「無論、全てのギャングラー犯罪の解明と、ルパンレンジャーの正体を暴く事です。他に何が?」
「危険?そんなもの、名探偵に付き物だ」
概要
ギャングラーによる犯罪の撲滅とルパンレンジャーの正体を暴く為に、国際特別警察機構の依頼の元来日してきた。
何事にも落ち着いた面持ちで正義感が強い性格であり、圭一郎の事を助ける為に自らが囮に買って出るなど危険を省みない。
多数の報道陣を前に意気込みを語るが、それを良しとしないウィルソンに命を狙われてしまい…。
ちなみに圭一郎は警察官に関わらず私立探偵の彼と協力をする事に複雑な心境を述べている。
前日談となる『究極の変合体』でも顔は映っていないが写真で登場しており、ノエルが彼の来日の目的を知ると「探偵に色々介入されると厄介かもな…」と呟いていた。
正体(ネタバレ注意)
「自分の乏しい推理力を恨むんだな。諸君らの物語は、ここでピリオドだ」
「今倒せば同じことだ。いくぞウィルソン君!」
データ
身長/196cm(巨大金庫身長/49.0m)
体重/216kg(巨大金庫体重/540.0t)
犯罪歴/快盗戦隊及び警察戦隊襲撃
犯罪技/狐火、狐月
ルパンコレクション/「隕石おとし~En attendant qu'une étoile tombe~」
実は探偵としての姿は人間界に潜伏する為に人間へ変身した姿に過ぎず、彼の本当の姿はキツネの様な姿を持つギャングラー怪人。この映画の真の黒幕。
変身する際は人間界で潜伏している際の体が溶け、骸骨の姿になってから本来の姿へと変化しており、化けの皮を使わずに人間の姿に変身できるザミーゴ・デルマの様に自身の自前の能力の模様。
真っ白な身体にキツネの皮を被った様な頭部(シルエットがハンチングキャップを思わせる)、腰の飾りは複数のキツネの尻尾を一体化させた形状をしていて、まるで九尾の狐の様である。メットのレンズの様な顔には炎の形をした両目が薄っすらと確認できる。
また上半身には探偵の使うパイプやインバネスコートのケープ、身体の間から見え隠れするチェック模様等人間態の探偵の要素も随所に取り入れた容姿である。
エルロックを狙っていたウィルソンは彼の相棒であり、2人で協力してルパンレンジャーとパトレンジャーを抹殺し、相棒共々ギャングラーのボスの後継者になろうと目論んだ。相棒の事は「ウィルソン君」と呼称する。
戦闘においては拡散する青白い炎を操る犯罪技『狐火』を使う他、柄から鍔の部分が虫眼鏡になっている剣『ムシメガネイザー』を振るって放つもう一つの犯罪技『狐月』も用いる。
更に隕石のルパンコレクション「隕石おとし~En attendant qu'une étoile tombe~」の能力で無数の隕石を宇宙から呼び寄せ、上空から降らすという強力な広範囲攻撃を使用する事が可能。ただし相手が少なければある程度落下をコントロールできるが、広範囲を狙う場合は細かいコントロールが効かないらしく乱戦時には直接相手を狙って使えない模様。
ルパンコレクションを納める金庫は胸部にあり、暗証番号は「812」。
活躍
パトレンジャーの3人に警護を就かせつつ日本に来日したエルロックは、自らの存在をアピールする為に化けの皮を被ったウィルソンの正体を暴き、彼に狙われるという三文芝居を打つ。するとウィルソンのコレクションを狙うルパンレンジャーが現れた為にパトレンジャー3人にルパンレンジャーとウィルソンの事を任せて、その場を一時離脱。
そして本来の姿に戻ってウィルソンと両戦隊が戦っている所を建物の屋上から見物すると、犯罪技でウィルソンの配下のポーダマンを巻き添えに両戦隊を攻撃し、ウィルソンがルパンレッドとパトレン1号を捕縛してギャングラーの世界へ連れて行くのをサポートした。
急な事態に透真と初美花は一時撤退、つかさと咲也は圭一郎を捜そうとしていた所でエルロックは再度狐火を放とうするもそれを制止したノエルが変身したパトレンエックスと交戦。巨大化させて放った狐火をパトレンエックスに弾かれて彼の放つ銃撃で怯んでしまい、ルパンコレクションを回収しようと快盗チェンジしたルパンエックスが迫る。しかし自身の正体を嗅ぎつけられそうになったのでルパンコレクションの力を発動。無数の隕石を落としてルパンエックスを建物から突き落とし、口封じさせると「邪魔しやがって…」と呟いてその場を後にする(この戦闘でケガを負ったノエルは以降の戦闘へ参加出来なかった)。
