概要
「龍が如くスタジオ」制作による、武論尊・原哲夫の漫画『北斗の拳』を題材にしたアクションアドベンチャーゲーム。2018年2月22日にSEGAより発売予定。プラットフォームはプレイステーション4。
“「北斗」の常識をぶち壊す”をコンセプトに、原作『北斗の拳』でお馴染みの世界観を守りつつ、『龍が如く』ならではの自由度の高さや重厚な人間ドラマを盛り込み、これまでにない北斗の世界を表現すると謳われている。
ストーリーも完全オリジナルのシナリオが展開し、物語の中心舞台である歓楽街「エデン」に流れ着いた主人公・ケンシロウは、原作同様に悪漢や拳士たちと激闘を繰り広げる一方、バーテンに扮してカクテルをシェイクしたり、鉄骨でバッティングを行なったりなど、龍が如くならではの遊び要素も数多く盛り込まれている。また、キャラクターボイス(以下CV)についても、原作ゲーム『龍が如く』の出演者が多数起用された完全新規のキャスティングとなっている。
まさかのコラボ
発端は2017年8月、同スタジオの看板タイトル『龍が如く』の新プロジェクトの発表PVが公開されるが、そのすぐ後、同時製作中の新作ゲームのPVが続けて公開される。先のPVからストーリーが続けられており、新たな主人公である春日一番と別れた桐生一馬が、再び起き上がったチンピラに追撃を見舞う場面から開始される。しかし桐生は、その襲い来るチンピラの額を指で突いて制止。動揺する相手に続けざまにこう宣言した。
ふと気付くと、チンピラの姿は屈強なモヒカン男に、そして桐生の姿はケンシロウに変わっていた。チンピラは桐生(ケンシロウ)に問い詰めようとするも、直ぐ様その肉体はケンシロウの突いた経絡秘孔により爆発四散してしまう。
チンピラを葬ったケンシロウは、今度は体を強張らせ闘気を全身から放出しながら咆哮。すると今度は背景すらも、神室町から荒廃した世紀末の世界へと変貌した。
登場人物
<原作キャラクター>
CV:黒田崇矢
本作の主人公。一子相伝の暗殺拳“北斗神拳”の伝承者。
かつて南斗聖拳の使い手・シンに敗れ恋人・ユリアを奪われたケンシロウは、執念の末に再びシンと対峙。激闘の末にシンを打ち倒すが、彼の口から既にユリアが死亡している事実を知らされ、深く絶望する。そんな中、何処からか「実はユリアは生きている」という噂を聞きつけ、一縷の望みに賭ける思いで彼女の居場所とされる“奇跡の街”エデンへと赴くことになる。
なおケンシロウの声は、『龍が如く』シリーズで長らく主人公であった桐生一馬を演じる黒田崇矢氏が担当。DLCではケンシロウの姿を桐生に変更するコンテンツが配信される予定。
CV:久川綾
ケンシロウの婚約者。荒廃した世界でケンシロウとの安住の地を求め、彼と共に旅立とうとしていた矢先、彼女に恋慕するシンにより強奪されてしまう。その後はシンの築いた街「サザンクロス」で女王として祭り上げられるが、彼らの略奪行為により多くの命が犠牲になる惨状に耐えきれず、居城の高台から身を投げて死亡してしまう。
声を担当する久川綾氏は、過去に『龍が如く 見参!』にて桐生の相手役・吉野を、またリメイク作『龍が如く極2』においても桐生と恋愛関係となる婦警・狭山薫を演じている。因みに久川氏は、北斗の派生作品『蒼天の拳』にてヒロインの潘玉玲と北大路綾の声を担当している。
CV:中谷一博
北斗神拳と対をなす殺人拳・南斗聖拳の一派である“南斗弧鷲拳”の伝承者。
ユリアに恋慕し、その執念に駆られてケンシロウから強引にユリアを強奪する。世紀末の世界では暴漢たちを束ね一大勢力“KING”を組織。心を閉ざし続けるユリアのためにサザンクロスを築くも、この行為が逆に彼女を追い詰め死に至らしめてしまう。後に復活を遂げたケンシロウとの激闘の末に敗れ命を落とす。
シンの声は、『龍が如く』シリーズで桐生の親友・宿敵である錦山彰を演じる中谷一博氏が担当。因みに中谷氏は、前述の新主人公・春日一番の声も担当する。
CV:森川智之
シンの南斗弧鷲拳と並び、南斗聖拳108派の頂点とされる南斗六聖拳の一つ“南斗水鳥拳”の伝承者。「胸に七つの傷を持つ男」に妹・アイリを攫われ、その行方を追っている。彼もまた、ケンシロウとは別の経緯によりエデンを訪れている。
