概要
本州、四国、九州と周りの島の川の上流や山の麓の池や沼等に生息する日本固有種である。
特徴
銭亀は元々は本種の幼体を指す単語だったが、近年はクサガメの幼体を指す事が多くなっている。
甲羅には1本の「キール」と呼ばれる線がある。クサガメにある首元の黄色くてミミズ状の模様は無い。
関東以南の日本の河川や沼地であれば、どこでも見られるヌマガメ科の一種である。産卵期は6~7月、3~10個の卵を産み、2~3ヵ月で孵化する。雄は雌の前で前肢を交互に揺らせるような求愛行動を取る。遅延受精と言って、雌は一度交尾すると精子を体内に蓄えておくが出来、1~2年間は交尾をしなくても有精卵を産むことが出来る。夏以外は昼行性である。
住処を追われるイシガメ
日本固有種のヌマガメの一種であるイシガメは近年、護岸工事、農薬や化学肥料の使用。水田の減少、汚水の流入と言った生息環境の悪化により、生息数が減りつつある。ヘドロが溜まる地域では、甲羅が腐って穴が開いてしまう個体も見られる。野生化したアメリカ原産のミシシッピアカミミガメに住処を追われたり、同じく野生化した中国や韓国が原産のクサガメやミナミイシガメとの雑種が生まれてしまったり、と言ったこともイシガメの生息域を狭めている。そんな日本固有のイシガメがワシントン条約に登録されてしまうなんてことのないようにしたい物である。