概要
FGO無限の運ゲーとは、TYPE-MOONによるスマートフォン向けRPG『Fate/GrandOrder』のプレイ動画を投稿しているYouTuberである。
投稿される動画の趣旨はいずれも「低レアサーヴァント縛り」、即ち戦闘に使用するサーヴァントをレアリティが☆3以下（コモン、アンコモン、レア）のサーヴァントに限定し、イベント高難易度クエストやメインストーリーのボス戦・難所を攻略するという内容である。
低レア故どうしても存在する基礎性能の不利を覆す、各サーヴァントの強みやステージギミックに対する深い理解に支えられたハイレベルな戦略が特徴である。しばしば名の示す通り自らのプレイングを運や試行回数の賜物と自虐することもあるが、いずれの動画でも現実的に考えて無理のないよう可能な限り運要素を減らす工夫が凝らされている。
縛りの詳細
サーヴァント
動画の趣旨はあくまで低レアサーヴァント縛りであり、恒常無料ガチャ縛りでも無課金縛りでもない。即ち、聖晶石を消費するストーリー召喚や期間限定ピックアップ、その他入手手段が限られるサーヴァントであっても、そのレアリティを示す星の数が3個以下ならばパーティ編成に採用されうる。排出確率的には☆5以上にレアな☆0サーヴァントも例外ではなく、基礎ステータスに鑑みて縛り上☆2相当として扱われている。
一方で、マスター全員が所持しているマシュ、フレンドポイント召喚でも手に入るセイバー・リリィ、イベント進行が取得条件である配布☆4サーヴァントはいずれも編成対象外である（なお、例外的に一度だけ配布☆4サーヴァントのみでの攻略を企画した動画を投稿している）。レアリティが上昇する特定のシナリオを経る以前の☆3マシュをフレンド枠として採用しうるかについては明らかになっていないが、今のところ採用した動画はない。
ゲストNPCや自前マシュ等高レアサーヴァントの強制編成を課せられるクエストにおいては、その枠を除く全てを低レアで染めた編成での攻略を投稿している。この場合、勝ちを狙いに行くためであれば攻撃の主役を高レアに譲り自前のユニットをサポーターとして立ち回らせることも厭わない。
概念礼装
動画の趣旨は低レアサーヴァント縛りで、各サーヴァントに持たせる装備『概念礼装』に関する制限は特に設けられていない。低レアサーヴァントの特徴としてパーティ編成コストの低さがあり、その分コストのかさむ高レアの概念礼装を多数積むことができるのはこの縛りにおいて貴重な武器となる。
動画の特徴
サーヴァント
低レアサーヴァントの中でも特に☆1と☆2の起用が主であり、☆3サーヴァントの出番は比較的少ない。最貴重素材『聖杯』によってレベル上限を引き上げて強化したサーヴァントは切り札的なポジションのようで、こちらの起用も珍しい。攻略の難しい縛りは概ね「☆1のみ＞☆2のみ＞☆1と☆2＞☆3のみ＞☆3以下＞聖杯投入組」の順である様子で可能な限り難しいものに挑戦している。実際に投稿されている動画は☆1と☆2による攻略が多い。
前述した強制出撃を課せられる一部クエストを除いてはフレンド枠も低レアで縛っており、同一サーヴァントのダブル編成を好んで多用する。
育成においては事実上死にスキルと化しているものに対してもゲーム内屈指の貴重素材『伝承結晶』を投じて最大までレベルを上げる、徹底した妥協のなさを見せている。
基礎的な攻撃力に恵まれない低レアの中でも高い瞬間火力を出せる貴重な存在であるカリギュラを伝統的に愛用しており、バフをかけまくったBusterチェインによるクリティカル素殴りで相手のHPを一気に消し飛ばす戦法は無限の運ゲー氏の代名詞である。どう立ち回らせるにせよ不安定な確率が付きまとうスキルや宝具、クリティカルが頼みの綱となりがちなこのサーヴァントこそまさに運ゲーの象徴とも言え、“ローマ市民”を自称する、あるいは他称される所以の一つとなっている。
通常攻撃が全体多段ヒットである一部の大ボスに対しては、カリギュラにアステリオスを組ませた特異な耐久パーティを組むことが多い。どういう因果か、ビーストクラスを相手取るときは、アステリオスが主役を張りがちである。
☆3ではサービス初期から異様な耐久力で評判のお馴染みクー・フーリンの活躍がよく見られる。