声を担当する森川智之氏は、過去に『龍が如く5』の主人公・品田辰雄として出演している。また、アニメ『北斗の拳イチゴ味』ではシンの声を担当したこともある。
CV:咲野俊介
北斗四兄弟の次兄で、ケンシロウの兄弟子。「北斗神拳史上最も華麗な拳の使い手」と評されるほどの拳才に優れた人物だったが、先の最終戦争にてケンシロウとユリアを庇い“死の灰”を浴び、不治の病を患い伝承者の道を断念した。以降は経絡秘孔の技術を医療に活かそうと、各地で人々の治療を行う。
声を担当する咲野俊介氏は、『龍が如く』シリーズでは東城会傘下風間組の若頭・柏木修を担当している。
CV:岩崎征実
北斗四兄弟の長兄で、ケンシロウの兄弟子。また次兄・トキとは実の兄弟でもある。兄弟の中で最も強力な拳の使い手であるが、その野心の強さ故に伝承者の道を阻まれた。荒廃した世紀末の世界では自らを世紀末覇者拳王と名乗り、その力で乱世を統一せんと覇を唱える。
声を担当する岩崎征実氏は、『龍が如く』シリーズにおいて「関西の龍」郷田龍司を演じている。
CV:宇垣秀成
北斗四兄弟の三兄。勝利のために手段を選ばない卑劣漢。末弟であるケンシロウが北斗神拳伝承者となったことを快く思っておらず、彼に対する並々ならぬ憎悪を内包している。ケンシロウと同じ七つの傷を自ら身体に刻み、各地でケンシロウの名を騙り悪名を広めている。顔に被った不気味な鉄仮面の下には、かつてケンシロウに突かれた秘孔による醜い傷が存在する。
声を担当する宇垣秀成氏は、『龍が如く』シリーズにおける名物キャラクターでもある「嶋野の狂犬」真島吾朗を演じている。
CV:東地宏樹
南斗六聖拳の一つ“南斗鳳凰拳”の伝承者。世紀末の世界においては自らを聖帝と称し、南斗108派の大半を掌握した「聖帝軍」を率いる。その拳は、同じ六聖拳では歯が立たないと評されている。
声を担当する東地宏樹氏は、過去に『龍が如く5』にて黒澤一派の一人・森永悠を演じている。また東地氏は過去にアニメ『ラオウ外伝 天の覇王』にてトキの声を担当したこともある。
CV:楠見尚己
拳王軍傘下にある監獄都市・カサンドラを統べる獄長。泰山流双条鞭・蒙古覇極道といった奥義の使い手でもあり、収容されれば二度と脱出することは出来ないという「不落のカサンドラ」伝説を世に知らしめる。
声を担当する楠見尚己氏は、『龍が如く5』シリーズにおいて嶋野組組長・嶋野太を演じている。
CV:山路和弘
エデンに暮らす数少ない医者の一人。医療以外にも北斗神拳をはじめとする中国拳法に精通しており、外界から閉鎖されたエデンにいながら世界の情勢にも詳しいなど、謎多き人物。
声を担当する山路和弘氏は、『龍が如く』シリーズでは桐生の友人である刑事・伊達真を演じている。
CV:白石涼子
レイの妹。結婚式の前日、兄の不在時に両親と婚約者を殺害された上、自身もその主犯であるとある人物に連れ攫われる。その後、己の運命に絶望し自ら薬をかぶり視力を失った。
声を担当する白石涼子氏は、過去に『龍が如く5』にて真田まいとして出演している。
エデンの地下に収容された、規格外の巨大な体躯を持つ囚人。コロセウムで行われる「囚人闘技」の最後の相手としてケンシロウの前に立ちはだかる。
<本作オリジナルキャラクター>
CV:沢城みゆき
奇跡の街エデンのを統治する人物。エデンの創始者である父・ナダイのような立派な統治者となろうと、常々民の言葉に耳を傾けようと努力する心優しい女性。「ユリアがエデンに向かった」という噂を耳にしたケンシロウは、彼女の統治するエデンへ赴くことになる。
声を担当する沢城みゆき氏は、過去に『龍が如く0』にてマキムラマコトとして出演している。
CV:三宅健太
エデン衛兵隊の隊長。ショットガンを携えたモヒカン頭の男。街に流れ着いたケンシロウの圧倒的な強さを目の当たりにし、彼を危険視して地下牢へ投獄する。経緯は不明だが拳士を毛嫌いしており、怪しげな拳法を使いこなすケンシロウにも懐疑的であったが、徐々に心を開き、以降は彼の相棒的存在として協力するようになる。
声を担当する三宅健太氏は、『龍が如く』シリーズでは神室町のホスト・ユウヤとして出演している。また三宅氏は、過去にアニメ『ラオウ外伝 天の覇王』にてウイグルも演じている。
CV:???
