HERO(テレビドラマ)
ひーろー
フジテレビの月9枠で放送された検察官(検事)を主人公とした作品。主演は木村拓哉。
東京地方検察庁城西支部を舞台に、正義感は強いがどこか浮世離れしている検事久利生公平が、毎回あの手この手で事件の真相を導き出す。
現在までレギュラー2回(2001年1月8日~3月19日、2014年7月14日~)、特別編1回(2006年7月3日)、映画2回(2007年9月8日公開、2015年7月18日)が制作されている。この内、レギュラー第1期は視聴率が毎週30%代を記録するという異例のヒットドラマとなり、月9ドラマの平均視聴率最高記録を持つ。
今作が大ヒットしたことにより、以前に比べると検察官が主役の作品が続々と作られるようになり、実際に検察官を目指す者が増えたらしい。
尚、主人公の久利生は中卒で大検(現高卒認定試験)を受け旧司法試験を受け合格、検事となった設定だが、平成23年以降、新司法試験にほぼ一本化され、受験資格は「司法試験予備試験合格者」に限られている。
学歴は関係なく中卒・高卒でもなれないわけではないが、本試験を受けるには予備試験を突破しなければならず、難易度がかなり上がっている。
東京地検城西支部
演:木村拓哉
城西支部検事。27歳(第1期)→40歳(第2期)。
本作の主人公。長い茶髪に革ジャンとジーパンという到底検事とは思えない風貌の人物。正義感は強いが、風貌のせいで最初は色眼鏡で見られてしまう。テレビ通販が大好きで、毎回何かしらのグッズを買って自分の執務室で使用している。
少年時代に諸事情から起こした傷害事件で自分を不起訴にした担当検事に影響され、高校中退(最終学歴は中卒)ながら大検(大学受験が可能な学力を持つ事を認定する試験)と旧司法試験に合格し検察官になった。城西支部の他に青森、那覇、札幌、山口、石川など日本各地に赴任している事がわかっている。
第1期で事務官だった雨宮とその後恋愛関係に発展したが現在は別れている。
麻木千佳
演:北川景子
城西支部事務官。28歳。
久利生の事務官を務める城西支部唯一の女性事務官。周囲から優秀な事務官として評価されている事から「人気の事務官」を自称する。頭に血が上った時などにヤンキーのような気質が見え隠れする。仕事終わりの一人飯が唯一の楽しみで、体質的に太りにくいため女性の食べる量としてはかなりの量を平気で食べる。
田村雅史
演:杉本哲太
城西支部検事。44歳。
ルーチンワーク的に仕事を卒なくこなす検事。基本的に態度は大柄だが世間体に関わる事になると慎重になる。5年前まで東京地検特捜部に配属されており、その時の自慢話をいまだに周囲に行い呆れられている。
東京地検次席検事の娘と見合い結婚したが、見合いをした際に同僚検事の馬場と交際中だったため一方的に馬場をふる形になってしまった。そのため馬場に目の敵にされ、田村もそれに応戦しいつもいがみ合っている。
遠藤賢司
演:八嶋智人
城西支部事務官。25歳(第1期)→38歳(第2期)。
田村の担当事務官。第1期からずっと城西支部に在籍しており、いつも担当検事とコントのような小言の言い合いをしているお調子者。
宇野大介
演:濱田岳
城西支部検事。31歳。
城西支部で最も若い検事で東大法学部を卒業したエリート。麻木に好意を抱いており、何かと接近を図るがいつも上手くいかない。
末次隆之
演:小日向文世
城西支部事務官。40歳(第1期)→53歳(第2期)。
宇野の担当事務官。独身で社交ダンスを嗜んでいる。しかし運動神経はあまり良くないようで、城西支部のメンバーで走るような事があるとダントツでビリになる。第1期では担当の中村検事に、第2期では馬場検事に好意を寄せているがどちらも実っていない。
馬場礼子
演:吉田羊
城西支部検事。42歳。
城西支部で唯一の女性検事。気の強い女性で、同僚検事の田村とはかつて自分に二股をかけふった経緯から犬猿の中となっている。バツイチの独身であるため、新婚の担当事務官をいびっている。
井戸秀二
演:正名僕蔵
城西支部事務官。29歳(第1期)→42歳(第2期)。
