諸星弾
もろぼしだん
概要
「僕の名は、諸星弾。ウルトラマンだ」
漫画『ULTRAMAN』ではウルトラセブンが地球に訪れなかった世界を舞台にしているが、科学特捜隊の隊員にこの名を持つ青年が登場する。
普段はメイン画像のように眼鏡をかけ、スーツを着用しているが、悪の宇宙人相手にウルトラマンスーツver.7(通称セブン)を着用して戦いを挑む。
基本的には飄々とした言動が特徴的なイケメン。
ただし、過去に何かあったのか、犯罪を犯す宇宙人相手には(たとえ同情するような理由があろうとも)情け容赦なく処理する冷徹な一面を持っている。科学特捜隊に協力しているゼットン星人・エドのことも完全に信用している訳ではないようだ。
あくまで犯罪を犯した宇宙人だけを憎悪しているだけで、アニメでは進次郎を睨んできたセペック星人を「気性が荒いが気のいい奴だ」と紹介している。
だが、本来善良な星人が無理やり悪事の片棒を担がされている場合も、決定的な証拠がなかったり救済の手段が確立されていない限りは被害を抑えるためという名目のもとに抹殺する傾向があるため、『戦姫絶唱シンフォギアXD』でのコラボイベント『弾ける光と正義の賛歌』ではシンフォギア奏者たちとの対立を招いてしまう。
生まれながらにして『ウルトラマン因子』を持って産まれた進次郎に対しては、力を持っていながら(初期の)ウダウダ悩んでいた態度とも相まって、彼を嫌っているような節が見受けられる。ただ、それは異星人事件に対処するプロ意識故のものであるようで、口調は辛辣ながらも足下が定まっていない後輩である進次郎に助言を与えたり、異星人の街へ進次郎を案内して見学させるなど、先輩として面倒見の良い一面も見せている。
一方でアイドルである佐山レナと仲良く会話している進次郎が、(思春期故にアイドルと交流を持つことに期待する気持ちを理解しつつ)自分がウルトラマンであることをうっかり喋ったりしないように、遠くから露骨に殺気を放ちながら「余計なことを喋ったら殺す!!」と、スペシウムソードのおまけつきで脅している。
進次郎も諸星に対してはやや苦手意識を抱いている部分はあるが、基本的に頼れる先輩として彼のことを信頼してはいる。
第42話で、実は地球人ではなく別の星で生まれ育った異星人であることが判明し、進次郎に大きな衝撃を与えた。
レイという弟がいたらしいが、幼少期に異星人のテロリストに連れ去られて、それ以降消息不明になっていた。このこともあって悪の異星人に対する怒りや憎悪を抱くようになった。
そのレイが犯罪組織「暗黒の星」に殺され、仕事でへまをしでかし重傷を負った宇宙人に身体を乗っ取られていた事を知り、当初は普段の彼からは想像も出来ないほど動揺していた。しかしあくまで弟の姿をしただけで全くの別人…それも平気で侵略行為を働く『(諸星曰くの)クソ異星人』だと分かった途端、覚悟を決めて抹殺に入る。諸星に全く歯が立たなくなり、レイの姿をした宇宙人は自身の姿を利用して命乞いを図るも、諸星は『レイの兄として、レイの気高い命の尊厳を守る』ために、最愛の弟の体を乗っ取った宇宙人を葬り去った。
宇宙人且つ身体能力は高いとはいえ、ウルトラマン因子を持つ早田親子に比べたら一般人並みであるため、高所から落ちても平気な彼らに宇宙船から飛び降りようと提案されてツッコむ場面もある。
また、北斗に「兄さん」、獅子兄弟に「兄貴」と呼ばれ、「僕に(レイ以外の)弟がいたか?」と大真面目に訊くなど、天然な一面もある。
余談
単行本に掲載されたあとがきコーナーで、作者でありウルトラシリーズが大好きと公言している清水栄一&下口智裕の両氏にも暗に示唆されているが、この諸星弾については、そのキャラ造詣や由来、立ち振る舞い、さらに装備しているセブンスーツや戦闘スタイルも含め、清水・下口コンビの作品である『鉄のラインバレル』の森次玲二の印象が強いとされている(森次の名前はウルトラセブンでモロボシ・ダンを演じた森次晃嗣氏が元ネタだったり、『超常的な才能・戦力を持つが未熟な主人公』(=進次郎/ウルトラマン)に対し、『多彩な武器と極まった練度の高さで敵と戦うプロフェッショナルな先輩』(=諸星/セブン)であるところなどは、そのまま『鉄のラインバレル』における主人公の早瀬浩一/ラインバレルと森次/ヴァーダントの関係に近かったり、など)
モーションコミック版で彼を演じた関智一氏は過去にガルト星人、グレンファイヤー、イカルス星人と言ったセブンと関係が深いキャラ(それぞれ平成ウルトラセブンのラスボスの片割れ、セブンの息子の仲間、別作品における同族)を演じている。
また、アニメ版で声を担当した江口拓也氏も『ギンガS』にて、セブンと戦ったことのある宇宙人の同族を演じている。