針の魔女(魔法少女おりこ☆マギカ)
はりのまじょ
針の魔女。その性質は篭絡。
女性の体を三つ組み合わせたような外見で、目玉の付いたハット帽を被っている。両腕のかぎ爪と背中から打ち出す角弾が主な攻撃手段。更に、『[新約]sadness prayer』ではワンピースのような服が追加された。
以下ネタバレ注意
「守護者も、鹿目まどかも、すべての敵を……それでも足りないなら、私を砕いて捧げるよ」
「君のために壊れよう」
名称は不明。
魔女と同じシルクハットをかぶった縦長の雲や綿に見えなくもない体にくるくると巻いた手足と思われるものが5本生えた姿をしている。
開くと鋭い牙の生えた口がありこれで結界に閉じ込められた見滝原中学の生徒や教師を次々と捕食していった。
第5話ラストにて呉キリカのソウルジェムが砕け散り、グリーフシードに変異することによって誕生。生前のキリカの想いをそのまま留めるように、美国織莉子を援護し、佐倉杏子達と戦った。
最後には魔法少女達相手に敗北したものの、この魔女の破片が、織莉子にとっての、最期の突破口を開くことに貢献している。
連載当初は真名が明かされておらず、彼女の生じた魔女結界の背景に書かれていた、「MARGOT's GARDEN」という表記から「Margot」だと推測されており、ファンの間ではこの名前が浸透していた。
その後、2017年8月22日に配信開始された『マギアレコード』にて、神浜市にて魔法少女がドッペルという能力を発現でき、さらに発現したドッペルの真名が、その魔法少女の魔女の真名と共通することが判明した。
キリカを覚醒させることで発現するドッペルは篭絡のドッペルであり、これを元に類推すると、キリカの魔女としての真名はLatria(ラトリア)であり、分類は針の魔女、性質は篭絡となる。
『マギアレコード』で判明した真名のLatria(ラトリア)は、「三位一体の神(至聖三者)にのみ捧げられる最高礼拝」を意味する。
キリカにとっての神といえば美国織莉子しかいないのだが、自身が殺そうとしていた人間が最終的に神に等しい存在となったことを考えれば何とも皮肉とも思える名前である。
同じく『マギアレコード』で判明した性質の「篭絡」は、「人をうまく丸め込んで自由に操る」という意味である。これは、トラウマから心を壊され織莉子の思うままに動く駒となってしまったキリカの状態に通じる。
大抵良い意味では使われない言葉であり、織莉子を狂信するキリカの状態を表すものとしては、彼女の言動から見て取れる「愛」や「心酔」などの能動的な気持ちを表す言葉よりも、受け身的かつ痛ましい本質を表している。
『魔法少女まどか☆マギカ』本編や、『魔法少女まどか☆マギカポータブル』の例を見れば一目了然だが、魔女の行動原理には、誕生した瞬間の魔法少女の呪いが、密接に結びついている。
本編中の魔法少女達の願いは、総じて、絶望によって呪いへと転じていたが、巴マミはこの時のキリカの感情について、「呪いとは違う、もっと明確な意志」と表現している。「sadness prayer」で明かされた通り、キリカはこの「篭絡」された状態のまま、「織莉子に相応しい人間に変わり続ける」という願いのもとに魔女化しているのであり、性質が「篭絡されている」という状態を表すならばこの魔女が織莉子を守ることも必然であったと納得できる。
呪いよりも強い「愛」の感情で魔女化そのものに打ち勝ってみせた後々のシリーズのある人物も彷彿とさせるが、それとはまた違う稀なケースである。これと全く同様といえるケースは、シリーズを通しても強制的な魔女化に抵抗した浅海サキ以外には存在せず、そちらは純粋に「姉妹愛」を性質として自ら命を絶ってでも最愛の妹の面影を持つかずみを守った。
他の類例としては、呪いを募らせることによって、それに近いことを実現させた者もいるにはいるのだが、これも「不完全な魔女化」という条件つきとなる。
ネタバレ注意
暁美ほむら (ほむら様)←彼女もある意味本編の続編で同じ事を繰り返した魔法少女。さらに愛の力でキリカ以上の領域へ達してしまった。
Quitterie(魔法少女まどか☆マギカポータブル):針の魔女と呼ばれており、Latriaaが登場したことで分類が重複することになった。