禍々しい髑髏の鉄仮面とマントに身を包んだ謎の人物。流派不明の謎の拳法を使い、その力で次々と野盗共を取り込み「凶王軍」なる一大勢力を築き上げた。エデンに固執し、たびたびエデンへの侵攻を繰り返しており、住民からは最も怖れられる存在。
名前やシルエットは前述の拳王を彷彿とさせるが、その正体は・・・?
CV:中村悠一
凶王軍のNo.2。黒いロングコートに2丁の拳銃を携えたキザな男。その軽い言動とは裏腹に冷酷非道な性格の持ち主。戦闘では前述の拳銃に加え、並の拳法家では歯が立たない体術を使用する。
声を担当する中村悠一氏は、過去に『龍が如く6』にて韓国系マフィア「真拳(ジングォン)派」のボス・韓俊基(ハン・ジュンギ)を演じている。
CV:久川綾
歓楽街としての側面を持つエデンの街の「夜の世界」を仕切る妖艶な女性。賢明かつ冷静沈着であり、ナイトクラブやコロセウムの運営などを一手に担うその手腕から、統治者であるキサナからも篤く信頼されている。
CV:小原雅人
キサナの父であり、エデンの創始者かつ初代の統治者。本編では既に故人。荒廃した世界において奇跡的にも最終戦争の被害を受けなかったスフィア・シティを発見し、堅牢な城壁の建築や衛兵隊の結成などの万全な体制の下、一代にして現在のエデンを築き上げるも、物語開始の数年前に急死した。その多大な功績から、死後も住民たちからは「英雄」として讃えられている。
声を担当する小原雅人氏は、『龍が如く』シリーズでは『4』にて沖縄第弐刑務所の刑務官・斎藤を、『5』ではカリスマダンストレーナーのクリスティーナを、『極』では警視庁捜査一課の須藤純一と、様々な役柄で出演している。
関連用語
エデン
物語の舞台となる近代都市。文明と秩序の崩壊した世紀末にありながら、旧世界の遺物である“スフィア・シティ”の恩恵を受け、生活用水や電気がもたらされる「奇跡の街」。住民たちは、通貨による売買や歓楽街のような娯楽など、外界とは比べ物にならない文化的で豊かな生活を送っている。
スフィア・シティ
エデンの街を見下ろすように存在する巨大なドーム型の施設。最終戦争で大きな被害を受けることなく、旧世界の文明が未だに機能し続けている。キサナの父・ナダイが発見し、この施設を拠点に現在のエデンの体制が形成されていったという。
囚人闘技
エデン内のコロセウムにて月に一度開催される、囚人同士による「闘技大会」を謳った殺し合い。優勝者(=唯一生き残った者)には、街の統治者に願いを一つ聞いて貰う権利が与えられるとされ、その中には当然「釈放」の権利も含まれるという。しかし、勝ち抜いた囚人に待ち受けているのは、地下に棲む怪物・デビルリバースを相手にした「最後の対戦」であり、実際のところは「見せしめ」も兼ねた体の良い殺戮ショーにすぎない。囚人として捕えられたケンシロウは、街での自由を得るために、この理不尽な闘技会に挑むことになるが・・・。