馬場の担当事務官。新婚で、夕飯や帰宅時間など事あるごとに妻と電話で会話している。第1期では城西支部の警備員で端役に近い存在だったが、第2期では4年前に試験に合格して事務官となり主要人物の仲間入りをした。
川尻健三郎
演:松重豊
城西支部部長検事。55歳(第2期)。
城西支部の検事と事務官達を取りまとめる検事。時々ふとしたきっかけで激昂するがすぐに後悔する癖がある。
東京地検本庁
牛丸豊
演:角野卓造
東京地検次席検事。49歳(第1期)→62歳(第2期)。
東京地方検察庁のNo.2を務める検事。第1期では城西支部の部長検事を務め、久利生の奔放な行動に頭を悩ませ当時の鍋島次席検事に泣きついていた。だが、その次席検事が他界したため自身が次席検事に昇進した。城西支部の田村検事は娘婿。
娘は父親似である。
江上達夫
演:勝村政信
東京地検特捜部検事。32歳(第1期)→45歳(第2期)。
麻木の元担当検事で久利生と入れ替わる形で地検特捜部に移動した検事。第1期では城西支部検事として登場していた。東大出身のエリートだが女好きで、雨宮や麻木に接近を図っていたがいずれも失敗している。
その他検察関係者
雨宮舞子
演:松たか子
元城西支部事務官。24歳(第1期)→37歳(第2期)。
第1期の久利生の担当事務官。内部試験を使った検事登用を目指している。真面目な性格な反面、少林寺拳法を会得し格闘技や酒が好きという男勝りな面も持っている。第1期終了後に久利生と恋人関係になったが、検事登用試験に合格して多忙になり別れてしまったようである。現在はどこかで検事をやっていると久利生が語っていたが、劇場版第2弾で大阪地検難波支部の検事として登場する。
中村美鈴
演:大塚寧々
元城西支部検事。33歳(第1期)→46歳(第2期)。
第1期における城西支部唯一の女性検事。城西支部にいた頃は末次の担当検事で、社交ダンスのパートナーもしていた。同僚検事の芝山と不倫をしており、魔性と色気の漂う女性。仕事に関しては比較的真面目に行うが、その他の内面は雨宮と正反対である。現在は京都地検に異動している。
芝山貢
演:阿部寛
元城西支部検事。36歳(第1期)→49歳(第2期)。
第1期の城西支部検事。タレント弁護士への転身を夢見る。妻子持ちだが同僚検事の中村と不倫をしている。だが妻子への愛情はあるようで、特に娘には中村と密会中でも電話がかかれば即座に出てデレデレになる。
1期劇場版では、不倫がばれ妻から訴訟を起こされており、芝山は弁護士をつけない本人訴訟で争っている。
その後の動向は不明。
鍋島利光
演:児玉清
元東京地検次席検事。61歳(第1期)。
第1期の東京地検次席検事。久利生が検事を目指すきっかけとなった検事の同期で、久利生に目を掛けている。第2期では故人となっており、これは演者の児玉清が他界したからである。だが、第2期でも第1話で写真により登場しており、同話のエンドロールでも「Special Thanks」(特別協力)として演者に名を連ねている。
沼田検事
鍋島次席と久利生の台詞にのみ登場。
鍋島と同期で、17歳の時傷害事件で逮捕された久利生公平の担当検事だった。
鍋島曰く「厳しい中にどこか温かみのある人物」久利生曰く「おっかない顔した、よれよれのジャンパーを着た甘い物好きのおっさん」
久利生は友人を庇い、自ら傷害事件の犯人だと名乗り出た。が、沼田はそれに疑いを持ち、自ら再捜査し久利生が犯人ではないという証拠を揃え、彼を不起訴処分とした。
この時の沼田を見て、久利生は検事を目指した。久利生の捜査姿勢は彼を真似ているのかもしれない。
その他人物
マスター
演:田中要次
城西支部の面々行きつけのバーのマスター。本名も年齢も不詳。
どんな無茶な注文にも答えてくれる謎の超有能マスターで、注文に対し「あるよ」という台詞は本作の代名詞と言っても良い程の知名度を持つ。特別編では似たような人も出てきた。あまりにもこのマスター役の印象が強いため、このドラマ以降は演者の田中氏は「あるよ」のおじさんとして視聴者から親しまれることになる。
小杉啓太
演:勝矢
城西支部警備員。33歳(第2期)。
第2期から登場した城西支部の警備員で、支部の面々と簡単な挨拶をする程度しか出番は無い。