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概要

てんとう虫コミックス33巻及び、藤子・F・不二雄大全集11巻に収録。

蒸気機関車の煙突型の帽子。

被ることで蒸気機関車の如く力強く逞しく走ることが出来る。だが、蒸気機関車なので煙が大量に出るというデメリットがある。

ストーリー

ドラえもんが歩いているとジャイアンとスネ夫が息を切らしながらランニングをしていて、その後通りかかったしずかも同様だったため訳を聞くと、明日校内マラソンがあるためだと聞かされる。だが当ののび太は寝ころんでのんびりとテレビを見ていて、「トレーニングをしてもしなくても、僕がビリに決まってる」と言う始末だった。

そんな時テレビに蒸気機関車が映り、のび太がこれを大好きというと、ドラえもんは「人間は自分が持っていない物に強くあこがれる」ことを説明し、蒸気機関車はいかにも男性的でたくましくて、力強くてダイナミックで、エネルギッシュでスピード感にあふれているが、のび太がそれとまるっきり正反対であることを指摘してクスクスと笑い出した。

この言葉が胸に刺さりのび太が苦しみ出すとドラえもんは慌てて謝り、いい物を貸してあげようと「SLえんとつ」を取り出した。さっそくこれに石炭と水を入れてのび太の頭に乗せると、のび太の体には力が湧き始め、ママに頼まれたお使いも速攻で終らせてしまった。

これで自信をつけたのび太はこれを付けた状態で皆に町内マラソンを提案。だが準備が終わる前に皆が走り出してしまい、のび太は焦り出すが、完了したこれを取り付けると皆をあっという間に追い越して見せた。そしてこれが、ひみつ道具の効果であることに気付いたジャイアンとスネ夫は先回りして、のび太を止め煙突を奪おうとしたが、あっさり突破されてしまった。

更にのび太はしずかにこの走りを褒められたことで気をよくするが、ドラえもんによって家に引き戻され、このエネルギーを勉強に使うよう言われる。言われるままのび太は勉強を始めるが、集中した際に出た煙が部屋中に充満してしまい、ご近所からも煙で洗濯物や部屋の中が真っ黒になると苦情が来てしまった。これによりこの道具が使えなくなってしまい、ドラえもんは時代の流れでSLは消えていくものなのかと考えに浸るが、のび太はドラえもんに「リニアモーターカーのえんとつを貸して!!」と泣き付くのだった。

アニメにおける原作との主な相違点

大山版は1983年10月7日に放送されたが、現在のところ水田版では、まだアニメ化されていない。

1983年版

  • のび太は横にせんべいと飲み物もおいてテレビを見ていた。ちなみに最初に見ていた番組には女性歌手が歌っているものだった。
  • ドラえもんの言葉で胸が苦しくなった際のび太は「僕はもう立ち上がれない」とも言っている。
  • のび太は玄関のドアを突き破ってお使いに行っている。また、のび太が走っている様子を見ていた人たちは原作よりも多くなっていた。
  • 「これさえあればスネ夫やジャイアンなんかめじゃない」と言うのび太にドラえもんは「ビリでも最後まで走った人の方が立派だと思う」と力説したが、のび太は「僕は立派じゃなくてもいいの」と、これを持って外出してしまった。
  • のび太にマラソンの練習を持ちかけられたものの、この時はやる気が出なかったのでジャイアン達は一旦帰ろうとし、のび太が引き留めると共にお願いしたことで、練習する気になった。ちなみにスタートする際はスタートラインも引いている。
  • ドラえもんは手前から走るのび太を止めていて、家の前で止めた際には足元に土が盛り上がっていた。またこの後、苦情を言いに来た近所の主婦たちにママが謝罪する場面が追加されていて、ドラえもんとのび太は土下座をしてママに謝っている。
  • ラストでのび太はリニアモーターカー以外にも煙の出ないSLえんとつをねだっていて、これに対してドラえもんは「そんなのあるわけないでしょ」と言っている。

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