概要
『彼岸島』とは、『週刊ヤングマガジン』誌上において、2002年より連載されている松本光司によるホラー漫画。
2010年の夏からは「彼岸島 最後の47日間」にタイトルが変わっている。
2005年にはゲーム化、2010年には映画化、2013年にはドラマ化もされた。
さらにドラマ第2部が2015年春に、その続きを描く映画第2弾も2015年秋に公開予定。
誰も知らない絶海の孤島・彼岸島においての、吸血鬼・雅に支配された辺境の漁村で、吸血鬼と化した原住民と島へやってきた主人公と仲間達が、逃げ延びるため策をめぐらすサバイバルホラー。
グロテスクな邪鬼(オニ)、スプラッターでR-18G連続の戦闘シーン、そして仲間との悲劇的な別れなどが描写され、最終章である「最後の47日間」に突入してからは、物語はクライマックスへと突き進んでいる。
…という話のはずだったのだが
今や、この作品を一言で言うなら「丸太バトル漫画」。
長期連載の運命で、設定の矛盾などが多数発生した上に、いつしか丸太や松明といった有り合わせの武器から、日本刀や弓矢で殺しあうバトルテイストに変わってしまっている。
彼岸島は地図上でもはっきりしない絶海の孤島であるはずだったが、樹海やら砂丘やらがどんどん出現し、地形を整理するとどう考えても淡路島より大きくないとおかしいという状態になってしまった。
また元々は小さな漁村の村民同士の争いにも関わらず、敵勢力・味方勢力とも毎回大量に死人が出ているが一向に全滅する気配はない。この「村」の人口は少なくとも百人単位程度では足りないだろう。更に書くと、化け物じみた強さに成長していく主人公たちと同じ師匠の下で修業した人達なのに何でこんなに弱いのかも謎である。
他にも元はただの漁村だったのにも関わらず何故か大量の日本刀があったり、あちこちに武器として使えるサイズの丸太が落ちてたり、諸事情で全裸の腰布だけになったのにその後も服も着ずにずっとその格好のままの人や、これまた諸事情でリュックサックに入ったきり何故かそれ以降そのままの姿でいる人がいるなど、とにかくシリアスなのに突っ込み所満載な作品である。故にこの作品をギャグ漫画と見なす向きもある。
さらにあろうことか、『最後の47日間』は人類が吸血鬼に敗北するバッドエンドで終了。新章の『彼岸島 48日後…』が2014年8月18日発売号から連載され、悪夢はまだまだ終わりそうにない。
あらすじ
彼女は二年前に行方不明になったはずの兄(宮本篤)の免許証を持っていた。
冷が言うには明の兄は彼岸島という島にいると言う。
兄を連れ戻すため、仲間たちと彼岸島へ船で向かう明たち。しかし、そこは吸血鬼の島だった……!
主な登場人物
映画版とドラマ版のキャストも記載。
主人公とその仲間達
(映画)石黒英雄(ウルトラマンオーブの人) / (ドラマ)白石隼也(仮面ライダーウィザードの人)
この作品の主人公。最初はごく普通の気弱な高校生だったが、吸血鬼の島での戦いを経て、まじめに修行してからは日本刀で鉄でも何でも切れるようになり、吸血鬼でも無いのに邪魔な吸血鬼の神父を「ポイッゴーン」する程の超人と化した。
後に最終決戦で雅に右腕を斬り落とされ、大怪我を負うも、右腕を隊長が造った仕込み刀が仕込まれた義手に変え更に強くなる。たまに思い出したように古傷が痛んだり、足を引きずったりする。ちくしょう。
(映画)渡辺大 / (ドラマ)鈴木亮平 / (ドラマCD)浪川大輔
見た目が夜道の変質者な明の兄。明からは「兄貴」と呼ばれている。
丸太を軽々と振り回す超人。
明の友人。弱虫。商店街の仲間たちで最初に犠牲になり、明が強くなるきっかけを作った。
明の友人。絶海の孤島(のはず)の彼岸島でバズーカなどの超兵器を開発したり、豚汁を作って仲間を癒したりする文房具屋の息子。
明を追い本土へ渡るが、吸血鬼に襲われ、吸血鬼化し、雅を騙って大阪に君臨する。
ユキと同じく最期は明に斬られ死亡、墓を彼によって建立される。
明の友人。確実に足手まといだが何かと憎めないムードメーカー。
明の幼馴染み。ヒロイン的立ち位置であったが、守られてばかりは嫌だということで戦闘時は弓矢でのサポートを引き受けるようになる。最初は"弓矢が得意"くらいの軽い感じであったが、回が増すごとに弓の腕前は那須与一並みになる。
明を追い本土へ渡るが、吸血鬼化し、更に血を飲むのを拒んだ為に邪鬼化する。
西山と同じく最期は明に斬られ死亡、墓を彼によって建立される。
彼岸島の人々
(映画)水川あさみ / (ドラマ)佐藤めぐみ / (ドラマCD)小清水亜美
篤の免許証を持っていた謎の女性。その正体は……?
