概要
第1話から登場したスペースビースト。ブロブタイプ(不定形)に分類されている。
体の95%が水分で構成されており、身体を自在に変形させて行動することが可能。
長い触手で人間を捕え腹部の口で喰う。肉体を維持するためにはエタノールを摂取する必要もあるためガソリンスタンドや工場に現れてはガソリンやアルコールを摂取していた。
肉体が可燃性物質で構成されているため簡単に撃破する事が出来るが、ビースト振動波による情報共有能力と自己進化能力を持ち、外敵からの攻撃を受けるたびに防御力を強化することが可能。
攻撃手段は当初、触手による打撃と可燃性ガスの噴出能力だけだったが、ナイトレイダーやネクサスとの交戦の末、頭部の触角から放つ火球、触手からの電撃、そして口を発光させて放つ衝撃波などの武器を得ていった。
小型の個体はクライン(小さい)、飛行形態(飛ぶ・下の画像)はフリーゲン、複数のクラインが融合し巨大化した姿はグロース(大きい)と呼ばれる。
- 体長:2-10メートル(クライン) / 40メートル(フリーゲン) / 20-50メートル(グロース)
- 体重:不定(クライン) / 3万トン(フリーゲン) / 2万5000-4万5000トン(グロース)
活躍
第1話の冒頭からクラインが登場。最初に現れた個体はガソリンスタンドに立ち寄った客を捕食したが、現地へ急行したナイトレイダーによってトンネル内に追い詰められ、ディバイトランチャーで撃破された。フォートレスフリーダム付近に出現した個体は旅行中のバスの乗客を一人残らず捕食。主人公の孤門すら捕食しようとしたが、突如現れたウルトラマンネクサス・アンファンスのパンチで潰されて撃破された(これが本作におけるウルトラマンの初登場シーンである)。
第2話では大量発生した個体が登山中の若者を捕食したが、やはりナイトレイダーに殲滅された。
その後、無数のクラインが融合して巨大化・グロースとなって工場地帯を襲撃。工場の作業員を人質に取ってナイトレイダーの攻撃を封じるという卑劣な手段を取った。吉良沢参謀は人質もろともペドレオンを殲滅するという残酷な命令を実行させようとしたが、突如現れたネクサスが人質を奪還、ペドレオンを格闘戦で圧倒し、撤退に追いやった。フリーゲン化した巨大ペドレオンはナイトレイダーの追撃を振り切り、市街地へ侵攻しようとしたが、ネクサスの発生させたメタフィールドに取り込まれて姿を消した。
しかし、完全には倒しきれなかったらしく第3話では再び大量のクラインが登場。孤門、凪、姫矢を包囲殲滅しようと試みたが、姫矢のブラストショットにより撃退された。同話終盤では生き延びた個体がトンネル内で融合してグロースとなり、若者たちを車ごと捕食するという暴挙を見せた。
第4話では、生き残った全個体をトンネル内に集結・融合させ、両サイドから同時攻撃を仕掛けて殲滅する作戦が実行される。しかし、融合したペドレオンは自己進化能力によって強化されており、逆に火球攻撃でクロムチェスターβ、γを撃墜に追いやる。街の防衛を託されたクロムチェスターαにも襲い掛かるが、再びネクサスにメタフィールドへ送り込まれて阻止される。フィールド内では放電攻撃や衝撃波でネクサスにダメージを与えるものの、最期はネクサスハリケーンで地面に捕縛され、オーバーレイ・シュトロームを浴びて完全消滅した。
第12話ではビースト細胞に寄生された孤門の幻覚に登場し、彼を苦しめた。
最終回のラストシーンではダークザギが倒されて1年後の新宿に銀色の個体群が出現。
未だにビーストが根絶されていないことと、存在を公表されたTLTがビーストを駆除し続けていることが描かれた。
余談
脚本の長谷川圭一からの『ウルトラマンティガ』のマグニアを「四足歩行にしたイメージ」という案を受けて『ウルトラQ』のゴーガをオマージュしたナメクジ系の怪獣を発想し、最終的にウミウシをモチーフに纏めた。
グロースの着ぐるみは当初の案通り四足歩行での制作が検討されていたが、激しいアクションを見せたいという特技監督の菊地雄一の要望により二足歩行に修正された。また、クラインも着ぐるみの制作が検討されていたが、監督の小中和哉の提案によりCGでの描写となった。
グロースのスーツは後に『ウルトラマンメビウス』のクロノームに改造された。
見た目のグロテスクさと執拗なホラー演出により、この怪獣がトラウマになったという視聴者は多い模様。また、「強い敵と戦って自己進化を遂げる」、「無数の分裂体が一つの個体となる」など、第一話から登場したビーストでありながら本作の敵の特性を全て兼ね備えた存在だったと言える。
当時はソフビとしても販売されたが、全く売れなかったために現在はプレミア価格がついている。