輝く12枚の翼をもつ両性具有。「暁のルシファー」と呼ばれるほどの美しさを持つ堕天使。金髪碧眼で美しき顔と完璧なスタイル。巨乳。
サタンの容姿は小説版によると、美しい音楽のような声、不動明しか見ていない鮮やかなブルーの瞳、信じられないような豊かでまァるい形をした乳房、少年とも少女ともつかない真珠色の美しい身体であるとのこと。
永井豪ワールドの破壊と創世を繰り返す神として、様々な作品のラストに降臨する。
pixivでは「サタン」タグだけでの投稿が多いため、「デビルマン サタン」で検索すると良いだろう。
概要
初出は1972年より連載された漫画「デビルマン」。設定が異なるアニメ版には登場しない。
地球を含む小宇宙を創造した「神」を「親たち」とあおぐ天使で、「暁のルシファー」「天使長ルシフェル」と呼ばれていた。
本編より200万年前、地球の支配種族だったデーモン族を「失敗作」として小宇宙ごと無に帰そうとする神に反乱を起こす。
神の軍勢により滅ぼされかけていたデーモン達にとって、地上に降りてきたサタンはまさに救世主であり、「魔王」を超える「大魔神」と崇められる。
サタンはデーモン達を指揮し、神との戦いに勝利を収めた。その後は、次なる神との戦いに備え、自ら氷の世界に身を沈め、200万年の眠りについた。
本編より2年ほど前、氷の世界から蘇ったサタンは、美しかった地球が新生物「人間」に汚されている様を目撃。その存在を許せず、地上から人間を滅ぼすことに決める。
サタンの計画通り、人類は自滅に近い形で、滅びへの道を辿ることとなる。
しかしサタンには、ただひとつの誤算があった。
明への想い
自分が神の右腕(本人談)という地位を捨ててまで守ったデーモンを大量に犠牲にしてまで明を生かそうとする程の深い愛を不動明に向けている。その愛は記憶を消し、意識を眠らせた際にも明の危機には危険信号を発するほど。自分の女の姿に「不動」と名付ける等、明への執着と愛は異常を越えている。
小説版では明がサタンを美しいと認識していると知った瞬間肌が熱くなり、上気する程興奮していた。また、「私はお前が好きです」と告白したが、フラれてしまい、大号泣した。サタン曰く明の前では何時も美しい姿でありたいらしい。
アニメやOVA等の設定とは違い、原作はどこで明に恋したのかは不明。永井豪直筆の「ネオデビルマン」により、OVA設定のサタンの明への恋の起源はあくまでオリジナル設定であり、原作とは異なることが確認された。(OVAでは氷山で覚醒した際に明の父に遭遇。記憶吸収の際明への父性愛も吸収→恋慕になった。しかし原作者 永井豪の解釈では明の父が海外勤務になる頃には既にサタンが覚醒した後で、明に飛鳥了として出会った後である)。
また、OVAとは違い、飛鳥了として本編開始前に実際に明と過ごしていた事が「ネオデビルマン」で判明。明と出会った際、明が優しいから明の親友になったと述べており(恐らく明に惚れた理由でもある)、その瞬間に明を洗脳し、自分と長年の親友という記憶を植え付けている。この発言から恐らくこの時点ではまだサタンの記憶があると推測出来る。その後ヒッチハイクに二人きりで赴く程仲が発展している。ついでにサタンは飛鳥了という名前と身分は他人から取ったわけだが、明は洗脳される前に了の名前に反応を示さなかった事から本物の方は明と全く面識がないようだ。
サタンは両性具有であるが故明に恋したと述べているが、サタンが記憶を一時的に消し、男の飛鳥了になった後も男の少年 飛鳥了として明に恋しており、両性具有というより、サタンだからこそ明を愛してしまったのだろう。実際、飛鳥了だけでなく、サタンの分身は男女問わず総じて明に強い想いを抱いている。以下がそれである。
