光輪の超魔神フーパ
りんぐのちょうまじんふーぱ
--あらたな伝説のおでましだ!
概要
夏休みシーズンの定番となっているポケモン映画シリーズ18作目。
同時上映の短編は「ピカチュウとポケモンおんがくたい」。
今作はリングで空間をゆがめる力を持つフーパがキーポケモンとなっている。超古代ポケモンである、ゲンシグラードン、ゲンシカイオーガ、黒いメガレックウザの3体も登場することから、作品全体としては「オメガルビー・アルファサファイア」がベースになっているようだ。
「あらたな伝説のおでましだ!」
当時の映画公式サイトのトップ(及びポスター)には、超古代ポケモンの2体と黒いレックウザ以外に、ルギア、ラティオス、ラティアス、ディアルガ、パルキア、ギラティナ、キュレムの合計七体の伝説ポケモンが追加されている。
そして中央にはフーパがドンと構えており、さらに下にはなんとアルセウスの姿が見える。
そして、コロコロコミックの紹介ページにおいて、レジギガス、ゼクロム、レシラムの姿も確認された。
この3体は劇中の導入部分で暴れる「ときはなたれしフーパ」との対決をすることになる。
上記にもあるように、フーパはリングを使って空間をゆがめて空間と空間を繋ぐ能力を持っている。
劇中で善と悪のフーパがリングを使い伝説ポケモンを『おでまし』しての壮絶なバトルが展開されることとなるのだ。
この勢ぞろいっぷりを見た人からは、「今年の映画は大怪獣バトルのような伝説的バトルが起こる」と予想する人もいたという。
(ちなみに補足すると、配給元が配給元なため、怪獣の王やら、守護神の蛾やら、地の神やら超ドラゴン怪獣等、声が怪獣達の物にされた事があるポケモンが勢ぞろいしているため、別の見方では東宝版大怪獣バトルみたいな事になっている。)
またBW編以来一部のbgmを除きDP以前のbgmは使われなくなったが「続くったら続く」というbgmが南国風にアレンジされたり、過去の映画で使われたbgmもアレンジされ、昔からのポケモンファンや大きな友達から懐かしくて鳥肌がたったといった声が多く出た。
味方組も、人気のある面子のそろい踏みである(全員ドラゴン的要素を持つ)。
【おでまし引換券】付き映画前売り券
今年の【おでまし引換券】付き映画前売り券で プレゼントポケモンを二体貰えるというものだった。
映画前売り券そのものでポケモンを二体貰えるのは非常に珍しいことである。
上映中に貰えるフーパをあわせると合計三体の大盤振る舞いである。
まず1つ目、前売り券にあるプレゼントコードでもらえたアルセウス。
2つ目は【おでまし引換券】によるプレゼントで、劇中でフーパの影が『おでまし』したグラードン、カイオーガ、ディアルガ、パルキア、ギラティナ、キュレムの6匹のうちから任意で1匹もらうことができるものだった。
ちなみに、ポケモンXYとオメガルビー・アルファサファイアのニ作品をプレイすることで、全ての伝説ポケモンが揃うことが判明しているが、
劇中での『勢ぞろい』は もちろんフーパの能力によって取り寄せられたもの。
この大判振る舞いぶりを見て「面倒臭くて伝説を一気に登場させたんじゃないか」と思った人もいたらしい。
映画のみどころ
今回のポケモン映画のテーマは『善と悪の葛藤』と『他者を想う気持ち』だとされている。
バルザとメアリの曾祖父であるグリスが、『世界はお前ひとりの物ではない』と、わがままなフーパを諭すシーン。
実はこのセリフにフーパの『いましめ』を解く鍵が隠されているのだが、劇中ではあまり強調されていない。
フーパから分離した【超フーパ】と呼ばれるフーパの影に立ち向かうため、お互いに伝説のポケモンたちを呼び出し、ぶつけ合うシーン。
製作スタッフのイチオシポイントである。
呼び出された方は、どちらもたまったものではないが(召喚された面々は、過去・現在も全員被害者である)。とくに味方組にはとんだ無理ゲーであった。
サトシが「自分自身どうしでケンカするべきではない」とフーパにフーパの影との和解を勧めるシーン。重要なシーンだが、上の空で視聴していると見逃してしまいがち。
物語のクライマックスでフーパの影がサトシに乗り移り闇サトシと化する場面の直後にフーパが「チカラを封じられていた間に体験していた『思い出』」を使ってサトシに乗り移ったフーパの影を説得するシーン。
映画の予告に闇サトシが登場していると話題になり、幻影の覇者ゾロアークの頃からファンが待ち望んでいたこともあってか、視聴者の間で密かに話題になっているシーンである。
興行成績
「光輪の超魔神フーパ」の興行収入は、残念ながら芳しくないもので、
26.1億円と水の都の護神を下回り、歴代ポケモン映画の最低興行収入記録を更新。(参考資料)。
2015年度に関しては、ジュラシック・ワールド、バケモノの子、劇場版進撃の巨人、BORUTO、
更にはラブライブ!The School Idol Movieなど、
ポケモン映画よりも人気の高い作品の上映スケジュールと重なってしまったため、
「運が悪かった」と弁護可能な面もあるが、
「妖怪ウォッチ」という強力なライバルの出現と相まって、
XY期より、幼児~児童層においてポケモンやポケモンアニメの人気が減退傾向にあることや、
長年ポケモン映画の興行を支えてきた、「幻のポケモン配布」「特別なポケモンを受け取れる前売り券」に対する、受け手側の倦厭感の影響を強く受けた感は否めない。
光輪の超魔神フーパ(未完版)と漫画版と小説版の違い
漫画版では、アルセウスの伏線が紹介されており、
記憶リセットされがちなサトシが、記憶を辿って必死に思い出そうとするシーンがある。
小説版では、「ルギア爆誕」の内容が肯定されており、野生のルギアではなく、神ルギアが登場しサトシに久しぶりとテレパシーで語るシーンがある。
細かい場面に気を使い、過去作品という素材を盛り込んだ漫画版と小説版は、そのため「光輪の超魔神フーパ(完全版)」と言われている。
恐らく「ミュウツーの逆襲」における、
「ミュウツーの誕生」を加えた「ミュウツーの逆襲(完全版)」や、
「ミュウツー我はココに在り」という続編・番外編のような作品が、
フーパでは作られる事はないだろう・・・という、
製作スタッフの溜息めいたなんかが込められていると思われるが、真意は神のみぞ知る。