム中最強の敵としてギルド長自らが相手になる。
空飛ぶ海賊船団
1面の敵キャラ、中ボス、ボスを務める方々。
手下と御頭、そして海賊一味の小さなアイドルである一人娘がそれぞれ登場するが、
ストーリーによっては5面にも顔を出す、どことなく憎めない仲の良い悪党達。
ゲーム中では出ないが、エイプリルフールに公開されたお遊びソフト「空飛ぶ紅いワイン樽」によれば
親分の名前はキャプテン=テキーラで、娘の名前はメスカル。家族の仲は良いが、どうも血は繋がってない様子。
後日談ではメスカルがマールを姉のように慕ってきたり、
陸に降りた御頭達が娘達と一緒に新たな人生を始めようとするストーリーがED次第であったりなかったり。
カモメ(ジョナサン)
1面で登場する敵キャラ。
物語にまったく関係無いにもかかわらず、プレイヤーに次々撃墜される哀れなボーナスキャラ的存在。
しかしエイプリルフール公開のお遊びゲーム「空飛ぶ紅いワイン樽」にて逆襲を果たす為に登場。
前作でスコアとコインの為に散らされた群れの仲間達の無念を晴らすべく、
『前しか撃てないSTGで後ろから物量にものを云わせて撃つ』という卑怯極まりない蛮行にでる。
正直あれは汚い。