概要
アイテム番号:SCP-3740
収容クラス:Keter
撹乱クラス:EKHI
リスククラス:CAUTION
SCP財団に収容されているオブジェクトの一つ。
アッシリア-バビロニア神話における主神にして風の神、アッシュールと考えられている、男性のクラスⅧ現実改変ヒト型実体。(SCP-3480においては、彼より3段階下のクラスⅤの現実改変者に財団が敗北し、手順ラザルス-01が実行されている)「風の神」の名に恥じず、気温や気圧を操ることで突風を始めとする気象現象を作成する能力を持ち、さらに複数の言語の使用や、飛行能力のある動物との意思疎通も出来る。
このように、その気になれば簡単に収容違反を起こせる危険性を持つことから、収容クラス(オブジェクトクラス)Keterの指定を受けてはいるものの、彼のある特性から、収容そのものは比較的簡単になっている。それは、「とてつもなく騙されやすい」というもの。(なお、同オブジェクトのメタタイトルも、「神はアホである」となっている)
どれぐらい騙されやすいかと言うと、自分のヒジを舐められる、簡単な手品等の小芸を「神の業」と本気で認識し、またそれが出来る人間を「自身と同格の神格」と本気で信じてしまう程。また、そのように認識した人間の言ったことすらほぼ全て真に受けてしまい、例として、とある女性職員にその手のことを求めた際には、「ゴブリンにアレを盗まれた」という断りの文言を本気で信じ、能力で風を発生させる程「ゴブリン」に激昂した。
SCP-3740は、トルコのバーで酔っ払い、能力を行使して暴れ回っていたところを財団に確保され、その後は「彼が起こした乱闘の最中に時空の歪みが発生し、かつて君臨していた古代にまで戻った」と言うカバーストーリーの下、「彼の館」として特別に設計されたサイト-81の収容室内で生活している。収容室にはそれぞれ使用人・守衛役としてDクラス職員と警備員が配置され、時折SCP-3740に「同輩」(神格)と認定された財団職員が招待される宴席が開かれている。
補遺
ある日、いつものようにSCP-3740が「同輩」達と宴席を開いていると、突然1人の人型実体が収容室内に出現し、SCP-3740は彼のことを「スエン」と呼ぶ。なお、スエンにSCP-3740のようなアホさは無いようであり、財団職員の1人の「自身のヒジを舐める」小芸には特に関心を示さなかった。
スエンはSCP-3740を迎えに来た旨を話すが、その場の状況を察し、財団職員に経緯を話し出した。スエン曰く、SCP-3740はその手の負えなさから、自身を含む神々が交代で彼の保護者役をしていたと言う。そしてスエンは、図らずとも彼の保護者役となった財団職員に感謝を述べ、自身が「月の神」であると名乗り、「何か必要になったら呼んでほしい」と言い残し、その場で突然消失した。
そしてスエンの消失後、SCP-3740は「スエンは自身が神だと本気で信じている」と言う旨の悪態をついた。
余談
スエンの元ネタは、SCP-3740と同様、メソポタミア神話の月の神・ナンナル(シュメール語名が「スエン」)と思われる。
また、スエンの出現により、これまで「神格認定した人間の行動・発言をほぼ鵜呑みにする」とされていたSCP-3740が、「瞬間移動と思われる能力を行使したスエンを神格と認めていない」という謎が生まれることになった。このことは、一体何を意味しているのだろうか・・・。
関連タグ
SCP-2973-JP∶こちらもその能力故にKeter扱いされてはいるが、ある特性から収容自体は比較的簡単な現実改変者