概要
SCP-4007とは、シェアード・ワールド『SCP_Foundation』に登場するオブジェクトの1つ。メタタイトルは「影武者」、オブジェクトクラスはKeterとなっている。
このオブジェクトは5人の日本兵の総称であり、第二次世界大戦中は軍の1部隊として当時の中華民国で活動していた。
彼らは当時日本軍が行っていた「神化計画」と呼ばれる人体実験によって100歳を超えるにもかかわらず健康状態を保っている良好な肉体、身体能力の大幅な強化、そして固有の能力といった様々な異常性を有している。
早い話がキャプテンアメリカみたいな能力を持っている日本兵ということである。ただしそれは支配地域にいた異常性を持つ人を解剖しその器官を移植するという野蛮な方法で得た能力だが。
現在SCP-4007は5人中3人が死亡しており、残り1人の行方はわかっていない。そのため財団は生存が確認されているSCP-4007-4と協力を結び、行方不明のSCP-4007-5を追っている。
SCP-4007のメンバー
- SCP-4007-1
本名 | 北野光男(きたの みつお) |
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階級 | 中尉 |
コードネーム | 稲妻 |
部隊の名目上の指揮官であり、電撃を発生させる能力を持つ。戦時中及び戦後もビルマで活動しており、その電撃でジャングルを焼き敵兵士を中から追い出すことが大きな役割であったと見られている。戦後中国の軍隊に発見されゲリラ戦を繰り返し、その度に現地の人々や確保を試みた財団側に多数の犠牲者を出した。
最後はジャングルを燃やしたものの包囲されていたため逃げることができず、煙を吸い込み死亡した。この事案は許容可能な結果と判定されている。
- SCP-4007-2
本名 | 本田隆史(ほんだ たかし) |
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階級 | 二等兵 |
コードネーム | 鬼 |
小火器の攻撃にも耐えることができる異常な皮膚を持つ。戦時中及び戦後もフィリピンで活動を続けており、現地の兵士や財団の機動部隊と交戦を行い最後は爆撃を受けて死亡した。また、死因は電気ショックと見られている。この事案は許容可能な結果と判定されている。
- SCP-4007-3
本名 | 飯田丈一郎(いいだ じょういちろう) |
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階級 | 伍長 |
コードネーム | 狐 |
話したことを相手に信じさせる認識災害を発生させる能力を持つ。中国南東部で主に情報収集といった作業を行っており、財団に一度見つかるもそれから9年間姿を眩ませていた。その後発見され財団が尋問のために訪れるも、既に絞殺されており側には最近発射されたと見られる薬莢と潰れた弾丸が転がっていた。この事案は許容可能な結果であると判定されている。
- SCP-4007-4
名前 | 松井茂(まつい しげる) |
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階級 | 二等兵 |
コードネーム | 煙 |
自身と身につけているものを不可視にする能力を持つ。作戦でマレーシアを訪れたがその後に軍が撤退したため、そのまま居住していた。部隊の中で確認されている唯一の生存者であり、また上記の3人と異なり財団に協力的である。そのため、重要な情報源として収容することなくある程度の自由を認めている。
彼の話によると、彼らの部隊は他の軍人とは異なる特殊な任務を与えられていたようで、彼もその任務を果たすためにこの地に留まっているようだ。どうやら大戦中にアメリカ軍、中国軍よりも手に負えない「何か」と日本軍が遭遇し、それによりその任務を受けるようになったらしいが…
- SCP-4007-5
名前 | 西村輝夫(にしむら てるお) |
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階級 | 二等兵 |
コードネーム | 化け物 |
外見を自分の意思で変化させることができる能力を持つ。その能力のため信用に足る資料が少なく、能力の限界がどれほどのものかは不明。財団との接触も無く、現在は日本の残留兵に関する報告から情報に合致するものはないか調べている。
以降の情報にはレベル4/4007クリアランスが必要です。
2003年の5月、SCP-4007の主席記録管理官である章德平(チャン・ドオピン)氏が財団の最高位の管理者集団であるO5評議会にある報告を行った。
それは、第二次世界大戦時代の財団の文書を整理していた際に、現在のものとは別のSCP-4007の文書が見つかったことだった。
この報告書ではSCP-4007-1が見つかる1年前に書かれており、かつSCP-4007と呼ばれる人物は現在のSCP-4007-4、松井茂氏のみであった。O5評議会はこの矛盾を解決しようと数名の関係者に問い合わせたが、皆記憶が曖昧になっていた。
また、SCP-4007-1〜3が死亡した報告に関しても、「許容可能な結果である」と確保・収容・保護を重んじる財団にしては事態を重く見ていない点、いつSCP-4007-4との交流が始まったかを知らず、彼に与えられた情報を疑いもせず信じていることも謎だった。
このことからO5評議会の1人が調査を要請し、その結果SCP-4007と接触した場所を繋ぐと、五角形となることが明らかとなった。五角形…いわば五芒星は何かを封印するための儀式に用いる形であり、後の調査でこの五芒星の中心部に未知の力で沈められた日本軍の艦隊の残骸と数千体以上の死体が見つかった。
また上記の五芒星の形からSCP-4007-5がいると思われる地域に調査隊を派遣したところ、SCP-4007-5と思われる人物との接触に成功した。彼は最初は普通に話していたが、SCP-4007-4が話したことを仄めかすと顔を青くし「彼はまた忘れさせたようだな、私のことを。」と言ってその場を去った。更に後日、「裏切り者を信じるな」と書かれた紙が部屋に置かれていたという。
これらのことから、SCP-4007-4の能力は「不可視になる」のではなく、「自身についての記憶を自在に消去できる」ものであるという仮説が立てられた。ただしこの能力はあくまでも記憶などにしか影響せず、文書のような既に書かれた情報媒体には効果がないと思われている。
そして、死亡したSCP-4007-1〜3たちはそれぞれ臓器や皮膚、舌といった体の一部を失っていることが報告書には記されており、SCP-4007-3の住居で発見されたSCP-4007-4が書いたと思われるメモには、「『彼』が復活する」「戦わなくてはならない」「力を貸してほしい」といった言葉が記されていた。
現在、SCP-4007-4には内密に彼らの真の目的を探るため調査が行われている。
SCP-4007はどうして組織されたのか?
SCP-4007-4の目的は何か?
彼らが守ってきた五芒星の中には何がいるのか?
その全てが、今も謎に包まれている。
ただ、1つだけ言えることは――
結局の所、我々は前任者たちが残した断片を使い、正しい選択ができることを祈りながら前進することしかできないのだ――O5-3
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タイトル:SCP-4007-影武者
作者:weizhong