[パトロールスピナー]
R-11のバリエーションの一つ。
都市部での使用を前提にしており、民間人への被害を最小限にとどめるための工夫がなされている。その1つがロックオン波動砲の搭載である。
概要
ウィスラー・スペース社が開発したR-11Aのバリエーションの1つで、機体名はピースメーカー。都市部での治安維持を兼ねた機体で「パトロールスピナー」という別名を持っている。
旋回性の向上に伴い、キャノピー下部にカナード翼が追加された他、市街戦を想定した武装として周囲の敵を自動的に捕捉し、レーザー照射を行うロックオンビーム(『GALLOP』での呼称はロックオンレーザー)が搭載されており、民間人や施設への誤射を最小限に抑える配慮が為されている。
初出は1991年に業務用作品としてリリースされた『GALLOP』。当ゲームで本機を運用したのは軍ではなく民間の武装警察であり、『R-TYPE⊿』の発売に伴い、同じ時系列の出来事という設定に改められ、『GALLOP』での一連の出来事は「デモンシード・クライシス」と呼ばれるようになった。
『R-TYPES』で閲覧可能なライブラリ内のR-11Bの3Dモデルにはエメラルドグリーンのカラーリングが施されており、こちらにはカナード翼は付いていない。各種ミサイルを発射可能なミサイルユニットは機体下面にあり、作戦ごとにミサイル兵器の種類を素早く変更出来るように統一規格のユニット化が進められている。
『R-TYPE FINAL』ではR-11Aの派生型として開発可能。同ゲームの仕様に合わせる為ロックオンビームは溜め撃ち方式となり、専用のフォースが新たに装備可能となった。機体のデザインやカラーリングは『GALLOP』のものに準じており、機体側面には警察所属を示す「POLICE」のマーキングが描かれているが、軍の一大作戦である「OPERATION LAST DANCE」に前述の武装警察が参加している(させられている)のか、あるいは機体を徴用したのかは不明である。
武装
ロックオン波動砲
周囲の敵を瞬時に捕捉し、対象に確実に命中するレーザー照射を行う。設定上では長時間照射時の出力低下や機体温度の上昇等の問題点を抱えているが、ゲームでは特に問題なく使用出来る。『GALLOP』ではボタンを押したままで発射を行いLASERゲージを消費する方式だったが、『R-TYPE FINAL』では他の機体と同様にエネルギーをチャージして発射を行う方式へと改められた。
ギャロップ・フォース
都市部での戦闘の際、周囲への被害を抑える為に細いレーザーが生成されるよう調整されたフォース。機体の速度制御システムとフォースのレーザー制御システムを連動させることでレーザーの威力や攻撃角度等が可変する仕組みとなっている。フォース分離時は水平方向に3連ショットを放つが、テンタクル・フォースのように敵を追尾する挙動は行わない。
レーザービーム
直線状にレーザーを照射。自機のスピード変更と連動して威力とレーザーの幅が変化。
レーザーワイパー
上下2方向に低威力の細いレーザーを照射。自機のスピード変更と連動して照射角度が変化する。
レーザーチェイサー
スタンダード・フォースの対地レーザーと同じく上下に発射されたレーザーが地形を沿うようにして進む。自機のスピード変更と連動して発射角度が変化する。
対地ミサイル
発射後に地表を追従して進む小型のミサイル。
誘爆ミサイル
機体下部から前方斜め下に投下されるグレネイドナパーム。誘導性はないが、地面に着弾すると対地レーザーのように地形に沿った爆風が発生する。
光子ミサイル
ポットに収められた状態で投下され、ポッドがはじけて内部のミサイルが水平に加速していく。発射地点より下方向にしか誘導しない代わりに着弾地点に爆風が発生し、ごく短時間ながら継続的にダメージを与える事が可能。
後継機
R-11Sトロピカル・エンジェル
R-11Bの機動力を更に向上させた機体。旋回性を補う為に機体下部に旋回式の補助ブースターが取り付けられているが、耐G性能に不具合があり、それに耐えるための専用のスーツをパイロットに着用させるなどの対策を講じたものの、性能を最大限に引き出す事は出来なかったとされる。ギャロップ・フォースの上位版のギャロップ・フォース・改が装備可能で、波動砲のチャージが3段階となり、ロックオンビームが最大3本まで放てるようになった。名前の元ネタは、旧アイレムがかつて業務用作品としてリリースしていた同名のゲームに由来している。
R-11S2ノー・チェイサー
R-11Sの耐G性能の不備を解消し、最大4本までのロックオンレーザーを放つ事が可能となったR-11シリーズ最後期の機体。都市部のような入り組んだ地形でこの機体に追従できる機体は無いと言われている。
TACTICS版『Rw-11B』
シミュレーションゲーム『R-TYPE TACTICS』シリーズにも引き続き登場を果たしているが、「POLICE」の文字は残されたままであり、警察の機体を軍が運用するという矛盾も引き継がれている。
また、本機には何故かロックオンビームの代わりにRw-11Aの圧縮炸裂波動砲が装備されており、ギャロップ・フォースも実装されていない。本作におけるロックオンビームはチャージ武器より威力は劣るものの、広範囲をカバー可能な射程距離と優秀な迎撃能力を備えた使い勝手の良い武器である為、それを持たない本作のRw-11BはRw-11Aの単なるマイナーチェンジ版的な位置づけとなってしまっている。
因みに『R-TYPE FINAL』に登場した後継機は全て開発可能で、ロックオンビームはR-11Sから使用可能となる。