※なお、この記事には本編のネタバレ要素が含まれています。そういった要素がどうしても苦手という方はブラウザバックをすることをお勧めします。
概要
暗黒社長ていか~の人こと、ロンデニ氏が手掛けるオリジナル小説の1つで、2018年4月29日に投稿開始された。
それ以来、イメージ像となるイラスト作品や裏話投稿などを挟みつつ続投され、2020年4月にて第一章が終了。同年8月からは第二章が投稿開始され、4周年となる2022年4月29日に投稿された26話では、ヒロインが新たに手にした力による激戦が繰り広げられた。
(ちなみに、投稿開始した経緯は、"twitterでヒロピントークで盛り上がって、書きたいって話になって……気がついたら、引くに引けなくなってましたw"…とのこと。)
文武両道の特待生で正義感が強いが、これといって特殊な異能や訓練の影響を受けている訳でもない少女・沙霧莉緒が、ある晩に出くわした昆虫風の怪異が、見ず知らずの女性を襲撃しようとする場面に遭遇。その際に、ある機械を通して怪異に対抗する術を得たうえで怪異を撃退。それ以降、キュアロイドという怪異達による猛攻や淫靡な責めに遭いながらも、持ち前の正義感と精神力を胸に戦い続けていく物語。
変身ヒロインが人知れず戦う姿や、その過程で起こる異種姦描写などが描かれたR-18要素ありの作品だが、鎖状の武器を駆使した変則的な立ち回りを始めとする、躍動感のある戦闘描写や、人知れず戦うこと等に関する登場人物達の葛藤といった、バトル作品としての見どころも少なくない。
なお、本編に時折掲載されている挿絵は、ノベル形式あるいはCG・イラスト集という形で作成されているシリーズ作「境界飛翔セレスタイト」の作者・暁寒天氏が描かれたもの等が起用されている。
登場人物・用語等 紹介
主要人物
- 沙霧莉緒
本作のメインヒロインであり主人公。
クールで正義感が強い少女で、行動力もあるが、人付き合いに関しては少々不器用で相談事が苦手。
文武両道の特待生で、言動も問題点が目立つほうでないからか、上記の性格も相俟って、とっつきにくい印象を与えているが、かといって知人等との他愛ない会話すら続かないという程、孤立しているわけでもない。
また、精神力の高さも侮れないものがあるが、変身のための口上を一人小声で言った際に、恥ずかしさで短時間静止する・とある愛好会の面々等による、人形を囲っての不気味な儀式と勘違いしかねない異様な行為に動揺を露わにする等、年相応な一面も見られる。
内に秘めた向上心や優しさも相当なもので、持ち前の頭脳などに甘んじず、時間の合間をぬって予習や武具の鍛錬に励む・満身創痍の身で気高さや交渉の余地らしきもののある敵対者に説得を試みるといった行動を通して、一部の相手にも、その精神性を買われている。一方で、自分に対する厳しさや、努力が空回りした時の弊害も凄まじく、一部の後輩や友人をやきもきさせることや驚かせることもしばしば。
おまけに、チャームポイントや密かな趣味らしきものが大食いであるなどなど、一部の読者が悪い予感を抱くような要素も幾つか覗かせているが、その分応援し甲斐のあるキャラともとれる。
一時期、話題となっていた怪奇事件に遭遇した際、とある公園にて特異な機械を偶然拾ったことがきっかけで、人知れず下記の怪異から人々を守るべく、自ら奔走するようになる。
その間に、怪異との激闘などについて、上記の性格等がこじれて一人で抱え込み気味になる場面を見せることもあったが、右折平曲あって協力者の援助や、思わぬ人物からの細やかな応援等を得て、心救われる場面も。
なお、変身ならびに戦うための要となった機械が公園にあった理由は、良くも悪くも特殊。(詳しくは本編参照。)
