「弱い奴が負ける。それだけの話だ。」
「……世話になったな……先輩」
プロフィール
概要
近界最大の軍事大国である神の国アフトクラトル、玄界(ミデン)遠征部隊に所属する軍人。
「角付き」としては最も若い世代で、安定性・トリオン拡張性共に過去最高である。
ヴィザと共に金の雛鳥・雨取千佳を捕獲するべく、三雲修達の前に現れる。
人物像
堅苦しい口調通りの生真面目な性格。
目上の者(ヴィザや陽太郎)に対しては敬意を払うが、格下と見た相手(エネドラや小南)には尊大な態度を取る。
普段はクールぶっているが、褒められればドヤ顔になり、烏丸の嘘に騙されると愕然とした表情を浮かべると、結構表情豊かである。
冷静であれば、物事を客観的に見れる観察力があり、三雲隊やボーダーに対する戦力分析も的確。
ただ、自国への忠誠心からか、口にする際にはトゲのある言い方をする。
活躍
ヴィザとの連携でレイジを撃破したが、途中で現れた遊真によってヴィザと分断され、迅と交戦する。
この時点で、修にマーカーを埋め込み居場所を知らせるという次善策を打っており、大局的には時間稼ぎだけでも十分だったはずなのだが、迅の言葉と未来視のサイドエフェクトに翻弄され、焦って攻撃した事で逆に大きく足止めされてしまう。
そうこうしているうちにレプリカの活躍で部隊は強制撤退する事になるのだが、彼は回収されずにこちらの世界に置いて行かれてしまう。
そして戦闘終了後は、相手をしていた迅の勧めで捕虜としてボーダーに捕まる。
その後は玉狛支部の監視下に置かれ、B級ランク戦ROUND3からは支部のモニターで三雲隊の対戦を観戦している。
1度は本部に招集され、エネドラが仲間に殺された事も知らされたが、アフトクラトル本国の情報に関しては頑なに黙秘を貫いている。
というのも、彼は隊長のハイレインよりも直属の主君である「エリン家の当主」に忠誠を誓っているため。しかし、ハイレインはその人物をマザートリガーへの生贄である神候補にしようとしており、事前に抵抗戦力を排除するために彼をこちらの世界に置いて行ったのである。
彼自身がこうした企みをどこまで知っているのかは不明だが、一刻も早くアフトクラトルへ帰国したいと考えており、そのために近界の地図などの脱出道具をアクセサリに偽装させて隠し持っている。
そして、ガロプラの襲撃に対する対策で見張りが寝落ちした陽太郎だけになった隙に脱走し、隊員のレギンデッツへ接触する。
しかし、ガロプラには捕虜の抹殺命令が下されており、同行しての帰国が叶わない事を知ったため、B級ランク戦ROUND4の際に迅と交わした賭けの権利を使い、彼の提案に乗って三雲隊へ参加する事でボーダーの遠征部隊に加わりアフトクラトルへの帰国を目指す。
なお角については、角のない姿のトリオン体に変え、日本人離れした外見はカナダ人という事にしてごまかしている。
もっとも、あくまで自国への忠誠が最優先のため、情報提供は他国に限定するとしており、さらに修からの指示も妥当性が感じられなければ無視すると明言している。
とはいえ、B級ランク戦ROUND6と同日に入隊した後は、5人制バトルロイヤルでの4連勝+個人戦でC級3馬鹿を蹴散らして即日B級昇格決定というボーダー史上初の快挙を成し、さらにB級攻撃手相手に連勝を重ね、生駒達人とほぼ互角、太刀川慶にも1本は取る、と実力の高さは示している。
その後は、来るB級ランク戦ROUND7での秘密兵器となるべく支部内で修練を積んでいる。
ボーダー内では近界民である事を隠す為、玉狛のエンジニアで同じく近界民のミカエル・クローニンの親戚ヒュース・クローニンを名乗っている。
またクローニン姓を名乗っているのは、林道支部長から本部に所属している隊員の中でも、近界へ遠征に行った事のある隊員へのヒュースが近界人であると言う隠れたメッセージであり、近界へ遠征に行った事のある東は修へ後にこのメッセージの事を教えた。
デビュー戦のB級ランク戦ROUND7では、点を効率よく稼ぐために遊真との合流を優先。遊真と合流した後は戦場となるショッピングモールの電気系統をコントロールするために、1人浮いていた太一を強襲し倒した後は、遊真と共に戦闘していた影浦隊と鈴鳴第一ら元へ行くと自分がランク戦のデビューである為、自身の手の内を他の部隊が知らない事を利用し、バイパーの弾道変化を使わずアステロイドの様に使ったり、自身のトリオン量の多さによってエスクードの欠点を気にする事なくエスクードを自在に使用し、遊真との息のあった連携で影浦やゾエさん、村上らを倒した。最後は東によって倒されるも、直前に放ったバイパーによる射撃で東の脚にダメージを与え、その後千佳にメテオラでの爆撃を指示する事で生存点を獲得に成功した。
