CV:石毛翔弥
概要
ジャンプフェスタ2017で情報が初公開された、アニメ遊戯王シリーズ六作目(東映版遊戯王も含めれば七作目)『遊戯王VRAINS』の主人公。
徹底的にカスタマイズされた旧式のデュエルディスクを持っているだけでなく、高度なハッキング能力も持ち合わせている。
目立つことを極端に嫌う性格で、クラスでも目立たない存在だが、「髪型が派手過ぎて目立つ」とファンから突っ込まれてもいる。
だが、彼は記憶をなくしており、同じく弟が行方不明になった屋台の主、草薙翔一とVR空間で探し求め、その際に屋台の一部を展開し特殊なコスチュームを纏い変身して空間内部へダイブする。
失った記憶は「ハノイの騎士」と名乗るハッカー集団が起こした事件により失ったと思われ、『復讐』と形容できる程の強い敵意を抱いている。最初から敵意を以て行動している主人公は遊戯王では珍しい。
と言うのも、明確に復讐を目的に行動する主人公はシリーズ初である。
モンスターなのかも不明な謎の生命体イグニスをディスクに封じ、空間を荒らし回る決闘者と対峙する。
クールな性格やハッキングが得意など、設定が以前の主人公不動遊星と若干似ている。
特に「旧式のデュエルディスクをカスタマイズして使用している」点は遊星以来である。
ハッキング能力以外にも分析能力も高く、絡んできた島直樹の性格等を即座に分析し、デュエルが強くないと思われる点と良い所を3つずつ挙げている。
普段はクールで草薙以外の他人を寄せ付けないような態度をしているが、冷徹というわけではなくハノイの騎士の襲撃によりアカウント消滅されそうになったブルーエンジェルを助けている。
また、自身のハノイの騎士への復讐は危険であることは理解しており、他人は巻き込みたくないと思っている。
ブルーエンジェルとのデュエル後、ウイルスにより財前葵がリンクブレインズからログアウト出来なくなり、昏睡状態に陥った時は罠と分かっていながらも財前晃に状況を伝える為敢えて偽のブルーエンジェルの下へ向かうという一本芯通った一面もある。
一方で、目的の為に冷徹な部分もあり、Aiに対する扱いはぞんざいかつ情報入手の為なら分解して解析か脅迫と言う強引な方法も辞さない部分がある。遊作とAIの性格と関係は初期の遊馬とアストラルに近く、今後は二人の関係や性格がどのように変化していくのか。
また上述したように性格分断として3つの要素を上げたり、直樹に「一人でデュエルやってろ!」と言われた際に真っ先に「メインモンスターゾーンが3つのレギュレーションってあったか?」と考えるなど、「3」という数字に何かこだわりがある様子。
10年程前に謎の施設に捕らえられ、デュエルに関する実験を受けさせられていた。その影響でAiやハノイの騎士を感知したり、現実世界にて本来視覚出来ないはずのネットワーク内を移動するリボルバーの姿を鮮明に見ることが出来る等、ネットワークの気配を感じる力、『リンクセンス』という能力を発現したが遊作自身記憶が曖昧の為、現状詳細は不明。
VR空間ではアカウント名「Playmaker」として姿を変身させる。
アカウント名の由来は自身の名前から(遊=Play 作=maker)であると考えられるほか、
Playmakerはスポーツにおいて司令塔という意味も持つ。
またunityアセット(システム、ゲーム等を編集する時に使うツール)にも同様の名が存在する。
外見
海産物でも野菜でも例えられない、何とも言えない独特な髪型をしている。
一部からは「ウミウシじゃないの?」「とあるカードゲームのあれに似ている」と言われる事も。
全体的に青色の髪をしているが、前髪の一部がやたらと尖っていて、まるで頭に板を張り付けているような髪型である。
前髪の一部は赤色となっている。
このような個性的な髪型である理由は、アニメのプロデューサーによると「本作のデュエルがスケボーに乗って行う形式」のため、「主人公の頭にもスケボーを乗せよう」ということで、このような髪型になったとのこと。
ファンからは、歴代の主人公の中では前々作の主人公である九十九遊馬の髪型に近いと言われている。
一部ではそのカラーリングを含めて「青ザリガニ」とも言われている。
このような遊戯王主人公恒例の派手な髪型をしていながら「目立つことを極端に嫌っている」という設定に突っ込みを入れるデュエリストが多数発生した。
彼の名字や名前は、実際現実で居そうな平凡な名前であり、また遊作の服装も学校の制服姿という普通の格好のため、皮肉な事に本人の目立ちたくないという思いとは裏腹に余計に独特な髪型が印象に残りやすい。
もっとも訓練されたデュエリストからは武藤遊戯や不動遊星や遊馬より地味という評価を受けているので、遊作の目立ちたくないという願いは叶ったのかもしれない。
また発表時に新作のタイトル発表などがなかったことから、「遊作くんが目立ちたくなくて取材拒否してるのかな」と一部でネタにされている。
目の形と大きさは遊星と遊矢の中間ぐらい。人によってはセレナの目に似ているという意見もある。
また、二重瞼の主人公はアストラルを除けば遊矢に次いで二人目である。
使用デッキ
OCG第10期からの新種族サイバース族の統一した【ビートダウン】デッキを使用する。
リンク召喚を主軸とした特殊召喚を多用する展開力重視のデッキだが、単なるリンク一辺倒ではなく、サイバース・ウィザードなどのメインデッキのモンスター効果も補助的に用いる。
また、魔法・罠カードを駆使して相手ターンを凌ぐなど防御面も厚く、そつなくまとまったスタイルと言える。
エースモンスター
遊作のエースカード。
最初のスピードデュエルの際、データストームの中からスキル「Storm Access」で入手したモンスター。
