バンシィ・ノルン
ばんしぃのるん
カタログスペック(ユニコーンモード/デストロイモード)
頭頂高 | 19.7m/21.7m |
---|---|
本体重量 | 27.3t |
全備重量 | 48.8t |
ジェネレーター出力 | 4,520kW/測定不能 |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
スラスター総推力 | 185,380kg/測定不能 |
概要
ユニコーンガンダム2号機バンシィを総合性能向上のために改修したモビルスーツであり、新たにリディ・マーセナス少尉がパイロットを務める。
型式番号RX-0[N](この改修によって、1号機との型式番号上の区別が可能になった)。
“ノルン”は北欧神話に登場する、ウルズ・ヴェルザンディ・スクルズの、運命の三女神を示す名である。
改修前のアームド・アーマーBS、VNは、大気圏内戦闘において一定の有効性を示したが、マニピュレーターへの干渉による汎用性低下を招いていたため、これを撤去。代わって、RX-0本来の武装であるビームマグナムとIフィールド内蔵シールドをベースとしつつ、本体と併せて各機能をマイナー・バージョンアップさせている。
なお、ベース機がガルダで回収され(5月1日)てから、本仕様がネェル・アーガマ隊との交戦を開始する(5月3日)までの期間が極めて短いため、各装備は並行開発されていたと考えられる。
機体解説
新規に装備されたアームド・アーマーにより、スペックのみならず、サイコフレームの搭載量が増加させた事で感応波の送受信能力を大幅に拡大させており、理論上はニュータイプや強化人間で無くともデストロイ・モードの起動が可能となった。
まさにニュータイプの不敗神話やジオニズムの完全否定を目指した『UC計画』本来の意図を反映・体現する仕様となったと言っても、過言ではない。
サイコフレームの発光色は、メガラニカ周辺での会敵直後はプルトゥエルブ搭乗時同様に赤みがかった金色であったが、フルアーマーユニコーンおよびネオ・ジオングとの戦闘の中、リディ少尉のニュータイプへの覚醒に応えるように、1号機により近いレッドゴールドへと変化していった。
ネオ・ジオングとの戦闘終了後、ネオ・ジオングとの戦闘終了後、ミネバが演説中のメガラニカに放たれたコロニーレーザーを防ぐべく、バナージとリディはユニコーンガンダムとバンシィ・ノルンのサイコフレームを共鳴させたサイコ・フィールドで防御。当初はリディ少尉のサイコ・フィールドが弱く、僅かながらレーザーを貫通させていたが、リディ少尉が全てのわだかまりを乗り越えた事で、バンシィ・ノルンのサイコフレームも虹色へと輝きを変え、ユニコーンガンダムのサイコ・フィールド・バリアだけでは防ぎきることのできなかったレーザーの残照に対して、最後まで盾としての役割を果たしきった。
その後、コロニーレーザーを防いだ反動で"ユニコーンガンダム【光の結晶体】"という完成されたニュータイプへと至ったバナージが、宇宙の彼方へ独り往こうとするのに追いすがり、裡なるバナージへと呼びかける際にも、虹の輝きを保ち続けていたため、リディ少尉のニュータイプへの素養はバナージと同じ高みまで至っていたのだと推察される。
機能
武装
60mmバルカン砲
頭部に2門装備されている機関砲。
リボルビング・ランチャー
ビームマグナムのアンダーバレルに追加装着された、回転弾倉型マルチプルランチャー。
4箇所の弾倉型プラットフォームそれぞれに異なるユニットが装填できるため、組み合わせによって継戦能力と対応任務の拡張を同時に達成する事も可能。
ユニットの切り替えは外観通りに回転弾倉型プラットフォームを回転させる事で行うのが特徴であり、短所でもある(対称位置のユニットへ変更するには、秒単位のラグが生じる)。
加えて、コックピットのインターフェースにタッチパネルを採用した結果、パイロットの(ユニコーンモードにおける)武装選択操作そのものにも3~4秒という、致命的なタイム・ラグが生じてしまう。
このため、クシャトリヤ・リペアード戦では判断ミスにより敵機の目前で武装を切り替えるという愚を犯してしまい、ビームマグナムごと弾き飛ばされてしまった。
なお、リアスカートラッチに、ビームマグナムのEパックと同様、リボルビング・ランチャー用の予備弾倉も装着できる。
設計思想としては、後年のV2ガンダムのビームライフルに近似している。
ボップ・ミサイル
小型ミサイル。ガンタンクが同名の武装を使用していたが、関連性は不明。
他の弾頭も然りであるが、亜光速で射出されるメガ粒子と比較すると実体弾の推進速度は非常に遅いため、ビームマグナムと織り交ぜて使用する事で時間差攻撃として有効に機能する。
瞬光式徹甲榴弾(MGaAP)
