概要
東京都大田区南雪谷二丁目にある東急電鉄池上線の駅(IK09)。
1923年5月4日、池上線の前身・池上電鉄の「雪ヶ谷」駅および「調布大塚」駅として開業。目蒲電鉄に池上電鉄が合併された1933年にこの両駅を統合して「雪ヶ谷大塚」駅となる。
そして1966年、現在の駅名に改められた。
開業当初、雪ヶ谷駅は荏原郡池上村大字雪ヶ谷(現在は「ヶ」を省く)、調布大塚駅は同・調布村大字鵜ノ木字大塚(現・南雪谷二丁目の一部。大塚の由来は鵜木大塚古墳から)に所在していた。なお中原街道の北側には雪谷大塚町という地名が別に存在する。
地名に雪の字を冠する経緯は不明だが、かつてはユズの群生地域だったことから「柚の木谷」が訛った(ちなみに横浜市内に東急バスの「柚の木谷」停留所が現在も実在する)という説と、この近辺の土壌が白土だったために、遠方から見て雪が積もっているように見える場所を示す「雪谷戸」が「雪ヶ谷」に訛った説、または「雪谷戸」と同じような意味を持つ「雪ヶ谷」がそのまま地名になったという説がある。
池上線、多摩川線の車両基地である雪が谷検車区が当駅に隣接しており、早朝・夜間を中心に当駅止まり・始発の列車が設定されているほか、朝方ラッシュ時には五反田駅との間で区間便が多数運行されている。
駅構造
島式ホーム1面2線を有する地上駅で橋上駅舎を持つ。
蒲田寄りの駅前踏切を渡った先に折り返しや入庫の際に使われる渡り線がある。五反田方面から到着した当駅折り返しの列車は1番線に到着後に乗客を降ろしたあと、この渡り線を使って雪が谷検車区に向かい、2番線に転線して当駅始発の五反田行きとして入線する。また終電後は上下線どちらにも夜間停泊を実施している。
利用状況
2021年度の1日平均乗降人員は19,349人である。
余談
- 日本国内の鉄道駅で「雪」の字が駅名につくのは唯一ここだけである(列車愛称でも現在使用されているのはJR北海道の特急「大雪」のみ)。
- 戦前の一時期には、当駅より新奥沢駅へ向かう「新奥沢線」が延び、途中に諏訪分駅が設けられていた。この新奥沢線は池上電鉄から目蒲電鉄に引き継がれたものの、大東急時代を迎えることなく廃線になっている。