特徴
中国や朝鮮半島。日本では本州、四国、九州と周りの島の流れの緩やかな川や低地の池、沼等に生息する。
別名:リーブスクサガメ、キンセンガメ、ゼニガメ(幼体)等。
四肢の付け根の臭腺から臭い匂いを出すので「臭ガメ」と言う。キンセンガメという名は中国産クサガメを指す。
ゼニガメは、かつてはイシガメの幼体を指していたが、現在はクサガメの幼体の事とされるようになっている。
見た目
最大甲長雄20㎝、雌30㎝。
頭から首に黄緑色の筋があり、子亀は甲羅の淵が黄色くなっていて、尾は体にくべて長いのが特徴。年を取った雄は全身が真っ黒になる。
稀に、頭が大きい個体が確認され、この個体をMauremys megalocephalaとして別種とする説が1934年に提案された。然し、遺伝子的な差が個体差位しか無いことで同種とされる様になった。巨頭個体は、オオアタマクサガメと呼ばれ、ペットショップ等で普通のクサガメよりも高く売られている。
日本のクサガメ
日本のカメの代表種として知られるが、江戸時代以降に朝鮮半島や中国から持ち込まれた外来種の可能性が指摘されている。
疋田努と鈴木大が2010年に発表した論文によれば、確認出来たものの中でクサガメに関する事が書かれた書物は1809年の「本草綱目啓蒙」であった。
翌11年に鈴木大らの研究チームにより発表された論文で、日本産クサガメは、遺伝子的に中国・朝鮮のものと完全・ほぼ一致しており、在来種としたら差が小さすぎるとされた。
生息数が減少している在来種のイシガメと近縁なので繁殖が可能で、交雑個体も確認されており、実際に外来種だった場合、在来種に大きな打撃を与えているといえる。
また近縁種で、外来種のミナミイシガメやハナガメとも交雑する。