概要
近畿日本鉄道(近鉄)が所有する一般列車用車両。狭軌(1,067mm)路線である南大阪線系統に使用される。
1984年に1250系として登場した1420系による近鉄初のGTOサイクリスタ素子VVVF制御の試験が行われ、その結果を基に南大阪線用の量産型として登場したのが6400系で、のちに4両編成仕様の6620系に発展した。
車体は裾を絞ったアルミニウム合金製で、その後の近鉄のVVVF制御車両の標準仕様となっている。車体幅は2,800mm。
車内のロングシートは3200系と同じくひじ掛けが化粧板仕上げとなり、シリーズ21登場までの主流となった。
6400系列、6620系ともに、日立製作所製のGTOサイクリスタ素子VVVF制御装置を搭載。
6400系
1986年3月に登場。電算記号はMiで、Mc-Tcの2両編成となっている。
仕様変更により、以下の系列に細分化される。
- 6407系:ホイールベースを2,150mmから2,100mmに変更した台車を搭載。
- 6413系:通勤車両全線共通仕様に基づく新車体を採用し、台車も変更。
- 6419系:補助電源装置を電動発電機から静止型インバータに変更。車椅子スペースを設置(のちに6400系列全車両に設置)
- 6422系:ボルスタレス台車を搭載。
- 6432系:6422系をワンマン運転対応仕様に。
1996年までに合わせて33編成66両が製造された。内訳は以下の通り。
- 6400系(モ6400-ク6500):6編成12両(Mi01 - Mi06)
- 6407系(モ6407-ク6507):6編成12両(Mi07 - Mi12)
- 6413系(モ6413-ク6513):6編成12両(Mi13 - Mi18)
- 6419系(モ6419-ク6519):3編成6両(Mi19 - Mi21)
- 6422系(モ6422-ク6522):2編成4両(Mi30, Mi31)
- 6432系(モ6432-ク6532):10編成20両(Mi22 - Mi29, Mi32, Mi33)
改造の際、車外転落防止幌を設置し、新型ATS(ATS-SP)の設置やデッドマン装置の更新が行われた。また6422系の6422編成から6429編成までワンマン運転対応仕様に改造され、6432系となった。(つまり、6422系のトップナンバーは6422ではなく6430、6432系のトップナンバーが6422となるわけのわからない状態となっている。)そして6432系の一部に案内表示装置とドアチャイムが設置され、ク6500形の先頭部に連結部注意喚起スピーカーが設置された。
6419系は令和に入ってからワンマン化改造されたが、6432系に形式変更はされていない。
6620系
1993年に登場した6400系(6422系)の4両編成仕様。電算記号はMT。
1997年までに7編成28両(MT21 - MT27)が製造された。
車両編成は吉野・河内長野寄りからモ6620-サ6770-モ6670-ク6720。
最初の2編成は母線引き通しを行わず、Mc車、M車のパンタグラフは2基ずつあった。6623編成以降は母線引き通しが行われ、それぞれパンタグラフが1基ずつの搭載になった。その後最初の2編成も母線引き通しが行われ、全編成のMc車、M車のパンタグラフは1基ずつとなっている。
改造の際、車外転落防止幌を設置し、新型ATS(ATS-SP)の設置やデッドマン装置の更新が行われた。一部の編成に案内表示装置とドアチャイムが設置され、ク6720形の先頭部に連結部注意喚起スピーカーが設置された。
関連タグ
1220系 - 日立製VVVF制御装置を搭載する2両固定の標準軌路線用車両。
1021系・1026系・1031系 - 日立製VVVF制御装置を搭載する4両・6両固定の標準軌路線用車両。
外部リンク
- 近鉄6400系電車 - Wikipedia - こちらにさらに詳細あり