『バックします……バックします……バックします……』
「ソノ顔ダァァ…!!」
「ビゲソ・ゲギゼギ・ビゲソ!(逃げろ、精々逃げろ!)」
「ゴセンゲ・バババサ・パビゲサ・セバギギ!(俺の背中からは逃げられない!)」
データ
身長/202cm
体重/196kg
登場話…EPISODE 15「装甲」 EPISODE 16「信条」(人間態はEPISODE 14「前兆」で登場)
概要
ヤドカリの能力を持つグロンギの怪人。人間態・怪人態を問わず頭にバンダナを巻いている。自称「ガブルンゲ・ババゾロ・ヅゴドボ(悪夢の背中を持つ男)」。
一見、ヤドカリではなく別の虫のように見えるデザインだが、よく見ると目元がハサミ、顳顬にある筋がヤドカリの脚になっている。
身体を何かで隠して(包んで)おくことを好む性格で、ヤドカリが殻に籠るように人間の乗り物である自動車に潜り込み、それを操って殺人を重ねた。
リント(人間)をつぶすことを至上の喜びとしており、古代においては巨大な石のローラーで人間を轢き殺していたらしい。また、“悪魔の背中を持つ男”という異名の通り、敵や獲物を攻撃する際には、背中を向けて後ろ向きに襲いかかるという風変わりな習性を持っている。
接近戦では、胸の鎖を的に巻きつけ、両手のカッターで敵を切り裂く戦法を得意としている…のだが、両腕のカッターは実はハッタリで、敵の足にしがみつく事しかできない最弱の怪人である。
警察の公式発表では、未確認生命体第24号。
劇中での行動
第14話にて、メ・ビラン・ギがズ・ゴオマ・グに侮辱されている最中、不意に目の端に留まったワゴン車に乗り込む。
そして唐突に動かし始めると『バックします』の音声を響かせながらワゴン車をバックさせ、後方にあった別の自動車と衝突させてしまう。だがこれで天啓を得たのか、安全第一の腕章を素肌に刺して私物化という奇行に走り、恍惚の表情を浮かべる。
(なお、運転に慣れていなかったのか、雨も降っていないのに適当に弄ってワイパーも動かしていた)
15話から始まったゲゲルでは、バックで後進しながらラ・バルバ・デとズ・ゴオマ・グの所へ現れる。ゴオマからリントの作った物に入っていることを罵られた際はクラクションで反撃し、ゴオマを悶絶させた。「これは、これで、良いんだ」と片言の日本語で喋っていたため、かなりトラックを気に入っていた模様。
その後、東京都三鷹市で殺人を開始。被害者を轢殺した後、何度も何度も轢き直すというどう考えても日曜朝8時の子供向け番組でやることではない殺人方法に視聴者を戦慄させた。女性3人を標的にし、バックしながら行き止まりへと追い詰めていく。壁とトラックとの間に女性たちを挟みこむとトドメと言わんばかりにアクセルを全開にし圧殺した。
駆け付けたクウガをバックして轢き殺そうとするが避けられてガスタンクに突っ込んでしまい、慌てて全速前進して回避するもクウガはドラゴンフォームに変身してトラックを躱す。降りてクウガを捜すがドラゴンフォームの素早さに翻弄された挙句ガスタンクに投げ込まれ、あえなく爆死……
…したかに思えたが間一髪でマンホールに飛び込んでガス爆発から逃げおおせており、下水道を通って逃走し別のトラックを盗んでさらに5人を殺害。
遅れてやってきたクウガとの再戦では、トライゴウラムの必殺攻撃「トライゴウラムアタック」によってトラックを通じて封印エネルギーを送り込まれ、トラックもろとも爆死した。
派生作品
『仮面ライダーディケイド』では、クウガの世界の純血グロンギ「未確認生命体第7号」として登場。
第2話では原作とは打って変わってパトカーをひっくり返して大暴れする。しかし駆けつけた小野寺ユウスケの変身したクウガと格闘戦になり、ドラゴンフォームのスプラッシュドラゴンを胸に受けて爆死した。
第3話では蘇ったン・ガミオ・ゼダに殺された通行人がギャリドに変身してディケイドとクウガに襲い掛かるも、ガミオの攻撃の誤射で爆死し、逃げようとした1匹もガミオに無理矢理吸収されてしまった。
漫画版
全体的にTV版と大きく異なっている。
『てれびくん』版
小学館の児童誌『てれびくん』に連載されたコミカライズ版ではトラックに乗ることはなく、さらにTV版よりもアクティブな一面を見せゴウラムを破壊するために行動を開始。ゴウラムを調査していた沢渡桜子の元に現れ、夏目実加を人質にゴウラムの引き渡しを要求するがゴウラムが復活したためあえなく捕縛され、そのまま雄介はクウガに変身、タイタンフォームのカラミティタイタンを受けて倒された。
『HEROES』版
人間体は天井・壁を上るといったアクティブな行動を見せ、性格もよりサディスティックになっている。
また、怪人体はTV版に対し、よりヤドカリの意匠が増しており(目柄がある等)、腕のカッターも実戦で頻繁に用いられている。
今作ではゴ集団に昇格するため、先にゲゲルの資格を得たメ・ギイガ・ギに対し度々妨害を仕掛ける。ゲリザギバス・ゲゲルが近づいていることを知ると、ギイガを過熱状態にさせて自滅させようとしたが、ギイガが暴走した為に逃走。そこで会った一条薫に襲い掛かるが、ゲゲル以外の殺人は禁じられている為、彼を半殺しにしようと襲いかかる。しかし、背を見せた隙を突かれて神経断裂弾を撃ち込まれて爆死した(TV版のラ・ドルド・グとは異なり、怪人体の状態での死亡となった)。
尚、今作でもトラックに乗ることはなかった。一条の車を奪って彼をひき殺そうとはしたが、前述の理由で取りやめた。更には一条のパトカーによって轢かれるという、TV版とは逆の展開となっている。