- 仙波灯嘉
主人公・莉緒の後輩で、サブヒロイン的存在。
快活かつ表情豊かで、男子向けの特撮番組やバトル漫画のサブカルチャーが豊富な女の子。
莉緒に対して、時折積極的すぎると思われ気味になるほど接してくるが、独善的というわけではなく、あくまで真っ当な好意で慕っている。また、百合気味どころでないレベルでアタックするわけでも開き直るほど、はっちゃけている訳でもない模様。
相手の内面の機微や、繊細な悩みに対し気に掛ける優しさも持っているが、莉緒や第三者等に降りかかる理不尽や過剰な悪意といったものに対し、並々ならぬ激情や意志の強さを見せることもあり、その点について莉緒に心配されると同時に、心身の支えにもなっている。
本編では暫くの間、一般人の域を出ない立場で、怪我等が絶えない莉緒を本人なりに気にかけていたが、途中から莉緒とともに怪異と戦いつつ、莉緒を直向きにサポートしていくようになる。
- 牧浦瑞姫
莉緒と同じクラスの生徒で水泳部の副部長。とっつきにくい雰囲気を与えがちな莉緒に対し、本編開始前から分け隔てなく接してくれる希少な人物の1人。
普段は大人しめかつ優しい性格だが、とある異能の影響で、悪戯の域を逸脱した行為を続けた者達に対し、毅然とした態度で注意しつつ、級友を助ける・変質者(に勘違いされかねない奇人)の特異な姿を親友の視界に入ってショックを受けないよう自ら衝立役になるといった芯の強さや行動力も持ち合わせている。
元々仲自体は悪くなかったが、本編の途中で起きたプールでのトラブルの際に、莉緒と気心の知れた友人となり、灯嘉とも交友を深めるようになる。
- 氷室
莉緒と同じクラスの男子生徒で、新聞部の部長。少し変わり者ではあるが冷静かつ誠実な性格で、私利私欲などで他の生徒が嫌がるような記事執筆・写真撮影をしない主義である他、撮影技能等も高い。
また、一般の趣味の域を出ない事柄であれば、一風変わったものに対する撮影やレビュー執筆依頼に応じるといった柔軟性もあるので、部員だけでなく他の生徒にも厚く信頼されている。
危険を承知の上で詐欺事件を追っていたジャーナリストの父の影響で、写真を通して、町を取り巻く怪奇事件等に対して自分なりに戦おうと奮闘しており、その行動と意志について莉緒は共感を覚えていたが……。
- 造形美術同好会
1号・2号・V3を自称する三馬鹿トリオ。美少女キャラのフィギュア等をこよなく愛しているオタク気質かつ風変りな連中で、洗脳能力者の影響で、複合能力と連係プレイによる問題行動を起こしたり、自ら模型愛好家ふくむ敵味方に大迷惑をかけた挙句、チーム全敗に追い込んだり……といったレベルの事件を起こす様子なく、メンバー同士でマイペースに、フィギュアを愛でたり、レビュー執筆依頼をしたりしている。
ただ、その執筆依頼などの過程は、オカルトマニアも恐れ慄きかねない程、珍妙かつ不気味なもので、一度は莉緒を大いに困惑させた事も。
あるキュアロイドがクラスメイト達に催眠をかけたうえ、高所に連れだした者やクラスメイトの1人などを人質にされたために、莉緒達が大いに追い詰められた時は、操られたふりをして、思いがけぬ奇策を仕掛けて莉緒達を助ける大金星を果たす。
キュアロイド
人間に対して殺害こそ滅多にしないものの、精神的苦痛や外傷を伴うような行為を働く謎の怪異達。
高い知性と身体能力、特殊な異能(、そして妙な人間味や憎めなさ)などを併せ持つ幹部級と、知性は高くはないが、幹部級とまでは行かないまでも、一般人にとっては十分脅威な身体能力と記憶関連能力を持って人間を襲撃する下級キュアロイドなどが存在する模様。
下級キュアロイドは昆虫のような出で立ちのものや小人のような姿のもの、軟体状のものまで多様性豊か。