その他、近年はクエスト難易度のインフレに伴い、高火力や宝具速射に定評のある新規追加☆2の陳宮やサロメの採用率が特に上昇している。
概念礼装
FGOの縛りプレイ・TA界隈では珍しくないが、ぐだぐだ看板娘をはじめとしたターゲット集中礼装を頻繁に使用している。これにより、被ダメージとサーヴァントの退場・交代のタイミングを管理したり、可能な限り運要素を排除したりパーティの総被ダメージ量を削減したりしている。2021年現在までに一度だけガチャ動画を投稿しているが、そのガチャの目的はこの期間限定礼装の大量入手であった。
その他、プレイ歴の長さもあって少数ながら限界突破済みのカレイドスコープ、黒の聖杯等の強力な概念礼装を所持しており、NP溜めや基礎火力に問題を抱えがちな低レアサーヴァントの弱点を補う貴重な手段としている。
動画
冒頭に小さく投稿者のクレジットが画面下に示されたり、ごく稀にBGMを変えたりSEが加わったりすることもあるが、基本的に字幕・音声解説等は入らずほぼ素のままのプレイ動画である。
投稿コメントは、イベントの感想、近況、攻略に当たってのこぼれ話などの雑記を数々のネタで彩った怪文書、もとい読み応えのある長文である。
動画タイトルは「(クエスト名等)を星○鯖で適当に」となることが多い。末尾の「適当に」は「適切に」と「いい加減に」のダブルミーニングのようである。たまに「超適当に」等別の語で締め括られることもあり、その場合は超適当にプレイするなどしているようである。
その他特徴
・令呪の使用は環境的にクリアが困難だった初期の数本でしか行っておらず、後にクエストが復刻された際には令呪なしのクリア動画をお礼参りとしてアップすることもある。
・コメントの返信をするのは原則最近投稿した動画のみであるが、わりとまめである。
・コメント欄でたまにK-RR氏にちょっかいをかけられているが、大体固定してつるし上げるのがお約束となっている。
・星3のイケオジ系サーヴァント(レジライ，ヘクトールなど）の出番が少ない傾向にある。特にウィリアム・テルは実装から二年たった現在でも使用している動画はない。ブログによれば「強いのは理解しているが相手とかみ合わないことが多い」とのこと
総評
一般的にソシャゲ無課金者の友とされる低レアユニットを主軸とした攻略をしていることから一見すると勘違いしそうにもなるが、動画の趣旨は既に示したように尋常でないリソースを低レアに注ぎ込んだ上級者による縛りプレイ・魅せプレイの類である。初心者でも真似すれば楽にクリアできる攻略動画の類ではない。
それではこれらのチャレンジは一体我々に何を見せ、どんな魅力を感じさせるのか？ その答えは十人十色となりうるが、概ねコンセンサスが取れそうなものを例として挙げるとすれば、
・一般には見向きされにくい低レアサーヴァントのポテンシャルをあらゆる手を尽くして引き出し、ゲームに対する視野と楽しみ方を広げてくれること
・使用するユニットの性能のみならず、味方の退場タイミング、ゲームの仕様、ステージギミック等に関する、試行・調査・計算に支えられた高度な戦略
・策ではどうにもならない運ゲー要素に対する潔い割り切りと、低確率を引き当てる徳の高さ
・緻密な戦略の一方でたまに発生するプレイミス（ガバ）や、計算外だけどクリアできたからまあいいか的なライブ感との間に生じるギャップ萌え
などがありえる。
なお奇策を採用することも度々あるものの実のところやっていることは案外基本に忠実だったりする。決して初心者向け攻略動画の類ではないと先ほど述べたが、パーティの動きの表面的な具体的手順ではなく攻略の要となる大まかな本質を参考にできれば、低レアに貴重なリソースを割かずとも手持ちの育った高レアで適切に一部を代用するなどして攻略の行き詰まりを解消できることもあるかもしれない。
低レアなんてせいぜいアーラシュや陳宮が選択肢として頭に浮かぶことがあるかないか、という人にこそ視聴してみてほしいチャンネルである。
その他
・プレイ動画を2016年6月25日に初投稿して以来活動は長らくYouTube一本に限定していたが、2020年9月にブログを開設した。記事の内容は動画のメイキングや追加サーヴァントの性能評価がほとんどで、稀にFGO以外の事柄に関しても雑記を綴っている。