「バイオレンスジャック」のスラムキングは男であるのに、当時の女の恋人スラムクイーンよりも明を深く愛しており、「デビルマンレディー」の女性 不動ジュンはサタンの記憶を消しているのに明と出会った瞬間恋に堕ち、男性アスカ蘭も明を見るなり、泣きながら悲しい感情に襲われている。
このような強い愛情を美しきサタンが向けているにもかかわらず、当人 不動明は気づいていない節がある。(「バイオレンスジャック」の不動明はサタンの生み出した理想の存在=偽者である可能性が高いので除外)
明本人はサタンが原作終盤で涙を流した事を明の為だと気づいていない。
ドラマCD「デビルマン伝説」では、アーマゲドンの際、明と戦っている最中も「どうして・・・一緒に生きることは考えてくれないの・・・?」と愛を叫んでいる。その後明は激昂し、サタンか明のどちらかが死ぬまで戦いは続くと怒鳴りつける。その後もなんとか明に共に生きようと泣きそうな声で自分の愛を明へ訴えかけた。
このように明へ重すぎる愛を抱いている彼(彼女)だが、終盤で明は死んでしまう。その事がトラウマとなったらしく、続編で精神分裂が起こってしまう。また、そのまたさらに続編の作品ではその作品全ての話が神の左手(サタン談)であるミカエルの目を欺き、本物の不動明を復活させ、今度こそ明と共に戦う為であった。読者激怒案件である。
実は明と再会する際に髪型を人間だった頃の飛鳥了に若干寄せており、明の情を誘うことも視野に入れていた可能性がある。しかも同じ手口を「新デビルマン」でも使っていたのに。そちらでは飛鳥了の姿そのままで明に会いに行く。明が話し掛けてくる事を待つが明はそのまま無視して行ってしまう。よく見ると明が自分から遠ざかるほど顔が項垂れて行き、眉も下がって行っている。最後には視線を完全に地面に落とし、背中が悲しげであった。アニメ版「AMON黙示録」ではその時の表情が精密に描かれいる。その表情は、悲しみ、寂しさ、悟り等様々な事を覚える見事なものだった。
誤解されがちだが
明を直接殺したのはサタンでは無くサタンの側近 悪魔王ゼノンである。CBによると、不動明は竜と化したゼノンに下半身を食われたらしい。ネオデビで描かれたアーマゲドンの一部では明に光線のような物を浴びせ、その次に明は下半身を失ったので、光線は目眩ましであり、明が怯んだ隙にゼノンが(恐らく善かれと思い、サポートのつもりで)食いちぎったのだろう(そもそも泣きながら(明と)戦いなくないと述べ、戦う最中も明に愛を叫ぶサタンが明を殺すとは到底思えない)。それが相当頭に来たらしく、続編「バイオレンスジャック」では、ゼノンには一時的な合体で、サタンの人格の一部が入りこんではいるものの、「私の暗黒面」「醜い顔(本当に醜いが)」と罵っており、かなり扱いが悪い。さらに「デビルマンレディー」でも作戦の一部ではあるとはいうものの、ゼノンの人格を複数に分け、記憶を消しているとはいえゼノンにゼノン自身を殺しかけさせるといういじめの様な事を行っている。
また、最強のデビルマンである明を殺したというのに、何故か戦いの最中にゼノンは死んでおり、サタンが逆上して殺した疑惑すらある程。
一方、crybabyにおいてはアーマゲドンにて明と月が砕ける程の激闘を演じ、自らの攻撃で明の下半身を吹き飛ばしている(戦闘中に明の片腕や両足を破壊したが、その際には明側についたデビルマンたちが自ら首を撥ねてその身を融合させ、明の手足を復元した)。
美樹への嫌悪と嫉妬
同じく明に恋している牧村美樹を飛鳥了ともども、毛嫌いという言葉では生ぬるいほど嫌悪しており、飛鳥了は(嫉妬で)無意識に美樹を殺しかけ、サタンは「バイオレンスジャック」で、死んだ関係者の内、美樹だけは甦らせていない(登場した牧村美樹は後にサタンが犬を擬態させていたものだと判明)。ジャックで美樹(犬の擬態)と親しくしていたことは、明を殺した贖罪であった。
