概要
大腸に炎症を起こし、腹痛や下痢などの症状が現れる病気の総称。
以下のような原因がある。
潰瘍性大腸炎
長い年月にわたって腹痛、下痢、血便に悩まされる病気。いったん治ったように見せかけてから再発することが多い。若槻千夏、安倍晋三の持病として有名。
特定疾患に指定されている原因不明の難病だが、ストレスや欧米化した食事(乳製品や肉類の食べ過ぎなど)が関与しているのではないかと言われている。
クローン病
潰瘍性大腸炎と似たような慢性の大腸炎だが、こちらは小腸にも炎症ができる。
潰瘍性大腸炎とはセットで炎症性腸疾患と呼ばれる。
虚血性大腸炎
大腸に血液が流れにくくなることで起こる。強い腹痛が特徴。動脈硬化を持った高齢者や便秘がちの女性に多い。
細菌性大腸炎
サルモネラ菌、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌O157、赤痢菌などの細菌が大腸に感染することで起こる。ほとんどは食中毒として発症する。
腹痛・下痢の症状が比較的強く、発熱を伴うことも多い。
腸結核
結核菌による腸の炎症。肺結核の患者が痰を飲み込んで発症することが多いとされる。
症状、経過はクローン病と似ている。重症化すると大量下血などで死亡することもある。
出血性大腸炎
細菌性大腸炎の中でも特に、O157や赤痢菌など、ベロ毒素(志賀毒素)という猛毒を産生する種類が大腸に感染することで起こる。
腸から出血するため、激しい腹痛や真っ赤な血便がみられる。また、ベロ毒素が全身に回って腎臓などを破壊し、溶血性尿毒症症候群という怖い合併症を起こすことがある。
偽膜性大腸炎
免疫力の低下によってディフィシル菌が異常に増殖することで起こる。高齢者に多い。