概要
太平洋にて「52ヘルツ」という特殊な周波数の歌を80年代から発信し続けている1頭の鯨。この鯨の歌は毎年観測されているが、その個体を発見することはできておらず、種類を特定することもできていない。
鯨は歌によってコミュニケーションをとるが、通常の鯨の鳴き声は周波数がもっと低く、52ヘルツの音声を聞き取ることはできない。そのため、この52ヘルツの鯨の歌は他の鯨に聞こえていない可能性が高く、これまでは「世界で最も孤独な鯨」と呼ばれてきた。日本でもメディア等で紹介されて有名人(有名鯨)になった。
ところが、最近は「シロナガスクジラとナガスクジラのハイブリッド」説や「単なる(鯨達の)方言」説も有力になってきており、「言うほどそんなに孤独じゃないかもしれない」ともされてきている。
ちなみに、「水中の謎の音」が鯨類の声であると判明した事例は他にもあり、海底にマリアナ海溝のある海域付近で録音されていたのがミンククジラの声だとか、シャンプレーン湖のUMA「チャンプ」の調査に使われていた音響装置が捉えた動物の鳴き声が、(どこからか淡水に入ってきたであろう)ベルーガ(シロイルカ)の声だと判明した、等がある。