概要
『ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃』に登場が予定されていた「風の聖獣」ことバランである。
バラゴンとアンギラスと異なり、明確なエレメント(属性)を有していないが、高熱を発するバラゴンと冷気を発するアンギラスが上昇気流を発生させてバランの飛行を補佐するという描写が予定されていた。
映画では未登場に終わったものの存在が完全に抹消されたわけではなく、劇中に登場する書籍『護国聖獣伝記』には「婆羅陀魏」と呼ばれる伝説の存在が記載されており、「護国三聖獣との関連性が噂されている」とも紹介されている。
ただし、その一方で「婆羅護吽、最珠羅、魏怒羅の姿は王朝の古墳に絵画として残っていたが、婆羅陀魏伝説は文章しか発見されていないので神話の領域を脱却できない(想像の領域に止まっている)」とも書かれている為、著者の伊佐山は「実在しない怪獣」と見做していたようだ。映画本編に『護国聖獣伝記』が映るシーンはあるものの「婆羅陀魏」の話題が挙がることはなく、映像上でも「陀魏」という文字がかろうじて読める程度なので、ほぼ裏設定のような扱いである。
余談
- 大幅に設定が変更されたバラゴンやアンギラスと異なり、山奥の民から「神」として崇拝されるという点は初代バランと共通している。
- 名前の表記はバラゴン(婆羅護吽)に流用されている。また、同作のキングギドラ(魏怒羅)には顔の横にバランのようなひれがついており、実際にバランのイメージが踏襲されたとされている。スーツ製作担当の品田冬樹が私的に製作していた造形物がイメージモデルとして用いられていた。
- 映画公開当時に作中の小道具を模した『護国聖獣伝記』ノートが発売されている。このノートには映画本編で映った文章・図画を模したページがあり、「婆羅陀魏」に関する記述も読むことが出来た。
- アート上では、優雅で神々しさを覚える白い怪獣として描かれることが目立つ。
- 平成ガメラシリーズにも関係がある本作のバランとバルゴンは、共に「光る物を飲み込む」という習性がある。