概要
昭和57年(1982年)フレッシュジャンプ12月号掲載。31頁。
副題は「THE RAIN JACK STORY」、アニメ版では「みずドロボウあめドロボウ」。
『ギャル刑事トマト』、『Dr.スランプ』に続いて女の子を主役にした作品。鳥山が本来苦手とする恋愛描写がストーリーに組み込まれている。『Dr.スランプ』連載中だったためか、鳥山曰く女の子を描くのに抵抗を感じなくなった時期の作品であり、主人公ピンクの女の子らしさを試しに描きたかったとのこと。1990年7月7日にアニメ化され、東映アニメフェアにて『ドラゴンボールZ地球まるごと超決戦』、『剣之介さま』と共に上映された。
あらすじ
1年間も日照りが続いている砂漠の町。フロート・バイクを操る少女ピンク、トカゲの様な生物ブラック、ロボットのホワイト達3人組は、何故か大量の水を保有している会社「シルバー・カンパニー」から水を強奪して生活する水泥棒。そんなピンク達の家に、社長のシルバーの通報によって一連の事件の調査のために、保安官のコバルト・ブルーが訪れる。以前からブルーに好意を抱いていたピンクは見惚れてしまう。その後、ピンクは家の物置きで母親のレインコートと傘を見つける。
夜、雨の日にブルーと一緒に傘に入る夢を見たピンクは急に起きると再びシルバー・カンパニーへ潜入して大量の水をいただくため家を出る。シルバー・カンパニーにて貯水庫を手分けして探すピンクだったが、遂に捕まってしまう。危うく殺されそうになったところに保安官が駆けつけ、ピンクは命を救われる。その直後、ホワイトが地下室に監禁されていた雷神の子どもを発見する。シルバーが彼を拐って無理矢理水を作らせていたことが判明し、ブルーはシルバーを逮捕する。
翌日、町には1年ぶりに雨が降り注いだ。結果的に真の水泥棒を暴いたピンクはブルーと一緒に傘に入り、幸せな気持ちに浸るのだった。
登場人物
(★印はアニメオリジナルキャラクター)
ピンク
声-増田未亜
桃色の髪の毛と中学生ぐらいの風貌を持った本作の主人公。ゴーグルを着用し、フロート・バイクに乗り、気絶光線銃を用いてシルバー・カンパニーから水を盗む日々を過ごしている。両親は2年前に他界しており、ブラックとホワイトとの3人暮らしである。保安官のブルーに一目惚れし、前年にホワイトに撮らせた彼の写真を大切に保管している。雨を降らすのに必要な大量の水を得るべくシルバー・カンパニーに乗り込むが、その過程でシルバーの水を作る秘密について知ることになる。
コバルト・ブルー
声-難波圭一
サングラスをかけた保安官。ピンクの家を訪問した際に、フロート・バイクが停めてあったことや、水不足で育たない筈の木が生えていたことから、彼女が水泥棒の犯人であることを確信する。その後、シルバー・カンパニーに急行してピンクを救出し、そこで会社の実態を目にしたことでシルバーを逮捕する。最終的に水不足の謎を解決してくれたためにピンク達の窃盗行為を見逃してくれた。恋愛に疎い性格であり、ピンクの好意には最後まで気づかなかった。
ブラック
声-山本圭子
トカゲに似た、爬虫類を思わせる生物。水泥棒の際は、毎回嘘をついて同行しようとせず、水だけを頂戴する図々しい性格。夜、ピンクの家を訪ねてきたブルーに、彼女がシルバー・カンパニーに行ったことを伝えた。
ホワイト
声-杉山佳寿子
空中を浮遊して移動する、アンテナの付いた小型のロボット。シルバー・カンパニーにて、貯水庫を捜索するうちに、会社の裏を偶然暴き出す。
レッド★
声-金丸日向子
アンテナにリボンを付けたポリタンク型ロボットで、小型ながら浴槽が満たせるほどの水をためることが出来る。
シルバー
声-高木均
シルバー・カンパニーの社長。水不足を利用して高値で水を売りつける。本作の黒幕であり、雷神の少年を誘拐したことで日照りを起こし、彼に無理矢理水を作らせて独占するという悪事を働いていた。自身の行為が全て発覚した後、ブルーの「逮捕ですね はっきりいって」のひと言で連行された。
グレイ★
声-大森章督
シルバーの用心棒のエリマキトカゲ型モンスター。語尾に「~だぎゃ」と付ける。
エリマキカッターやシッポブーメラン(本人曰く一度切れると再生まで2年かかるらしい)を武器に地下水道でピンクを追い詰めるも、武器を全て失い逃走。
レインボー★
声-郷里大輔
シルバーの用心棒のカメレオン型モンスター。
保護色と伸びる舌を武器に工場でピンクを追い詰めるが、ベルトコンベアに巻き込まれ自分が瓶に閉じ込められてしまう。
パープル山本
声-柴田秀勝
シルバーの用心棒の剣豪。
刀を武器にピンクを追い詰めるが、駆け付けたブルーに取り押さえられた拍子に雷神の監禁現場の扉を開けてしまう。
原作では名前は登場しない。
用語
フロート・バイク
ピンクが乗り回すマシン。劇中に登場する乗り物はいずれも車輪が存在せず、地面から浮遊した状態で走行する。ピンクのフロート・バイクは小回りがきくのが特徴で、直滑降を走り抜けることもできる。普段は彼女の家の傍に停車しており、ブルーが水泥棒を探す際に尋ねるきっかけとなった。
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