しかしROUND7で実力者相手に大暴れしたことで本部の人間に不信感を与えたらしく、試合直後にC級隊員の間で彼の正体は近界民であるという噂が流布した。
そこでメディア対策室長の根付と東が「ヒュースは玉狛エンジニアのミカエル・クローニンの親戚であり、迅が抜けた後の玉狛第一に編入するつもりで玉狛で秘密裏に訓練を受けていたが、迅がS級隊員ではなくなったために第二にスライド編入することになった」というウソの噂を流すことで凌いだ。
また、千佳は本当は人を撃てるのでは?という疑問を兼ねてから持っており、ROUND7から数日後その疑問を彼女にぶつけた。その時は彼女が青ざめて震えだしたので一旦追及をやめたが、このことは千佳が人を撃つ決意をする切っ掛けとなった。
今回は仲間とかなり引き離された場所に転送されてしまい、犬飼・生駒・水上・南沢・弓場・帯島の7人に袋叩きにされる羽目になる。しかし宇佐美の的確な支援もあり解説の王子に「なんであれで死なないんだろうね……」と絶賛されるほどの粘りを見せた。
戦闘能力
蝶の楯(ランビリス)
アフトクラトルでも最新と言われるトリガーで、磁石のような引力・斥力を放つ多数の三角形の結晶体を操る。
結晶体は一欠片単位で操作可能で、結集させる事で様々な形状を取れるのが特徴。
作中では、「弾丸を反射する盾」「球状の防御陣」「銃」「レール型の加速装置とその補助を行う羽」「スパイク付きの車輪」「近距離戦用のブレード」等が確認されている。
結晶体は相手に直接埋め込む事も可能で、埋め込まれた相手が結晶体の作る磁場に入ると身動きが取れなくなり、さらには発信機の役割も果たす。
補助・援護能力に特に優れているが、迅のエスクードを破壊し、レギンデッツを瞬殺するなど攻撃性も十分であり、状況を選ばない万能型のトリガーと言える。
もっとも、それだけに扱いが難しく、実際このトリガーをコピーした改造体ラービットは機能を持て余している。
それを自在に操る事が可能な点も彼の実力の高さと言えるだろう。
パラメーター(角トリガー装備時)
トリオン | 攻撃 | 防御・援護 | 機動 | 技術 | 射程 | 指揮 | 特殊戦術 | トータル |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
18 | 12 | 24 | 13 | 9 | 4 | 6 | 10 | 96 |
ボーダーのトリガー
当然ながら「蝶の楯」はレギュレーション外で使えないため、遊真と同様にボーダー所属後はこちらを使用。
C級時は弧月を使用。剣術はヴィザから習ったもので、ブランクがあるせいで勘が鈍っていると言いつつも、攻撃手上位陣とも渡り合っている。
B級昇格に伴いバイパーとエスクードを追加したが、エスクードは三雲隊に足りない要素を補うためらしい。実際ROUND7にてエスクードを利用した戦術を多々披露し、得点に大きく貢献している。エスクードに関しては本人が迅からは教わりたく無いと言う理由から、同じ玉狛支部の烏丸から教わっている。
バイパーは上級者向けゆえにすぐには扱いきれていなかったが、その時点でも遊真相手に8-12と接戦になる程の実力がある。後にバイパーに関しては烏丸からは、「那須さん程では無いが毎回キッチリと弾道を操作出来る」と言われており、ROUND8では隠し球として一度の射撃で生駒に命中させて彼を倒し、更に自身を狙って来た南沢の2人を一度に倒そうとした。
トリガーセット
メイントリガー | サブトリガー |
---|---|
弧月 | バイパー |
旋空 | エスクード |
シールド | シールド |
FREE TRIGGER | バッグワーム |
※ROUND7ではメテオラも装備。
作者のキャラ評
マグネティック若造【ヒュース】
最新のトリガーを操り、若くして遠征部隊に入っている相当の実力者なのに、迅とマッチングしたせいで下っ端っぽく印象操作された不遇のエリート。「角付き」で実戦配備された中では1番新しい世代で、安定性、トリオン拡張性も過去最高の逸材だが、うつ伏せにしか寝られないという重すぎる業を背負っている。生きろ。
(JC8巻 カバー裏より)
フロムカナダ【玉狛ヒュース】
迅に挟まれたのを根に持っている角つきカナダ人。自分がやられて嫌なことを他人にやっていく勝負師の鑑。軟禁時は小南や陽太郎・烏丸とボンバーマンで遊んでいたが、角なしトリオン体を作ってもらって以降は行動範囲が広くなり、陽太郎と一緒に外で買い食いしたりしている。おまえ本当に捕虜か?今興味があるのは、うな重とお好み焼き。
(JC20巻 カバー裏より)