概要
『卑劣』はそのまま卑劣(卑怯)を、『漢』は男性を意味し、『卑怯者な男』『卑劣な男』という意味合いで用いられ、『自分の私利私欲や目的の為ならマナーやルール、モラルや法律等で考えれば禁止(禁忌)となる手段(方法)でも躊躇なく実行する男』がこう呼ばれる。
主に悪役(悪者)として登場する為、作中でその報いとして主人公達に敗北したり成敗されたり、自業自得や因果応報な結末を迎えたり、残酷な末路を辿るのが定番だが、『卑劣』なだけあって立ち回りや美味しいとこ取りに秀でたズル賢い奴が多く、中には作中での悪事(悪行)や卑劣(卑怯)な行いの報いを一切受けず、読者や視聴者、プレイヤーを不快にさせたまま勝ち逃げのようにストーリーからフェードアウトする者もいる。
また、他の悪役の様に人格を歪ませるきっかけとなった『哀しい過去』なるバックグラウンドを抱えたり、そいつなりの矜持に基づいて卑劣に徹しているかのような者も少なくもないが、大体はそいつ自身の行いが招いた自業自得がきっかけの逆恨みだったり、その実ただの身勝手な屁理屈だったりと、やはり同情の余地がない連中が大半である(勿論、中には本当に哀しい過去を抱えた者もいる)。
その性質上、普通な悪役よりも改心させるのは容易でなく、仮に改心した場合でも、それまでの行いを見た周囲の作中人物や視聴者・読者・プレイヤーは「本当に改心しているのか?」「何か裏があるのか?」と疑心暗鬼や、「このまま許してしまってもいいのか?」等と釈然としない想いに駆られる事が少なくない。
ただ、組織のリーダー格を含めた上層部の場合、不利な点をカリスマ性と頭脳によって揉み消すのは『当然な仕事』と言う場合もあり、組織に取ってはメリットにはなる。
なお、組織の利益となる方策には、往々にして卑怯・卑劣にならざるを得ない策略も当然あり、そう言った策は高潔な人格者には出来ないが、卑劣漢にとっては容易く行える為、組織の汚れ役として重要な存在であり、上に就く者にとっては必要悪として重宝されるケースもゼロではない。
更に言えば効率の1点だけで見れば、無駄が非常にない策略(=敵対者の親族や非戦闘員を人質にする、敵対勢力のシンボルとなる『歴史的オブジェクト』等を破壊する等)を立案する時もあり、参謀と言ったポジションで有能な一面もあるにはある。
但し、その性質上『人望』と言う概念には無縁な者ばかりである為、組織から見て「用済み」になったり、クリーンを装う必要が生じた場合は、容赦なく切り捨てられるケースも多い。
これ以外にも快楽や野望の為には、卑怯なやり方を平気で使うサイコパスだが、逆に自分が本気を出す際だけは割と堂々と戦う野心家やダークヒーローもいる。このタイプは武人肌や騎士道精神の持ち主でもなければ卑劣漢でもない。
また、味方や悪ではない人物が該当するケースも少なくなく、その場合は悪役程の凶行は行わない代わりに、常識を疑うような自己中な行動に走って周囲をかき乱すトラブルメーカーとして登場する。
読者や視聴者、プレイヤーを不快にさせる事に定評がある為に吐き気を催す邪悪、極悪人に分類される人物・キャラクターが大半だが、中には『性格ややり口が卑劣や卑怯ではあるが、人としての一線を越えていない』『卑劣・卑怯な手を厭わないが、それをやる度に必ずしっぺ返しを受ける』『仲間を始めとした全体の為に手段を問わない』等の理由で憎めない悪役、愛すべきバカに分類される者もいれば、更にはその力を反則じみたスペックで自分の好きなように使えるということで、ある意味でそれも卑劣漢に含まれる。
但しどう言う因果なのか、卑怯・卑劣な行動が一定以上を振り切ると、それが魅力と転じカリスマ性に変わるケースもある。恐らく、法的・倫理的にしてはならない行為を彼等がする事で、ユーザーの代替行為となって爽快感に繋がっているからではないのかと推測される。
該当する人物・キャラクター
卑劣漢一覧を参照
関連タグ
卑怯(卑劣) 悪徳 最低 外道 ジャップオス 卑怯者 ゲス 人間のクズ 小悪党
吐き気を催す邪悪、極悪人、汚物:類義語に等しい蔑称で、この記事に記載されているキャラクター・登場人物の大半が持っている要素。
サイコパス:基本的に卑劣漢の上位互換で、度が過ぎればこれになる。
憎めない悪役:こちらのタイプも少なくはない。
井上敏樹、井上キャラ:特撮で卑劣漢が出たら、まずこの人物が脚本に関わっていると疑っても良い。実際に草加雅人やラディゲもこの人物が創作した。稀に自分が関わった作品をノベライズ化するが、原作者が原作レイプをするような改編になっている。
騎士道精神、武人肌、黄金の精神:卑劣漢とは正反対な人物・キャラクターが持っている特徴で、これらの持ち主は卑劣漢を非常に忌み嫌う傾向が大変強い。両者の利害関係が一致する以外、両者が絡んだりわかり合えるは絶対にない。
義憤:登場人物だけでなく読者・視聴者・プレイヤーが卑劣漢に対して湧いてくる怒りの感情はこれに分類される。
間男:目的の為なら『目的である女子をレイプする』『その女子本人やその女子にとっての大切な存在を脅かすような脅迫行為を行う』『道具や魔法を使って女子を洗脳する』といった卑劣そのものな手段を実行するのが定番で、悪事の報いを受けることは一部の例外を除いて皆無に等しいのがお約束になっている。