再度人間の姿に戻り国際警察の日本支部で保護されていた所、自身がウィルソンの囮になってギャングラーの世界へ連れていかれた圭一郎を助けるという芝居を打ってつかさ・咲也と行動を共にする。翌日、美那森博物館へ赴いてウィルソンに扉を開かせる為に囮になる裏で残る4人を始末する為に密かに待ち構えていると、ウィルソンが来訪したタイミングで透真と初美花が現れ、警護のつかさと咲也も合わせて4人が揃った為に本来の姿へと変身。複数の狐火で4人を攻撃して動けない4人にとどめの狐火を放つも、ここでジャックポットストライカーに操られたゴーシュに捕まる形で魁利と圭一郎が空間移動をして戻って来てしまう。
ウィルソンが2人を倒し切れていなかった事に「ウィルソン君!どうして赤いのを片付けておかない!? 君は本当にマヌケだな!」と説教して、変身した両戦隊を一気に片付けてやろうとウィルソンと共に襲いかかり、ルパンイエロー・パトレン3号と交戦するも二人の連携に押された所でウィルソンと一所に纏められ、レッドと1号に先程の例と言わんばかりの追撃を畳み掛けられる。これで隙が出来た所へルパンブルーが金庫に取り付きダイヤルファイターで解錠、ルパンコレクションを盗られてしまう。これに怒りコンビネーションアタックで反撃するもシザーシールド&ブレードブーメランを装備したレッドにその一撃を防がれてしまい、更に1号の投げたブレードブーメランを受けて追い詰められてしまう。
そしてその勢いのまま、両戦隊はジャックポット・グッドストライカーの力を使いルパントリコロール・パトレンU号にチェンジし、2人の放つイチゲキストライクを撃ち込まれて敗北する。
直後、ゴーシュに巨大金庫を施され相棒と同時に復活・巨大化。「これを最後の事件にしてたまるか!」と叫ぶとウィルソンと共に特殊な力で周辺を夜の様な暗闇へと変化させる。これに対し両戦隊はルパンレックスとパトカイザーを繰り出し、「諸君らを倒し、我々がギャングラーの後継者となる!」と今度こそ両戦隊を撃破する為に交戦。
エルロックは剣術でルパンレックスと戦闘を繰り広げるが、自身よりも剣術が上手なルパンレックスにムシメガネイザーを弾き飛ばされた上にそれを蹴り飛ばされてダメージを受けてしまい、ウィルソンと共にコンビ技で対抗を図るも相手の高速滑走で銃撃を掻い潜っての反撃に圧倒されてしまう。
最後は再びウィルソンと一所に纏められた所に、トリガーロッドへエネルギーを集めたパトカイザーの渾身の一撃をすれ違いざまに叩き込まれ、相棒と同時に爆散した。
余談
正体が分かるまで怪人態の声は二重に加工されている。
キャラクター名のエルロック・ショルメはアルセーヌ・ルパンシリーズに登場する探偵の名であり、相棒のウィルソンも同キャラクターの盟友の名である。
ギャングラー共通の骨の意匠は胸部にある小動物の様な頭蓋骨のレリーフ。ちなみに怪談話での化け狐は頭蓋骨を媒体に人へ化ける者がいる(デザインした久正人氏もここから着想を得たらしい)。
実在する(していた)人間の名探偵に成り済ましたのか、探偵として人間界で真面目に活動しながら国際警察が協力を依頼してくるのを根気強く待っていたのかは定かではないが、偽名を使っていた訳でもないので後者の可能性が高い。
ルパンコレクションのモチーフは前作の『宇宙戦隊キュウレンジャー』に登場したサイコーキュータマ。
夏の映画でお笑い芸人がゲスト怪人役で登場するのはこれで3年目となる。
演じる田中氏がギャングラー怪人である事は公開前まで伏せられていたが、すでにあるポスターのキャストクレジットや他のゲスト声優の役名がニュース記事で紹介される等、若干ネタバレされてしまっている。そもそも怪人態が判明した際に上記の容姿だった為、薄々田中氏が悪役で出演すると気づかれている。
演者が田中氏だと発表された際、一部から「タイキックされそう」という声が上がったが、これは田中が年末に出演する番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」特番「笑ってはいけないシリーズ」から因んだネタである。
実際、他の共演者からも指摘されていた(明神つかさ/パトレン3号役の奥山かずさも「タイキックがあるかと思って密かに練習していた」と言っている)。田中自身も子供に「最後はタイキックでやられる」と言われたと語っている。
尚、本作品の発表前に放送された2015年のガキ使年越しスペシャルは「絶対に笑ってはいけない名探偵24時」で、田中はタイキックを3発喰らっている。この特番の存在も、タイキックのイメージに拍車をかけたと思われる…。