曖昧さ回避
ミチル「昔読んだ小説にね、こんなのがあった。スーパーマーケットにたくさんの人間が閉じ込められるの。外には得体の知れない霧、みんな次々とその中の怪物にやられていくのよ」
概要
別名 | 寄生怪獣 |
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身長 | 66m |
体重 | 5万8千t |
出身地 | 宇宙 |
『ウルトラマンティガ』第22話「霧が来る」に登場。
隕石に乗って地球にやってきた宇宙怪獣。普段は体を霧状に分解しており、無数の寄生生物「小型マグニア」をその中に忍ばせて獲物を探す。
宇宙観測センターとその付近の集落を襲い、住民の喉元に小型マグニアを喰らいつかせて自らの配下に置いて、住民から奪った生体エネルギーを隕石内部に溜め込んでいた。このため、敵との戦いでダメージを受けたりエネルギー切れを起こしてもすぐに回復できる。武器は口から吐く「帯電ミスト」と怪力。
宇宙観測センターに捜査に向かったGUTSのホリイ、ダイゴ両隊員と、たまたまそれに居合わせたリガトロン事件の遺族であるエザキ・ミチルを襲撃する。
霧化している間は通常兵器による攻撃が通用しないが、水に触れると溶けるという弱点があったため、ダイゴが川に転落した際は追跡を断念していた。
隕石からのエネルギー供給によって活動時間の短いウルトラマンティガを追い詰めるが、ガッツウイング1号のミサイル攻撃で隕石を壊され弱体化。最後はデラシウム光流で倒され、同時に寄生された人々も元に戻った。
寄生体(小型マグニア)
マグニアの分身。節足動物のような足が付いた奇怪に蠢くタマネギのような姿をしており、空中を浮遊して生命体の首筋に寄生し、生体エネルギーを吸収して隕石の中に溜め込む。
寄生された人間は凶暴化するらしく、ダイゴたちは包丁や農具で武装した村人たちに襲撃される羽目になった。生気の失せた暴徒が襲い来る様は、さながらゾンビ映画である。
ガッツハイパーガンでの銃撃でも倒せるほど脆い上に、霧と同様に水に弱いため消火用スプリンクラーでの放水を浴びてまとめて倒されたこともあった。しかし、無数に出現するためキリがなく(ホリイ「アホ、シャレ言うとる場合か!」)、全ての寄生体が霧と合体することによってマグニアとなる。
その後の作品での登場
ULTRAMAN SUIT ANOTHER UNIVERSE
『ティガ』のリメイクエピソード第20・第21話「霧が来る2021」に登場。
なお、シナリオ担当の長谷川圭一氏の脚本デビュー作はオリジナルの「霧が来る」であり、今回はセルフリメイクとなっている。
建設中の工事現場地下で発見された隕石(仮死状態になった本体)として登場。
対象に胞子を吹き付けて首筋にコロニーを形成、脳にまで侵食して行動を支配してしまうだけでなく、近寄った人間目掛けてコロニーを破裂させ、鼠算式に仲間を増やしてしまうという恐ろしい存在である(簡易防護服程度なら余裕で侵入してしまう)。しかも、規制対象の痛覚を麻痺させてしまうので、SEVENらの放つノンリーサルゴム弾も全く効果をなさない。
更にこのコロニーは建物の外壁にも付着させることが可能であり、隕石が運び込まれた科特隊基地の地下を地獄絵図へと変えた。無論、科特隊の活動は公表されてはならない為、苦肉の策として科特隊基地の表層にある光の巨人記念館の来客には火災として伝えられた。
また、彼らが発する霧の仕組みについてだが、その正体はやはり胞子であり、摩擦で発生する静電気を使って仲間たちと交信する為のシステムである様子(無論、本作オリジナルである)。
堀井研究員はこの胞子に寄生されながらも、息子・継夢の呼び掛けに覚醒、近辺にあったホースからの放水で危機を脱する。完全に侵食されるまでにコロニーに水を掛ければ元に戻るようで、他の研究員も次々に正気に戻る。
修理が済んでいないZEROSUITを纏った次郎を支配し、研究員相手に殺傷兵器を使えないSEVENを苦戦させたが、アンドロイド・ゼロワンからZEROスーツへと体を移し変えたマヤに制御権を奪われてしまう。最後はEXライフルで狙撃されたスプリンクラーから水を浴びせられ、他の階層にいた個体もマヤがスプリンクラーのシステムにアクセスした為に全滅した。
残る本体が液浸チェンバーに収容され、大深度地下耐爆試験坑で爆破処理される事となったが、なんとコイツは水を吸収して巨大化。EXライフルもスペシウムソードも全く効かない怪物になってしまった。最期はSEVENに堀井研究員自慢の試作対怪獣大型超振動伐斬刀『曙丸』(アイスラッガーらしき刃がついた長槍)を振り下ろされて破砕された。
地の文の考察によれば、人間はあくまで中間宿主で、最終宿主がマグニアに相当するのだという。
つまり寄生生物は人間という餌を運ぶ働きバチのような存在であり、水が弱点なのは寄生生物だけのようである。
ちなみに、異界獣や生物兵器を除いた『ULTRAMAN』世界には珍しい純粋な怪獣である。
余談
このエピソードはスティーブン・キングの小説『霧』をベースとしており、劇中でもミチルが「昔読んだ小説」として話題に挙げている。この小説を原作とする映画『ミスト』は壮絶なバッドエンドを迎える内容で有名だが、小説の方は希望が残されているともとれる結末であり、ミチルはハッピーエンドと解釈した模様。
『ウルトラ銀河伝説』に登場するベリュドラの胴体を構成する怪獣の1体として登場した。
デザインの元となったのは、『ウルトラマンネオス』の頃に描いた怪獣を手直ししたもので、身体各部の円形の窪みを全て目玉にする案だったが、気持ち悪いという理由で没になった。
関連タグ
オコリンボール:本怪獣のオマージュ元と思われる怪獣。そのもたらした被害や絵面はもはやトラウマものである。