序
本記事タイトルとして使用されている『ごはんの歌』という名称は、放送時に挿入歌として正式にクレジットされていなかった事からファンが便宜上使い出した、あくまでも仮称である。
「エンタミクス」誌2014年5月号における柴田プロデューサーのコラムにおいて、正式な曲名が『しあわせごはん愛の歌』と判明、実際に玩具設定でもこの名前が使用されているが、pixiv上では事実上『ごはんの歌』が公式扱いとなってしまっているので、以降はその前提で話を進める。
概要
彼女が歌うと周囲は不思議な光に包まれ、敵も味方もなごんで一緒に歌い出してしまう。
劇中ではチョイアークやサイアークのみならず、敵幹部であるオレスキーまでも釣られて歌っていた。ホッシーワは替え歌を歌って対抗したものの、最後には押し負けてオリジナルの方を歌ってしまっていた。
この際味方のプリキュアや妖精まで歌い出してしまうが、こちらにはヒーリング効果とパワーアップ効果を与える。
その効果から若干チートなのではと危惧されたが、ナマケルダと、ナマケルダが呼び出すサイアークには効かなかった。(歌を聞くのもめんどくさい性格のため)
この様子はテレビで中継されており、第10話では学校中のみんながこの歌で盛り上がるなど、もはや一種のアイドルソングのような扱いを受けている。
歌詞
歌を歌ってデビューを果たしたプリキュアは史上初であり、それだけでも十分インパクトがある。
…が、その歌の歌詞はある意味その事以上に衝撃的な内容であった。
奴が来るといけないのでフルコーラスは書けないが、とにかく「ごはんおいしい」「ごはん楽しい」を連呼するという、幼稚園でお昼に歌うお弁当ソングのような内容なのである…いや、本来『プリキュア』は女児向けアニメなので方向性は間違ってはいないのだが。
ちなみにこの歌で言うところの「ごはん」は食事全般のことではなく、あくまで「ご飯」。米である。歌詞には「おかずなしでもそのままでOKです」と過激すぎるフレーズまである。
戦闘中に歌を歌い、敵の心に訴えかけるというシーンはプリキュアのみならず、数多の作品であった描写だが、「卵かけご飯が食べたい」と歌ったのは彼女くらいなものであろう。
作詞作曲はキュアハニーの正体である大森ゆうこであることが、本人の口から語られた。
ちなみに歌詞の内容に関しては、ひめからは「へんちくりんな歌」と評され、えれなに「それがいいんじゃん」と言われたりと、良し悪しは別におかしいとは思われているようである…が、真剣に考えたと思われる当の本人はかなり凹んでいた。
そのシンプルながらもインパクトある歌詞と歌いやすいメロディは視聴者の頭の中にいつまでも残り続けるタイプのものであり、ファンからは洗脳ソングとも揶揄されているが、実際に作中でも「聞くものを無差別に魅了し、強制的に和み空間に巻き込む」という効果があることを考えれば、比喩でも何でもなく本当の意味で洗脳ソングである。10話でのひめはこの歌が変だと思いながらも無意識に口ずさんでしまうことから「恐ろしい歌」とまで評した。
前例など
あまりにもごはんを食べることをリスペクトするため、多くの先輩方が喜びそうな歌である。
ただし、前作にて歌手を本業とし、友人を救うために必死で歌を作っていた先代の紫キュア先輩的には、自分が終盤に苦労してできたことを序盤でやられてしまったために複雑な気分であったろう。
歌の素晴らしさを知る者として後輩の活躍を喜んでいると信じたいものである。
とりあえず、一緒に歌いたくなるこの歌は、先代の桃キュア先輩には聞かせてはいけないような気がする。
…って聴いてるよオイ!!
そして、同期の愛乃めぐみも(中の人的に)歌うことで心に訴えかけた時期があっただけに、お株を奪われた感があるかもしれない。
まあ、当のめぐみ本人はこの歌を気に入ってるようなので大丈夫だ、問題ない。
またこの歌に影響されたせいか、2代前の赤キュア先輩も『お好み焼きの歌』を歌い出したようである。
楽曲誕生の裏側?
ちなみに、先代のメンバーとしてその紫キュアの中の人の他にもう一人、歌手兼業の声優が青キュアとして出演しているのだが、『ごはんの歌』誕生には彼女が一枚噛んでいるのではないか、とも囁かれていた。
ご記憶の方も多いと思うが、過去にも『ごはんの歌』に劣らぬインパクトを誇る、ご飯の素晴らしさを讃えた楽曲が存在した。その名は『ごはんはおかず』。
やはり某企業対策のため歌詞は割愛するが、その電波っ振り…もとい独自の世界観は単なる題材・タイトル繋がりを超えて、『ごはんの歌』と非常に相通ずるものを感じさせる。
某軽音楽部の演奏・歌唱によるこの楽曲、ギタリストが作詞を、キーボーディストが作曲をそれぞれ担当しているのだが、ご存知の通り後者と先代の青キュアとは平行世界の同一人物。
加えて、ファンの間では「ラブリー&プリンセス組とは別に、キュアフォーチュンとハニーが先行してコンビとして活動していたのでは?」という説が囁かれてもいる。そして、忘れてはならないのは先述の二人が揃ってフォーチュンの人脈に身を置く人物、という事実である。
これらの要素を突き合わせていくと、フォーチュンに召喚された二人がハニーの為に楽曲を書き下ろしてプレゼントしたのでは…という可能性が浮上してくるのだ。
そして、これは同時にギタリストの中の人が本格的にプリキュアの世界へやって来る前触れでもあるのかも知れない。
第10話において大森ゆうこが自らキュアハニーとしての素性を明かした際、前フリとして「私の作った歌」と語った為、この説はひとまず消滅する事になった。
…とりあえず、ゴーストライター騒動が持ち上がり泥沼化しない事を祈るばかりである。
評価の分岐点
先に出てきた「歌手兼任」の声優という言葉の定義をより明確にするなら、
「キャラクターソングではない形で、ソロ又はユニット名義での作品リリース歴がある」
という事になるだろうか。
その前提で改めて振り返ってみると、この歌をいち早く評価したのは中の人が歌手兼任であるめぐみ、逆に「へんちくりんな歌」とディスったのはそうではないひめであった。
もしかすると、聴く側の音楽との関わりの深さによって評価が変わる、ある意味「玄人受け」する楽曲なのかも知れない。
…そこから逆算すると、中の人が歌手兼任であるフォーチュンや、更には第10話の応援メッセージを担当した年末の一大音楽イベントの常連の大物が演じるプリキュアからの評価は高そうである。
特に、後者は(中の人的に)自ら曲作りに関わる事も多いので、ぜひ感想を聞いてみたいところ。
支援艦の出現
恐らくはめぐみ経由なのだろうか、『ごはんの歌』のインパクトは『プリキュア』の世界を飛び越えて思い掛けないところへと飛び火し、サポーターを生み出した。
かねてから大食いキャラとして定着していた彼女も、食欲中枢のド真ん中を刺激するこの歌にハートキャッチされてしまったようである。
そして、見逃せないのは彼女とかのVOCALOIDの代名詞的存在の緑色の娘=初音ミクとは中の人が同じ、という事。もしかすると、水面下でミクの調声と赤城の振付に取り掛かっているボカロPも存在しているのではないだろうか。
また、中の人は意外にもこれまでゲストとしても『プリキュア』と縁が無かったので、変則的ではあるがこれが切っ掛けになるのでは…という可能性もある。このネタは現実となるのか否か。