さらにアニメ版AMON_デビルマン黙示録ではサタンがサイコジェニーを使役し、民衆を洗脳して美樹を殺したかのような描写がある。
OVAの了も美樹にナイフを突きつける(しかも美樹も好戦的な表情)、crybaby版ではもっともらしい理由をつけてはいるが(恐らく本当は嫉妬で)美樹に向けて発泡。
CBでも美樹を「俺と明の仲を邪魔する小娘」と罵り、殺そうとしている(但しサタンの記憶持ち)。サイデビの了も歴代で一番良心的だが、明と通信中、美樹の声がすると車の音で声を遮断している。美樹の声が聞きたくたいのだろう。
美樹も美樹で了に対して思うところがあるらしく、OVAでは美樹も了に対し慇懃無礼である。
crybaby版では美樹が明に対して「そんな人(飛鳥了)について行くな」、(両者共に一番穏やかな性格になっている)サイデビ版ですら「あの人(飛鳥了)は冷たくて苦手」と発言。
原作では明がいる海水浴以外で関わってすらいない等、仲は険悪。
上述の通りサタンが再構築した世界では美樹がいない、美樹が幸せになる世界線「デビルマンG」ではサタンも飛鳥了も原作とは違い明と繋がりがないなど、本人達という視点でもメタ的な視点でも互いに相容れない関係。
反面、レディーで自分の弟にしている男が美樹の弟だったと判明。美樹のように明に愛されたいという憧れがそうさせたのだろう。
性格
小説版から見ると、結構女王様気質。側近曰く、「不動明しか見えていない」とのこと。不動明にフラれて号泣した後、過去に見ないほど弱った姿になったとか。また、明の前では何時も美しい姿でいたいらしく、乙女である。
また、飛鳥了の時は記憶を消しただけで、人格操作はしていない為(そのため再度 不動明に恋する羽目に)、あの時の性格はサタンそのものである。飛鳥了の時に明に対して猫を被っている節があるので、サタンもなのだろう。
飛鳥了の時と同じく、恐らく好戦的な性格でもある。
更に実写やアニメでは、原作やドラマCDと異なり、愛しの明と戦うときも笑っている等も時折笑顔を見せており、戦闘狂の節も。
明に恋したきっかけ
前述の通り、きっかけ自体は原作では不明(外伝曰く、恋した理由は明が優しいから)だが、一応他の作家の作品では興味深いきっかけがある。
例[漫画版[AMON_デビルマン黙示録]]
創世記に、あるデーモンと仲良くなり友達になる→そのデーモンに似ていた明を見かけ、興味から近づいたら惚れてしまった。
サタンが明の為だけに犠牲にしたデーモン達と人間達
デーモン側
生け贄
勇者アモン;デーモン族最強とも呼ばれる。明をデーモンの世界でもサタンと共に生きれるよう、洗脳されて不動明と合体、犠牲になった。
殺害
妖鳥シレーヌ;恋人のアモン(CBやゲッターロボとのコラボによると、一応原作もアモンと恋仲だったらしい)を犠牲にされた挙げ句デビルマンを強くする為の八百長試合の犠牲に。
カイム;シレーヌに片思いの優しいデーモン。シレーヌを助ける為に見参した。
ジンメン;恐らくサタンが明の恋人(本人談)のサッちゃんを殺したいが為だけに使役された。
ラムバ;何故使役されたのか一番謎。使役する理由がないデーモン。故に一番可哀想。
ミケ;アモンの元恋人の一人。恐らく実質 不動明がアモンになってしまったという理由で、恋人であるミケは消された。
過去デーモン;新デビルマンで、サタンが明とイチャつきたいが為に過去にタイムトラベルした際に、明とタイムトラベルする理由付けの為に、ミケ同様にサタンに使役され、過去に転送されたデーモン。
パワハラ
