概要
「スラムダンク」における三井寿の台詞。作品の中でも一二を争うほど有名と言っても過言ではなく、スラムダンクを読んだことがなくてもこの言葉を知っている人が多いほどの高い知名度を誇る。今の30代後半~40代の人にはもはや説明不要だろう。
経緯
宮城リョータと桜木花道に因縁の生じた三井は堀田徳男ら不良仲間を連れ、体育館へ殴りこんでくる。手出しすれば、バスケ部を廃部に追い込もうとする三井の思う壺であり、部員たちが次々倒されていく中、堪忍袋の緒が切れた花道と流川楓は敢然と立ち向かう。そこへ現れた桜木軍団の活躍によって不良どもは一掃、彼らの主力であった鉄男も桜木に叩きのめされ完全に戦意喪失してしまう。バスケ部を荒らすという目的は果たせた。もう退くべきだ——堀田は目線でそう訴えるが、不良の中でたった一人、三井だけは争うことをやめようとしない。
そして木暮公延の口から全てが語られる。三井が中学MVPプレイヤーだったこと、安西先生に「あきらめたらそこで試合終了ですよ」と励まされ、他の強豪校からの誘いも断って湘北高校に入学したこと、赤木剛憲と共に期待されていたが、膝の負傷で自暴自棄になり荒れてしまったこと……。堀田に「本当はバスケ部に戻りたいのではないか」と諭されても逆ギレし、さらに暴れようとする三井だったが、そこへ安西先生が現れる。三井の中で様々な思いが去来し、こらえきれなくなった彼は、泣き崩れながら本当の気持ちを打ち明けるのだった。
「安西先生……!!バスケがしたいです………」
そして次の日バスケ部一同の前に現れたのは、心を入れ替え、髪を短く切り見違えるほどさっぱりとした三井の姿であった……。
アニメ版では担当声優の置鮎龍太郎氏の名演技も相まって、この時に流れた『世界が終るまでは…』も印象的な場面となった。
この話の後、スラムダンクはギャグ漫画よりな描写やフンフンフンディフェンス等の非現実的よりな描写が少なくなった本格バスケ漫画の路線になったため、作品全体としてもターニングポイントだったと言える。
……と、このように非常に感動的な場面なのだが、そのインパクトゆえに、三井の泣き顔や台詞をパロディ化したイラストやコラ画像は多数存在する。