(ドラマ)麻亜里
スカートとポニテがよく似合っている冷の妹。多少荒っぽいが、車の運転が得意。
(映画)阿見201
不気味なお面を被った抵抗組織(レジスタンス)のリーダー。主に武器は丸太。
病院の村のロッカーに隠れていた中年のおっさん。常に腰にタオル一枚。
その格好をする必要性が無くなったのに何日経とうとやっぱり腰にタオル一枚。
最期は太郎に捕食され壮絶なアヘ顔を晒し……
宮本篤の婚約者。清楚な黒髪美人。
ドラマ版では斧神になる
抵抗組織(レジスタンス)の戦闘員。忍者のような格好をしている。どんなに強くてもやられ役。
漂流者
彼岸島に漂流してきた青年。「クソちゅよい吸けちゅ鬼」に対して不殺の精神を抱いていたが、高熱を出し戦えない明を守る為に戦う決意を固める。
通称「亮ちゅけ」「ちゅけ」
亮介の友人の女性。亮介と共に彼岸島に流れつく。
その後「クソちゅよい吸けちゅ鬼」に対して不貞行為を働いた為に吸血鬼化してしまう。
亮介の友人。「クソちゅよい吸けちゅ鬼」に捕まって悲惨な事になってしまう。
レスリング部主将。
吸血鬼達
吸血鬼達のボス。首を切っても死なない不死身の体を持つ。
余談だが、NAKA雅MURAとは何の関係も無い。
雅の右腕。黒山羊の被り物をして巨大な斧を持った混血種(アマルガム)。
フェイズシフト装甲を装備している。
拷問好きな女性の混血種。常に毬をついている。主な武器は鉈と注射器。
雅様親衛隊の隊長。ハゲジジイ。明が心通わせた数少ない吸血鬼で、一応敵だがある意味相棒。もはやこの作品のヒロインと言っても間違いない存在。
しかし「彼岸島 48日後...」にて、島を出ようとする明を引き留めようとして、痴話喧嘩?の末に、明にあっさり首を刎ねられて死亡していたことが判明。合掌。
旧日本軍の軍医中佐。雅を不死身にした張本人。吸血鬼化してからは、這いずり回る様に移動する。
雅の左腕の邪鬼。金剛力士像のような見た目をしている。脱皮を繰り返すうちに邪念「エロ金剛(仮)」が分離し残った方が闘争心の塊となる。
用語集
物語の舞台となる島。話が進むにつれてどんどん大きくなっていく。
師匠によって設立された組織。吸血鬼達から島を奪還しようとしている。
吸血鬼ウイルスに感染した人間。吸血鬼の血を体内に入れてしまうと感染する。
女性以外はほとんど農家のおっさんスタイル。
吸血鬼が血を吸わずにいると邪鬼になる。
半魚人だったり、おっぱいのついたムカデのような女性だったり、なまはげのような顔をした犬だったりとバリエーションが豊か。
吸血鬼が血を吸わずにいるとなるもう1つの姿。変化に耐えられないと亡者になる。
雅は動きが鈍くて使い物にならないと言っていたが、合体する事により俊敏な動きを可能にする。
吸血鬼同士の血を混ぜる事によって生まれる種。特殊な能力を持つ。
吸血鬼の頭を潰したり、落ちている者を救出したり(失敗に終わったが)、吸血鬼の檻を作ったり、塀や門を壊したり……
木さえ生えていればいくらでも調達可能なサバイバルアイテム。丸太である必要性のない時でも"タダ"で手に入るので感覚でどんどん出てくる。
西山がよく作る料理。家畜はおろか食料も満足に手に入らないはずの孤島で豚肉は一体何処から調達しているのだろうか……
血液を分離し、雅の不死を一時的に無効化するワクチン。不死の能力だけが無効化される筈なのに、何故か雅は一時的に動けなくなる。
関連イラスト
余談
現在連載中の『彼岸島 48日後…』は前述の通りバッドエンド後を描いている作品なのだが、さし当たっての突っ込み所は「雅を殺すのに501ワクチンが必須なのを作者が覚えているのか」であろう。