攻撃力を見る限りではブラック・マジシャン等のような2500組ではなく、ジャンク・ウォリアーのような前期エースモンスターだと推測されている。
デコード・トーカーと同じ系譜のエースカード群。
同スキルにより入手したモンスター達であり、攻撃力やリンクマーカーの数、モンスターのデザインに共通点を持つ。
同じく遊作のエースモンスターカード。こちらはリボルバー戦(1戦目)にて入手。
攻撃力を見る限りではこちらがブラック・マジシャン等のような2500組だと考えられる。
スターターデッキに入る人型エースモンスターと新シリーズのブースターパックの第一弾に入るドラゴン型のエースモンスターという5D'sを思い出す登場形式である。
現状、マスタールールのデュエルでしか使用されておらず、上記2体に比べ登場回数は少ない。
使用スキル
- Storm Access(ストーム・アクセス)
ライフポイントが1000以下の時のみ使用可能。データストーム内のリンクモンスターをランダムに1枚エクストラデッキに加える(入手カードはデータストームの強度で変化)。
加えたカードはそのデュエル中から使用可能となる。
なお、一見では強力な新カードを入手する描写から非常にオーバーパワーな性能に思えるが、メタ的に見れば「主人公がエクストラデッキから新カードを初使用する」こととほぼ変わらない。
従来の描写を異なる切り口で演出している、とも言えるかもしれない。
余談
遊作を演じる石毛翔弥氏は歴代主人公を演じた中では最年長である。
上記のように平凡な音のフルネームのためか、苗字と名前から早速藤木茂等に絡めてネタにされることも。
また第1話で食べていたホットドッグを包み紙ごと一瞬で口に吸い込んだ場面から一部の視聴者から「紙も食うのか」「遊作はヤギなのか?」「この店は食える紙で包装してるのか(外部リンク)」と少し話題になった。
一瞬で場面転換したため実際のところどうだったのかは不明だが、紙を食べてないにしろその場にゴミが落ちておらずその後両手で扉を開けていることから、ホットドッグの包み紙をそのまま服のポケットに入れた可能性がある。
なお、第6話ではちゃんと包み紙を避けてホットドッグを食べており、視聴者から「どうして紙ごと食べないんだ…」などと突っ込まれた。
秘められし壮絶な過去
※以下、根幹に関わる重大なネタバレを含みます
世間から「LINK VRAINSのヒーロー」と讃えられる英雄が背負うバックボーンは凄惨なものであった。
10年前、遊作はわずか6歳の時に何者かの手によって誘拐された。
気がついた時には狭苦しい白い部屋に監禁され、外界との接触手段は一切なく、犯人側からのコンタクトすら無いという隔絶された環境。
予め与えられていたのはゴーグル型のVR装置だけであり、それを装着してのデュエルを否応なしに強要されてしまう。
電撃によるリアルダメージが発生するデュエルと食事と睡眠以外に与えられるものはなく、理由もわからないまま、まるで生体実験でもしているかのようにただ機械的に過ごす毎日。
当初は非常に簡素な、幼い子供に対するものとは到底思えない簡素な食事が定期的に支給されていたが、やがてはその食事の質すら左右されるようになり、デュエルの結果次第では紙パックの飲み物しか与えられない。
睡眠時もベッドどころか枕も無い。
寝る・食う・デュエルの繰り返し…そんな非人道的な仕打ちを受けていく期間がどれだけだったのか、遊作に知ることはできなかった。
同様の被害者は他にも存在し、そうした過酷な環境で草薙翔一の弟のように精神が破綻した人間もいる。
遊作も心が壊れかけていたが、ある日『3つ』を生きる希望として指し示した、何者かによる励ましの声を受けたことで、辛うじてその破綻を回避できていた。
そんなある時突然警察が突入してきたことで解放されるが、やがて『ロスト事件』と称されるこの事件は闇に葬られてしまい、国家規模のSランク保護プログラムによって社会的なケアを受けつつ新たな人生を送ることになった。
誘拐監禁期間は半年、拉致被害者は確認されるだけで6人。
遊作もこの事件を忘れて平穏に生きようと必死に努力してきたが、どれだけカウンセリングを受けようと忌まわしい凄惨な出来事が彼の中から払拭されることは叶わず、悪夢と苦痛にうなされるPTSDを発症しており、現在もそれを克服できていない。
事件から10年が経過した今でも当時の記憶は遊作を延々と蝕み続けており、遊作はその苦境から抜け出そうと運命に抗う決意を固めた。
無我夢中で調査していく中で暗にこの一件が別名『ハノイプロジェクト』と呼ばれていることを突き止め、唯一の手掛かりとして関連性が疑われるハノイの騎士を追っていたのである。
一つ、何故自分たちがあんな目に遭わなければならなかったのか真実を究明する為。
二つ、自分や他の監禁された子供達のみならず、翔一のような被害者家族の心にすら大きな傷を刻みつけ皆の人生を狂わせた元凶に復讐を果たす為。
三つ、解放された被害者の中に確認できず現在も囚われている可能性が高い、自分を支えてくれた”誰か”を救い出す為。
全てはその為に…。
なお、遊作の高いデュエルスキルや分析力、どんなに不利な状況に追い込まれても冷静さを失わない強靭な精神力はこの復讐を果たす上での強力な武器となっているが、その基盤が培われた経緯は監禁中にペナルティ付きのデュエルを幾度もこなしたからだろう。なんとも皮肉な話である。
因みに、上述の通り、『ロスト事件』の被害者は国家規模のSランク保護プログラムをかけられている為、『藤木遊作』という名前も本名でない可能性がある・・・。
関連イラスト
- 藤木遊作
- Playmaker
関連タグ
歴代主人公達
外部リンク
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