暗躍組織としての側面がちらつく集団なのだが、ペットの飼育や丸いPC関連業務での労働等、どこかアットホームなところがあり、幹部級同士の仲も悪くない。だが、情報や貴重品の管理には、どこかムラがある。
また、まがりなりにも不特定多数の集まりであるからか、なかには他の幹部級キュアロイド等の発言にも気に留めず、過激な思想や発想の赴くままに暴走する輩も。
- ワーディア
ムカデやクワガタ等の要素が混じった蟲風のキュアロイド。武人気質で、味方だけでなく見どころある戦士等にも、敬意や情を見せる豪傑。一振りで強風を起こしかねない攻撃を幾度となく見せるが、力ありきに見えがちな手法だけでなく、戦力的撤退用の技や捕縛用の糸なども駆使するといった理知もある。その一方で、時折天然な一面も見せる。
絞めるべきところではキッチリ絞めて、天然ボケな状態になったら、とことんボケるキャラクター。
自分たちの行っている行為が褒めがたい所業であることを知りつつ、強い使命感等を持って人間たちを襲っているが、莉緒との交戦時、彼女の必死の訴えや意志の強さ等を垣間見て、思わぬ感情が目覚めてしまう。
- ノギュナーテ
悪趣味で口が悪く狡いところもあるが、気さくで仲間想いなうえ、かなりのツッコミ気質という、良くも悪くも複雑な性格をしたキャラクター。
自分の悪意や癖、良心等との折り合いをつけつつ策や搦め手を練ることに長ける、曲者ともとれる。
単純な戦闘技能ではワーディアには及ばないが、水陸両用で動き回る身体での変則的な動きや擬態による潜伏を始め、多彩な搦め手を用いる。もっとも、正攻法寄りの戦闘スタイルにも多少理解はある。
その他、時には精神攻撃狙いや悪ふざけの類かどうか怪しい口調で、相手の問いかけに対して、学生の身である相手にもわかりやすい例えを混ぜつつ答えるなど、自分たちの行いに対し、何か思うようなところもある節を見せる場面も。
- レィズマ
ワーディアやドクターを厚く慕い、ノギュナーテと凸凹コンビのような漫才を行う、植物風の幹部級キュアロイド。
令嬢を思わせる口調で話す他、情報操作・収集等に長けるが、ワーディアを慕う気持ちが空回りして薬草まみれにする・とあるキャラの抱いている感情についての失言を通して、場の空気をグダグダにする等、ドジッ娘じみた一面もある。
直接的な戦闘には然程長けてはいないものの、高貴さと加虐心らしき感情が入り混じったような振る舞いで、足元等に罠を仕掛ける・花粉で相手を惑わすといった策を講じて立ち回る。また、花の盾を用意して味方を守るといった補助役もこなせる。
- ドクター
キュアロイドに関する事件に深く関与している人物で、科学者にして保護者的存在。危険な生物や物品等の開発を行っている……のだが、その言動は歪みや自分本位な願望等が目立つ節があまりない。そのうえ、狂科学者かどうかも怪しいような言葉までこぼす、仲間への情に正直で面倒見のいい女性。
ただ、重要品や情報の管理に関するシステム施行や手際に関しては、かなりの紙一重。
訳あって、犯罪行為と言われても仕方ない所業と知りながら、キュアロイドを通しての暴行や陵辱騒動などを引き起こしているが、時折罪悪感などに囚われ、苦悩する姿も。
- ロドゥン
ドクターや幹部級キュアロイドなどが拠点を構えている場所にて、システムを管理している人工頭脳で、防衛担当。
機械であるからか、マイペースととれる会話をすることはあるが、時折、ドクターの精神的な変調に対して気遣う様子などを見せる。
その他、ワーディアのある感情にも理解を示す・自主的にドクターたちの助けになるよう、足がつきづらく、かつ第三者への迷惑にもなりづらい営業で収入を得るといった行動が見られることも。
- ???
