概要
視覚障がいを持つ視聴者に向けて音声を用いてセリフだけではわからない場面の解説を行う。
解説の担当者は局のアナウンサーや声優が行い、番組の冒頭や最後で自己紹介を行うほか、同時に番組出演者の紹介(ドラマやアニメの場合は主にメインキャスト)が行われるケースもある。
視覚障がい者向けの放送ではあるが、その他にも家事などのためにテレビの近くにいることができないときや、カーナビのテレビ機能で運転のため画面を注視できないときにも解説放送があれば状況を知ることができる手段といえる。
歴史
民放では1983年に日本テレビが火曜サスペンス劇場にて試験的に行ったのが始まりで、NHKでも1990年に連続テレビ小説「凛凛と」より段階を追って開始した。
アナログ放送末期ごろまでは、主に障害や福祉を扱った番組が中心であったが、2000年代のデジタル放送開始頃からはデジタルテレビではチューナーなしで解説を聞けるようになったためにドラマやアニメなど様々なジャンルで解説放送を行う番組が増えていった。一方で字幕放送と比べるとその数は圧倒的に少ないのが現状である。
番組ごとの特徴
- 基本的に収録番組が対象であるが、生放送番組でもリアルタイム解説放送を行うことがある。
- それいけ!アンパンマンでは主要視聴者層である幼児層に配慮して絵本の読み聞かせのような語り口で終始進行し、最後の締めの挨拶では回によって解説担当者がその回のゲストキャラの口調を真似ることがあるなど、幼児層を楽しませる工夫が施されている。
- 名探偵コナンでは通常は行われていないが、不定期に放送されるリマスター版の放送時のみ解説放送が行われる。
視覚障がい者向け以外の解説放送
…以下のように視覚障がい者向け以外でも解説放送が行われることがある。
- 一般的な解説放送とは趣旨が違うが、ドテラマンでは特殊な言語を使うキャラクターの言葉に対する解説を副音声で行った。放送当時は副音声機能が搭載されているTVが高価だったことから、登場人物を模した音声多重放送チューナーが発売された。
- Eテレで放送される能・狂言番組やラグビー・アメフト等のスポーツ中継では初心者向けの解説や、ルール説明が行われることがある。
- 一部のバラエティー番組では出演者によるVTRを観ながらの解説やオーディオコメンタリー的なトークが副音声にて行われることがあり、これらも広義の解説放送と言える。
解説放送を担当したことがある人物
カッコ内は主な担当番組