概要
小腸(回腸)の末端が大腸の入口(回盲部)にもぐり込み、腸が詰まってしまう病気。
主に3歳未満の乳幼児が発症しやすいが、大人(成人)でもごく稀に発症することがある。
乳幼児に多くみられる消化器系の病気としては最も重篤なものの一つであり、発症したら24時間以内に治療しなければ腸が壊死(腐ってしまうこと)して死亡する危険性が非常に高い病気である。救急車を呼んででも病院に行くべきである。
原因
ごく稀にロタウイルスやノロウイルス、アデノウイルスなどによるウイルス性胃腸炎によって腸のリンパ節が腫れて腸の蠕動運動がおかしくなってしまうことが原因となる場合もあるが、殆どの症例では原因不明となっている。
他に原因となりうる病気としてはポリープやリンパ腫、癌、憩室、アレルギー性紫斑病(IgA血管炎)などがあげられる。
また、腸管出血性大腸菌O157や赤痢菌などによる重度の細菌性大腸炎が原因となることも稀にある。
ちなみに過去にこの病気を発症した乳幼児はロタウイルスのワクチンを打つことができないと決められている。(ロタワクチンの副作用として起こることも稀にあるので)
症状
- 腹痛
この病気にかかると蠕動運動が激しくなるため、数分おきに激しい腹痛が起こる。乳幼児の場合、激しく泣くことが多い。
そして腹痛は持続するというよりは繰り返す感じになるのが特徴である(そのため乳幼児は激しく泣いた後、一旦泣き止んでまた激しく泣くというのを繰り返す)。
- 嘔吐
腸が塞がってしまうため胃にかかる圧力が増大し、吐いてしまう。
進行すると胆汁が混じった緑色の液体を吐くようになる。
腸の詰まった部分の血流が著しく少なくなり粘膜が酷く傷付く。そのため大量に出血して粘液も出るようになり、イチゴジャムまたはイチゴゼリーのようなうんちが出るようになる。
腸の機能が著しく低下し水分や栄養分などの内容物が吸収されなくなるため、脱水症状に陥る。
合併症
発症から24時間以内に治療しなければ重なった部分が腐ってしまい、穴が開いたり腹膜炎を起こしたりする。
そして敗血症を起こして死亡することもある。
治療方法
詳しい治療方法は医学専門のサイトや書籍に譲るとして、早期発見ができれば手術せずに治すことも可能である。
しかし発見が遅れた場合は手術が必要になる。
この病気は再発しやすいため、最低でも24時間は入院する必要がある。