概要
ディスクシステム用アクションゲーム『謎の村雨城』と、「村雨」という名の登場人物(艦娘)を擁するブラウザゲーム『艦隊これくしょん(艦これ)』のクロスオーバー作品・・・とも言い難い。
現存する全ての作品が艦娘・村雨の個人的ネタの域を出ていないからである。
そもそも両者の稼働時期には30年近い開きがあり、共にプレイ経験を持つ人間はそういない。
村雨も別段ミステリアスなキャラ付けがなされているわけではなく、むしろ明るく社交的な部類である。
どちらかと言うと語呂の良さが先行した名前系バラエティの一種と考えた方が良いだろう。
艦これの公式4コマにおいてもサブタイトルとして「謎の村雨嬢」が使われた事がある(第210話Part1)ほどで、直接の続編を持たないにもかかわらず名前だけでも引き合いに出され続ける村雨城の知名度も相当なものである。
「謎」という個性
もっとも、全くの一発ギャグかと言うとまた微妙なところであった。
村雨は
からキャラの掘り下げが遅れ、
さりとて
という、一種のジレンマを抱えた存在だった。
妹の方とは本来双子の関係だったのだが、それも『艦これ』ではさほどクローズアップされず、むしろ姉が当たり前のようにその隣に立ち始める始末。
両者は相次いで更なる強化まで遂げ、この傾向は解消するどころかますます進行していった。
村雨にもテコ入れが無いわけではなかったが、その内容は
- 打撃攻撃のためとしか思えない手頃な大きさの錨を持ってくる
- 放置すると闇のようなものを垣間見せる台詞を吐くようになる
という本当によくわからない方向性であり、
それらにしても
事から結局キャラを定めるには至らなかった。
こうした事情により、いっそ「村雨=謎」で結んだ方がかえって理解しやすいという状況が少なからず発生していたのである。
(※画像はイメージです)
そして「ムラ雨」へ
幸い、(人気の姉や妹とのバーターという側面が無きにしもあらずだが)村雨のテコ入れはコンスタントに行われ続け、元来の社交性を活かした立ち回りが確立されてゆく。
それと平行して、次第にある特徴に注目が集まり始める。
- 姉妹達と比べても妙な色気があり、それが年々増大している
というのである。
元々スタイルが良い事で知られてはいたが、それだけならばいつもの如く同じ体型を持つ妹で事足りる話だった。
だが、成長要素となると話は変わり、「サザエさん時空」の側面が強い『艦これ』の世界では類例が無くなってくる。特に、早い段階で強化を遂げ、一種の完成を見ていた妹にとっては苦手分野とさえ言え、代えの効かない村雨ならではの個性とされていった。
やがてそれには「ムラ雨」という固有名詞が付けられる事になる。もっとも、それも見るからに元はダジャレであったが。
その後、村雨も本格的な強化を遂げ、名実共に妹に並び立つ存在となる。
内外共に紆余曲折の集大成のような変貌ぶりで、これで一つの区切りが付けられた
・・・と思われた矢先、一層大人びた私服姿が公開。
「完全に成人してる」「休日のキャバ嬢の風格」などの声が多数寄せられる事態となった。
天井が知れないという意味では、彼女は依然として「謎」なのである。