本編の途中から新たに加入したキュアロイド。
言動は不真面目で子供じみているが、時折見せる閃きや狡猾さは侮れない。
一応、周囲の発言を聞き入れていた時期もあったのだが、徐々に我儘勝手で刹那的なモンスターチルドレンのような願望が強まるだけでなく、肉食獣の如き狂暴性などを露わにし、いらぬ支配欲まで目覚める。
その有り余る凶暴性と浅薄で子供じみた万能感のままに暴走した影響は、莉緒達にとっても、キュアロイド達にとっても無視し難いもので、双方ともに心に拭いきれない傷を負った。
アテナシステム
あるデバイスのような機械に備わったシステムで、物語の要といえる存在の1つ。莉緒などが変身ヒロインとして戦う道を選ぶきっかけとなった代物でもある。
一定の条件を満たした女性のみが扱えるもので、変身による身体能力の上昇や、高密度のエネルギーを秘めた武具の使用が可能となる。また、変身する際の装甲や装具の特性などは始めに使用した際に、使用者の要望にあわせて細かく設定することや自動などで決めることが可能だが、一度決めた後は変更できない仕様の模様。
その他、この機械に選ばれた者は身体ダメージの回復が早くなるなどの現象が見られるが、謎も多い。
元々はある科学者らしき人物が所持していたようだが、ちょっとしたトラブルのもと2つの機械が手元から離れたことが、物語を大きく揺り動かすことになる。
- チェインドアテナ
「あなたの罪の連鎖、断ち切らせて貰うわ!」
ある夜に襲われた一人の女性を一刻も早く助けたい一心で、変身用の機械を手にとった莉緒が思い描いたイメージをもとに反映された姿。
装備等について細かく設定できるような時間的余裕はなかったため、装甲は戦闘面での動きやすさを重視した、露出が多めの軽装型で、武器は変則スタイルの鎖一種という、シンプルかつ柔軟性に長けるもの。その為、物理的な攻撃や水砲等で秘部等がはだけたりする事も少なくないが、見た目に反して特殊粉末・催眠等の変則攻撃に対する耐性は比較的高め。
武器だけでなく戦い方も変則的で、縦横無尽な軌道を描きつつ伸びる鎖を巧みに操りつつ、相手を攻撃し、時には天井近くへの回避や足止め・捕獲に用いて翻弄するなど、多彩な立ち回りを見せる。もっとも、搦め手一辺倒ではなく、鎖を上から真っすぐに振り下ろす威力重視の技など、直線的な攻撃もこなせる。また、物語が進むにつれ、手元から離れた鎖の遠隔操作をする描写を見せるようになった他、身体能力や戦闘技能も向上され、徒手空拳による躍動的な攻めや、鎖で飛び道具による攻撃を防ぐといった芸当も、こなせるようになった。
弱点は接近戦に尖った攻撃に用いづらいこと等。また、威力に関しては下級キュアロイドと戦う分には申し分ないが、幹部級キュアロイドと戦う際は、瞬間的な火力に悩まされることも。そのため、鎖で周囲の岩石等を巻きとって即席フレイルにする・鎖同士を球体状に絡め併せて固めた状態でぶつけるといった方法を織り交ぜる形で工夫している。
ちなみに、変身口上は「女神よ、此処に連なれ!」。
- イグナイトアテナ
「覚悟してください。わたし、火点いちゃってますんで」
灯嘉が、ある小動物に案内された場所でみつけた機械によって、変身した姿。
近接攻撃を行うためのエッジと高速移動を行うための車輪が備わった脚部パーツ、中・遠距離攻撃と防御用の装甲の切り替えができるギミック搭載のアイテムなど、火力と装備が充実した豪華仕様。
莉緒を直向きに助けたいという熱い想いと、他者の心身や努力を蔑ろにする輩に対する怒りなどが、これでもかと反映されたものとなっており、これらの武装を通しての過激な連続攻撃や迎撃、莉緒の援護などを行っていくスタイルの模様。
一方で、身体能力は然程向上されていないため、手足を掴まれるといった方法で、身動きを封じられると脆い・催眠等に対する耐性が乏しいといった穴もある。
ちなみに、変身口上は「アテナ・オン!」。
- チェインドアテナ・エクステンドブレイズ
莉緒が終盤にて、とある者の不器用かつ熱烈な想いに応えるべく覚醒して得た新形態。
従来の鎖での臨機応変な戦闘スタイルを維持したうえで、これまでより格段に高いパワー・スピードなどを出せるようになった他、高速飛行が可能となった。
関連イラスト
関連項目
聖天使ユミエル……こちらも人付き合いに不器用で鎖を用いる変身ヒロインが、快活かつ行動力旺盛な巨乳キャラに心救われながら、人外との戦闘を行う18禁小説作品シリーズ。
ただ、こちらが鎖をメインにして戦うスタイルなのに対し、あちらは鎖を用いるのは闇堕ちに近い変身形態の間のみで、平常時はあくまで剣や翼を主体にして戦ううえ、変身前の姿も対照的。