悪魔王ゼノン不動明の為に部下を犠牲にする事をサタンから強要される。その後ゼノンがアーマゲドンで明を殺したらしく、それ故か続編バイオレンスジャックでは罵られ、さらなる続編デビルマンレディーでは、サタンがジャックで自身に課した明が死んだ事への自責故の拷問に似た事をやらされている。さすがに部下の犠牲については終盤でサタンに直接苦言を呈し、ドラマCDでは激怒している。
人間側
(本物の)飛鳥了の父;サタンが明にアモンの地かを与えるきっかけとして殺された。
牧村美樹;明関連でサタンから嫌悪されており、サタンが明の居場所を自分の所だけにする為に殺害。さらに外伝で過去にもサタン(というか飛鳥了)に嫉妬で殺されかけていたことが発覚。また、CBではサタンが嫉妬からまた美樹を殺そうとし、ジャックではサタンが犬を擬態させて美樹としていたのみで、復活すらさせてもらっていない。人間側一番の被害者。
牧村家;美樹よろしく不動明を手にいれるため殺害。
サッちゃん;(自称)明の恋人(明も否定していない)。小説版によるとオーストラリア人とのハーフ。明の恋人故か、ジンメンに殺された。一応レディーで救われた。
余談
サタンは緊張すると凄くしかめっ面になる。
「新デビルマン」でも「デビルマンレディー」でも
明と会う時の最初の一コマが怒っているかの様な表情だった。反対に飛鳥了だった時は緊張すると顔をひきつらせながら笑っている。サタンは本来なら了の様な緊張の仕方なのだろうが、神様時代に何かあったのかもしれない。
スターシステムの為、デビルマン関連以外にも様々な作品に飛鳥了として登場するが、必ず明とセットであり、サタンは世界を創ることが可能なので、恐らく明とイチャイチャしたいが為にそれらの世界を創っている(要するにオナニー)。外伝新デビルマンでも飛鳥了の状態で無意識に力を使い、明と二人きりのタイムトラベルを行っており、これもデーモンの過去の活動を阻止する為とは発言しているが、そもそもわざわざデーモンを過去に行かせたのもサタンである為、明らかに不動明とイチャつきたいだけである。
関連動画
ニコニコで「サタン様の水着」で調べれば視聴可能。一挙一動に美しさと色気があり、腰つきと腰の動きがとてもエッチ。男性なら股間がデーモン化するだろう事請け合い。
主な登場作品
『デビルマン』(漫画) - 上述。アニメには登場しない。
『バイオレンスジャック』 - 事実上『デビルマン』の続編にあたり、ラストに登場する。
『デビルマンレディー』 - かつて「暁のルシファー」と呼ばれ、不動明の親友にして最大の敵だった存在。地獄の底で氷漬けにされていた「暁のルシファー」と「悪魔王ゼノン」の融合体としても扱われる。
『デビルマンサーガ』 - 「暁の明星 ルシファー魔王(サタン)」として、鎧を纏って冒頭に登場。
『デビルマンG』:外宇宙人の血を引くデーモンとして登場。飛鳥了ではない。
『CBキャラ』
『DEVILMAN crybaby』- 漫画版同様、明を愛しているが、自身はその感情が愛であることに気付いていない。
関連人物
あしゅら男爵 - サタンが横割りなら、こちらは縦割りの両性具有。
大魔人ユラー - サタンが「悪魔王を超える大魔神」なら、こちらは「地底魔王を超えるマグマの神」。
火のエル - サタンと同じく古代にて地球人を滅ぼそうとする同胞に反乱を起こし、現代にて主人公に戦う力を与えた高位の天使。
アポロニアス - サタンと同じく地球人を圧迫する同胞に反乱を起こした高位の天使ならぬ天翅。
悪魔ほむら - 海外で特にサタンの影響が指摘されている。
ブルー(プリキュア) - 他作品における、本編前に地球を外敵から守り、本編序盤にて主人公に人類の敵と戦う力を与える神様。また、サタンが「人間の少年に恋する神様」なら、こっちは「人間の少女に恋される神様」と対称的なところもある。
夜神月 - サタンがとった作戦と同様の作戦を駆使した場面がある。(おそらくパ・・・オマージュ)