「徹甲榴弾」とは、装甲を貫く硬質弾頭の中心部に、遅延性炸薬を仕込む事で、敵機の内部まで弾頭を潜り込ませてから炸裂させる砲弾を指す。
劇中の描写から、着弾後、高焦点温度の燃焼剤が一定時間燃え続け、装甲を溶融させたのち炸裂する断頭と推定される。
Iフィールド・バリア内蔵シールドに特に有効な武装であったが、残念ながらユニコーンガンダムに対しては直撃を与えられなかった。
マイクロハイド・ボンプ
射出後にそのまま漂う接触式の浮遊機雷。
弾頭がスラスターを有していない(スラスターが発光すると位置を悟られる)ため、大気圏外戦闘専用。
ナパーム弾
ゲーム『EXTREME VSマキシブースト』において登場。リボルビング・ランチャーから発射する実弾武器。
ビームサーベル
パックパックに2本、両腕に1本ずつ装備されている格闘兵器。デストロイモード時にはビームトンファーとして使用することも可能。
シールド
サイコフレームが使用されている実体シールド。Iフィールド発生機を搭載しており、ビーム兵器に対して絶対的な防御力を有する。
ただし原理上、実体弾に対しては通常のシールドとしてしか機能しない(サイコフレーム活性化時には剛性が向上するため、不確定性を残すものの実体弾に対しても高い防御力を持つ)。
このため、(デストロイモード発動中ではあったが)クシャトリヤ・リペアードの放った簡易ファンネルミサイルの直撃によって、下記のアームド・アーマーDEは爆砕されてしまったがシールド本体は使用可能状態で残った。
この直後の更なる弾幕により、バンシィ・ノルンは上述の通り右脚を破壊されている(フル・サイコフレーム機がフレームレベルでダメージを受けた唯一の事例)。
アームド・アーマーDE
「Defence - Extention(ディフェンス・エクステンション)」の略称。
攻防の両性能を強化する増加サイコフレーム兵装。
上記のシールドに被せる方式でマウントし、実体弾に対する二次装甲(Iフィールド発生器を覆う)の役割を果たすのみならず、ウィング部に配置されたスラスターによる推力強化、さらには先端部に配されたメガキャノンがサブウェポンとして機能する。
増速ブースターとしては基本的に背部のアームド・アーマーXC(後述)にマウントして運用する。この状態では、ベースジャバー級の長距離高速移動が可能とされる。劇中ではリディ少尉が左前腕に装備したままスラスターを使用し、フレキシブルバインダー同様のAMBACに利用しながら、拳側のメガキャノンでの攻撃を敢行した。
アナハイム・エレクトロニクスのMSは、『シールドは破損する前提の兵装である』という設計思想に進んでいたが、本装備はむしろティターンズおよび下部組織であるニュータイプ研究所(企業ではなく地球連邦軍内の兵器開発部門)がロールアウトしたガンダムTR-1ヘイズルやガンダムMk-Ⅴのシールド・ブースター、ギャプランのムーバブル・シールド・バインダーに寄った設計となっている。このため、本ユニットのスラスターはティターンズ系モデル同様、戦闘機動ではなく戦地到達移動(初期加速)が主たる役割と考えられる。後述のパワー・ウェイト・レシオの増強は、ほぼ本装備に頼っている=推力に対して推進剤の搭載量が少ない事からも、初期加速で推進剤(爆発物)を使い切る運用を基本とする推測を補強する。
アームド・アーマーXC
「Xeno - Connect(ゼノ・コネクト)」の略称。
バックパックに増設された外装ジェネレーター兼サイコミュ拡張ユニット。
コンパクトな形状ながらもジェネレーター出力1,000kW以上を有する優秀な設計である。
デストロイモード時には鬣(たてがみ)状に展開することで頭部ブレードアンテナと連動し、搭乗するパイロットから放たれる感応波と、敵性サイコ・マシンが発する感応波の送受信能力をそれぞれ増幅させる。これにより、NT-Dの発動が緩和されニュータイプの素養の低いパイロットであってもデストロイモードへ『変身』させられる。
中央ユニットを展開させると、ビームマグナムやアームド・アーマーDEをマウントするラッチが現れる。
“忌むべき技術”とされる『n_i_t_r_o(ナイトロ)』システムの応用技術の一つとされており、バンシィ・ノルンの装備は一部スペックを省いてNT-Dの発動をサポートする為に機能を限定した『表向き』の仕様であり、n_i_t_r_oを有した『本来のXC』はフェネクスに搭載された。
形態
ユニコーンモード
通常状態。
アームド・アーマーDEの恩恵によりパワー・ウェイト・レシオは3.8倍と、次世代機同等にまで向上している。
20m級かつ汎用タイプのMSでこの比率は、驚異的とすら言えるほどである。
インターフェースの一部には、タッチパネルを併用しており、リディがリボルビング・ランチャーの武装選択に用いているシーンが見られる。