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ひし

ミソハギ科(分類によってはヒシ科)の水草。葉や種子の形状から「菱形」の語源となった。
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曖昧さ回避編集

  1. ミソハギ科(分類によってはヒシ科)の水草の一種。※この項で解説
  2. 全ての辺の長さが等しい四角形。和柄などの文様や家紋に用いられる。 →菱形

植物の菱編集

【おぎまんがNO,305】菱ばゆがく。

ミソハギ科に属する水草で、日本全国、朝鮮半島、中国、ロシアのウスリー川沿岸の湖沼に分布し、生息地では水面を埋め尽くすほど繁茂する。


湖沼の水底から茎葉を伸ばし、葉は水面に浮かぶ浮葉植物である。

菱形に近い形状の葉を持つ茎が放射状に広がり、初夏から秋にかけて直径1㎝ほどの小さな白い花が咲く。


文化的な扱い編集

二本の角があって菱形にも見える大きな種子ができ、デンプン質が豊富なので古くから食料として重宝された。加熱した菱の実の味はに似るという。


日本では古くは縄文時代に食料とされていた形跡が残り、平城京に武蔵国産のものが納められたという記録が残る。


アイヌにはベカンベと呼ばれており、塘路湖で採取されたものが重要な食料されていたため、この地では収穫の季節になるとベカンベカムイノミという収穫祭が行われた。


アイヌ民話によると、繁茂する様子とアイヌが採りに来るのを嫌った阿寒湖のカムイによって塘路湖へ追い出されたベカンベたちが怒り、草を丸めて投げ込んだことで食えないまりもトラサンペ)が生まれたと伝わっている。


近縁種のオニビシヒメビシの種子は4本の角が生え、食用にはあまり適さないが、忍者は乾燥させたものを敵対者の足下に投げつけることで、怪我をさせ足止めしたという。これがまきびし(撒菱)の起源であるとされ、この種子を模したものが木や金属で製造され忍び道具となった。

菱の実の利用法

関連タグ編集

水草 食料 菱の実

まきびし/撒きビシ 菱形/菱型

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