概要
青二プロダクション所属。本名:井上 孝夫(いのうえ たかお)
声優としての活動が目立っており、ルパン三世の石川五ェ門(二代目)をはじめ、多くの有名キャラクターを担当してきた。
声質から美男子を多く担当してきたが、時にお調子者の役なども演じていた。
2019年11月29日、持病の狭心症悪化のため死去(満80歳没)。奇しくも自身の81回目の誕生日前日であった。
出演作品について
当時29歳にして初の当たり役となった花形満。だが当時実際に中学生だった古谷徹とは巨人の星収録中、一切眼を合わせる事がなかったという。ところが最終回の収録を終えると井上が古谷に握手を求めて「今まで僕はライバル役だったから 君と馴れ馴れしくすることは避けてきた。これからは宜しく頼む」と感謝の意を示した。これは古谷徹の証言とされており、井上自身曰く「避けていたというよりは、現場で宿題をやっていた年頃の(古谷)徹とはあまりに年が離れすぎていて話題がなく、(年齢的に)酒の席に連れて行く機会も作れなかったから」とのこと。
ルパンの石川五ェ門役は先代の大塚周夫から引き継がれた役である。井上自身はその理由を知らないとのことだが、「Part1では危険な男として描かれていたが、Part2では優男に寄っていっており、恐らく作品の路線変更のためだろう」と自身は語っている。出演時は台詞が少ないことも多く、その中でいかに存在感を出すかを考えていたとのこと。
作品には途中参加だったこともあってか、初代ルパン役の山田康雄が亡くなるまではルパンファミリーの中では最年少だった。役者としてのデビュー時期にはそこまで差がなかったが、年齢の差(2代目峰不二子役の増山江威子は2つ上、他のメンバーは5歳以上離れている)から気を遣うことが多かったそうで、「気を遣っていないフリをして気を遣う。それを数十年もやってきてんだから俺って偉いよな(笑)」と語っている。
同作出演時、既に井上は業界において絶大な人気を得ていたことから、ファンの期待に応えるためギャラの多くを衣装に使っていたとのこと。ルパンのアフレコ時は作務衣を着ていたこともあったと小林清志も語っている。
キャプテンハーロックの役には思い入れがあったとのことで、手術で二週分休演したことを悔やんでいた(代演は徳丸完)。また、CGアニメ版で担当できなかった際は大っぴらではないとはいえ不満を述べていた。
しかしその後アオイホノオのドラマ版で再演の機会を得て、さらに晩年にはスーパーロボット大戦Tでもキャプテンハーロックの声を演じた。これが奇しくも最期の仕事となったが、スタッフとしてはダメ元だったオファーを井上は快諾した。さらに収録後はスタッフに「この歳(80歳)になってハーロックをまた演じられるとは思わなかった。ありがとう」と感謝の念を伝えていたという。
声優外の活動
当時の声優としては普通であるが、井上も例にもれず元々は俳優出身であり、CM出演などもこなしていた。声優としてのブレイク後は出演機会を大幅に減らしたが、ルパン三世降板後は俳優としてドラマへの出演を積極的に行っていた。
同じく同作を降板してからは「伊能 絵巻」名義で作詩活動も行っていて、正式に協会にも名を連ねていた。さらに晩年には僧になっており、僧名としては慈孝を名乗っていた。
PCやインターネットにも造詣が深く、ツイッターではファンと密接なやりとりをしていた他、最晩年にはYoutubeにチャンネルを持ってYoutuberとなってウェブラジオを公開していた。この時は様々な企画を考案しており、それらを実現する前の急死であった。
主な出演作
花形満@巨人の星 | 石川五ェ門(2代目)@ルパン三世 | キャプテンハーロック@宇宙海賊キャプテンハーロック/銀河鉄道999/クイーン・エメラルダス |
佐武(2代目)@佐武と市捕物控 | ヤンマ@ミクロイドS | ピート・リチャードソン@大空魔竜ガイキング |
北野哲@宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち | ゴースト男爵@ユニコ(映画) | スレッガー・ロウ@機動戦士ガンダム(映画Ⅱ) |
マーク・ギルダー(初代)@Gジェネレーション | エラクゥス@キングダムハーツ バースバイスリープ | ザビタン@アクマイザー3 |
神宮寺力@勇者ライディーン | 藤村甲子園@男どアホウ甲子園 | アイザム@闘将ダイモス |
リュウ@原始少年リュウ | ||
トリスタン@円卓騎士物語燃えろアーサー
ウィリアム・A・アードレー@キャンディ・キャンディ
眉月光@侍ジャイアンツ
堀口秀樹(シャーク堀口)@がんばれ元気
氷崎清太郎@家族狩り※俳優としての出演。
外部リンク
公式ブログ『ごえもん坊・慈孝jiquow 「ごえ聴きの部屋」』<声優井上真樹夫&作詩家、伊能 絵巻(いのう えまき)&僧名・慈孝としての情報も掲載>
Twitter『声詩禅(abbr.)@emaqui』