概要
Intelから発売されている低価格PC向けCPUブランド(特定のCPUの種類を指すわけではない)。低価格のノートパソコンによく採用されている他、自作PC用も発売されている。
Intel Core、Pentiumの下位ブランドで、一般的なPC用途としてはローエンドに位置付けられる。
自作PCユーザーなどは、インテルが用いた社内コードネームで世代を呼び分けている。
種類
P6マイクロアーキテクチャ
社内コードネーム Covington/Mendocino/Coppermine-128K/Timna(開発中止)/Tualatin-256K
PentiumⅡ・Ⅲの低価格版として発売された。Pentiumから2次キャッシュメモリを省略・削減した廉価モデルとなっている。
CPUを少し細工しただけでオーバークロックが可能となっているため、オーバークロック前提で運用するとPentiumよりも高い性能を引き出すことができる。そのため、Celeronブームとオーバークロックブームが起きた。
NetBurstマイクロアーキテクチャ
無印
社内コードネーム Willamette-128K/Northwood-128K
第1・第2世代のPentium4をベースに作られたCeleron。2次キャッシュメモリが半減されている以外はPentiumとの変わりはない。
Celeron D
社内コードネーム Prescott-V(Prescott-256K)/CedarMill-V(CedarMill-512K)
第3・第4・第5世代Pentium4をベースに作られたCeleron。2次キャッシュメモリが少なくなっている他、ハイパースレッディングは無効化されている。
動作クロックは最高で3.60GHzとなっているが、発熱もすごいので注意。
Coreマイクロアーキテクチャ
無印
社内コードネーム Value Sossaman/Conroe-L/Conroe-CL
Core2シリーズの廉価版として発売。Coreマイクロアーキテクチャ唯一のシングルコア製品で、性能は控えめ。
Celeron Dual-Core
社内コードネーム Allendale-512K/Wolfdale
Celeron初のデュアルコア製品で、Pentium Dual-Coreよりもさらに2次キャッシュメモリを減らした製品となっている。
Celeron(2010年以降)
Nehalem世代以降のCeleronは、Pentiumの下位ブランド製品で、デスクトップ向けでは最下位モデル。
デスクトップ向けは全て2コア2スレッドで、プロセス微細化・アーキテクチャ改善・クロック数の向上で高性能化されている。シングル性能かなり優秀で、同世代での比較ならPentiumやCorei3に匹敵する性能を誇る。しかし、コア数とHTT無効が足を引っ張っているためマルチ性能はかなり控えめ。
モバイル向けは第11世代まではデスクトップ向けと変わらない2コア2スレッドだったが、第12世代からは高性能コア(Pコア)+高効率コア(Eコア)のハイブリッド構成を採用。Pコア×1とEコア×4の計5コア5スレッドとなった。Pentiumとの違いはHTTが有効かどうかのみ。
SoC向けは4コア4スレッドの製品があり、マルチ性能はデスクトップ向けCeleronや省電力版Pentium・Core i3を超える。逆にシングル性能は壊滅的なため、体感速度は非常に遅く、タスクマネージャーでCPU使用率が100%で張り付いたりする。実質Atomである。
終焉
長い間IntelCPUの下位モデルとして活躍してきたが、2022年にIntelから「2023年以降の下位モデルのブランド名をIntel_Processorに変更する」と発表され、同じく下位モデルとして活躍していたPentiumと共にクローズされることが決定。
統合先のIntel ProcessorではCore系かつHTT無効の製品は登場しなかったため、かつてのCeleronと同じ構造の製品は完全に消滅。役目を終えたと言えよう。
余談
ネット上では「セロリン」や「\セッロリ~ン/」と呼ばれることがある。