800年前の王
はっぴゃくねんまえのおう
概要
仮面ライダーOOOの前日譚に当たる小説「アンクの章」に登場する人物。TVドラマ本編でもその存在は語られている。本作はアンクの一人称視点で進むため、『王』という名でしか呼ばれない。
その性格は豪放磊落にして寛大で、極めて欲張りな一面を持つ、まさにオーズになるべくしてなったような男。
大陸の小国出身の独裁者であり、錬金術師の育成に力を注ぎ、持ち前の外交手腕で大国とも渡り合っていた。錬金術師の創り出したオーメダルとオーズドライバーを手にするとその強欲な一面はより強くなっていき、オーズの力による世界征服を目論んだ。しかしその真の目的は単なる世界征服にはなく、神をぶっ倒して自分が新たな神になって永遠に世界を統治するという、仮面ライダーアギトが聞いたらひっくり返りそうなほど遠大な野望であった。
オーズに変身するとその頭脳とオーズの能力を最大限に生かし、逆らう国は全て叩き潰して大陸を掌握する一歩手前まで追い込んだ。
配下であるグリードたちを生かさず殺さずの境遇で利用(ヤミーを作らせてセルメダルを集めさせ、税として徴収させる)していたが、「このままではいずれ殺される」と危惧したグリードたちにより反旗を翻されることになる。しかしアンクと内通し情報を引き出すとオーズの力を使って(グリード四天王が『王』の欲望で創り出した)ヤミーを倒し、更にアンクをも裏切りグリード五人衆を全滅させてコアメダルを全て手に入れてしまう。
しかし、そのエネルギーを人間一人の肉体で保持するのは不可能であり、最後はセルメダルの暴走に巻き込まれて石化し死亡した。
こうしてグリードたち5人は800年の長きに渡り封印されることとなったのである。
その言動や劇場版に登場したガラの発言から、鴻上光生は彼の遠い子孫であることが示唆される。
なお、タトバコンボは『王』が最初に変身した姿であり、最も愛用したフォームでもある。そのため二代目オーズであるTV本編の主人公・火野映司もこの姿が基本フォームとなった。
なお、彼に関する詳しい詳細についてはこちらを参照。
余談
公式からのアナウンスは一切ないが、ファンの間では放映当時から「モデルになった人物は、神聖ローマ皇帝のフリードリヒ2世(1194年-1250年)ではないか」とささやかれている。
地域や状況によって圧政と良心的な政策を使い分ける策略家であり、先進的な思想と極めて寛大な宗教及び文化観の持ち主だったと伝えられている。
(山賊と化したイスラム教徒達に新天地を与える、十字軍遠征の際、ほぼ書状と交渉だけで条件付きの聖地奪還を達成するという、当時の常識からすれば異世界転生かタイムスリップ系主人公のような斜め上である・・・逆に教皇からは2度破門されたが。)
彼が王のモデルとされる要因には、鷹狩りを中心に複数の本を執筆し、象やチーターなど異国の動物を集めて愛情を注ぎ、解剖を含む人体実験を多数行った生物への探究心が大きい。
また、少年の頃から幾つもの言語をマスターし、ナポリ大学を設立して役人や専門家の育成に取り組むなど学問全般にも熱心な人物だったため、「もし彼が非常に貪欲で、動物を基に人知を超える力を欲していたら?」という結び付けがあったと考えられる。