キューティーハニーF
きゅーてぃーはにーふらっしゅ
概要
永井豪の(お色気)少年漫画作品『キューティーハニー』の少女漫画風リメイク作品。ただし『キューティーハニー』の企画構想的には原点回帰ともいえる作品とも言われる。(当初『ハニー』は少女向けとしての構想があったため)
1997年2月15日から1998年1月24日まで、テレビ朝日系列24局にて放送された『美少女戦士セーラームーン セーラースターズ』の後番組として製作された作品であるため、内容もお色気ではありつつ、少女漫画のような恋愛要素など女児向け、女性向けに仕上がっている。
如月ハニーの設定も空中元素固定装置の種子から生まれた人工生命体と変更され、中盤ではキューティーハニーのライバル的存在として、ミスティーハニーが登場するのも大きな特徴。また変身アイテムはチョーカーだけではなく、指輪も追加されている。
『セーラームーン』シリーズの流れもあり、作画やアクションなどのクオリティは極めて高く、大半の登場人物が美男美女揃いにリファインされている。また、現代風でエロ格好良いハニーに仕上がっている。
ただ『セーラームーン』シリーズ直後の作品かつリメイク作品という事もあり大きなお友達の間では(永井ファンはともかくとして)「今更感」が漂い、後述する枠移動における各種事情も重なり、結果としては、そうしたファンをこの時間枠から手放す事となり、枠視聴率を一気に落としていく事となった。こうした枠移動や移動後の枠や番組の処遇、後を受けた番組の末路(後述)もあいまって不遇な事にアニメオタク的な話題の中ではネガティブな評価(イメージ)を背負いがちの作品である。
しかし、巧いリファインのおかげで本来の試聴層であるお子様たちには非常に好評で、当時の少女たちのハートを鷲掴みにし、当時の好きなキャラランキング(※バンダイ調べ)で3~5歳と6~8歳の女児部門で一位を獲得している。
こうした事情もあり、本作(枠移動後)の後番組はより女児向けに特化されたアニメコンプレックス枠『アニメ週刊DX!みいファぷー』となった。
もともとの原作者である永井豪は、今作に限り「原著作者」としてクレジットされており、今作の実質の原作者、キャラクターデザインは少女漫画家の飯坂友佳子である。さらには飯塚本人によるコミカライズも存在する。詳細は後述。
永井自身は上述した大きなお友達の反応を原因として「この作品に触れないでほしい」という主旨の発言をしたことある一方、それが落ち着いた頃に描かれた半自伝的漫画作品「激マン!」では「少女漫画ハニーを描きたかった」とも発言している。
『セーラームーン』シリーズの後継作と言うこともあり、土曜19:00-19:30に放送されていたが、約半年後に同じ土曜でも18:30-19:00(ABCは17:00-17:30)に枠移動している。なお枠移動後におけるABCでの放送では提供表示がノーBGMのブルーバックという結構な扱いになった。
「ライバル」として、「筋肉番付」(テレビ山口とテレビ高知を除くTBS系列)⇒「モグモグGOMBO」(福井放送を含め秋田放送と山梨放送を除く日本テレビ系列)があった。あまつさえ枠移動後はNHK(BS2/総合/教育)の「衛星アニメ劇場」と完全な競合関係となり枠視聴率を熾烈に奪い合う関係となっている。
ちなみに前枠(テレ朝系列・土曜19:00-19:30)での後番組は『クイズ!渡る世間は金ばかり!?』であり、以降同枠はバラエティ番組枠となってしまい、アニメ枠としては途絶した。
前述のように後枠(テレ朝系列・土曜18:30-19:00/ABC系列・17:00-17:30)の後番組は『みいファぷー』であったが枠移動から落とした視聴率は回復に至らず、さらにその後番組としてアクションヒロイン路線に再転換した『神風怪盗ジャンヌ』(1999年)に至るも視聴層からは迷走とみられてさらに視聴率を落とす結果となり、最終的に2000年に男児向けの『マシュランボー』に転換されるも裏番組に『HUNTER×HUNTER』をぶつけられ半年で打ち切りとなり、結果アニメ枠としても廃枠となった。
これらの事情から「テレ朝土曜枠アニメ凋落の端緒となった番組 」と呼ばれる事がある。(ある意味で誤解やこじつけもあり、それを言うなら前番組から兆候は見えていたが)
なお、『セーラームーン』シリーズの後継作であったせいか、セーラームーンとハニーが共演するという構想があったのだが、実現しなかった。版権の違い(片や小学館、此方講談社)が主な理由のようだが、やはり「セーラームーン」サイド(特に版元)の感情を考えれば、二次創作でもない限り実現不可能な構想ではある。
アニメの登場人物は、原則として永井豪版のハニーに準拠しているので、詳しくはキューティーハニーの項を参照。
主題歌
ED
エンディングはあの岡本真夜が担当した。
漫画版
佐々木和志・別冊コロコロコミック版
少年誌に連載されたためかハニー自身の恋愛は描かれず、バトル描写が強調されている。
早見青児は登場せず、プリンス・ゼラも1コマのみの登場。その代わりハニーの近所の小学6年生である「フジ丸」という少年がレギュラーとなっている。
こちらでも如月博士・聖羅共に死亡せず。
余談
漫画版のうち、キャラクターデザインを手がけた飯坂が担当したもののひとつである「ちゃお版」は海外翻訳版の出版が検討されていた。ところが本作終了後、飯坂の行方が分からなくなってしまいダイナミックプロの方でも音信不通になっているため、この企画は宙に浮いてしまっている。むろんダイナミックプロはどうしても海外版を出したい様で「激マン!」の作中でも「連絡ください」と訴えている。また、このような状態に陥っているため、日本国内での漫画の再販もまた、希望する声がありながらも出来ない状況にある。
関連動画
番宣TVスポット
※再生開始から30秒あたり。
変身&戦闘シーン