真体機神降臨ΑΦΡΟΔΙΤΗ
プロフィール
概要
「星間都市山脈オリュンポス」で登場。
機体名は「知性体教導用大型端末・霊子情報戦型攻撃機」。
存在そのものは『Fate/EXTELLA』で語られており、『Fate/GrandOrder』で姿が明確に判明した。
異聞帯の歴史においてはオリュンポス十二神の「支配派」に属し、リーダー格のゼウスと共に共生派の神々を討ち滅ぼした。
人物
美と愛を司る神ではあるが、異聞帯では慈愛に満ち溢れた面は感じられず、傲慢で冷酷な振る舞いが目立つ。しかしながら、興味を持った相手に対しては多少の無礼を許すこともあるようだ。
他のオリュンポス十二神同様に機神としての本体を所持する一方で、平時はアバターである人型の躯体で活動している。
イラストを見る限り、喫煙者である様子。
容姿
ローマ帝国の礎となった神の一人とされる為なのか、容姿は水着のネロによく似通っている。背中からは赤い4枚の翼が生え、髑髏が飾られているのが特徴。
髪の色は赤毛と黄色のツートンカラーで金星の別名である「宵の明星」を思わせる。
ギリシャ神話に語られる美と愛の女神、その真体は後述の権能をもって人類を導く教導艦である。
その骨盤と真珠貝を合わせたかのようなフォルムは不気味でありながらどこか美しさを感じさせ、彼女が星座になった姿である魚座や彼女の聖獣である白鳥の翼のようにも見え、なんとも形容しがたい。また、デメテルやアルテミスに存在していた顔のような器官が確認できない。真珠のような発光体が目なのだろうか?
能力
美と愛の権能を司るが、その正体は人類のいう愛(LOVE)などというロマンチックなものではなく、人心を支配する権能である。
史実の伝承においても、アフロディーテは魔法の帯によって他者の心を支配できると伝わる。
原理としては、知性体の頭脳に働きかけて認知や感覚、価値観を支配する精神汚染の一種で、人によっては歌のように聞こえるらしい。
彼女の権能で狂わされたサーヴァントは、自分がかつて対峙した存在と味方を混同するなど記憶にも干渉されるようで、破神同盟の半数はこの力で同士討ちを強いられ全滅。
カルデアを交えた新たな破神作戦の際も、武蔵とホームズがこの権能で一時敵対状態になったが、カリギュラの宝具により効果が中和され事なきを得た。
しかし、その一方で主人公は、精神を破壊されかける程の大ダメージを受けてしまっていた。
汎人類史における愛や美を司る女神という伝承も、やはり彼女の他者を支配する権能によって築き上げられたものである可能性が高い。共生派の神々との戦いでもデメテルの再生を司る権能と共に猛威を振るったと思われる。
機神状態では発光体から魔力弾やビームを撃ち出すが、基本的には上記の精神干渉がメインであり、物理的な切った貼ったの戦いは神々の中でも不得手としている。
保有スキル
美の権能(A++) | 愛を司る神の権能。敵単体に魅了状態の付加のほか、3ターン継続する攻撃力、防御力、クリティカル威力、即死耐性のダウンと被ダメージのアップという怒濤のデバフ盛り。さらにNPを100パーセント減らす。 |
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愛の権能(A+) | 愛を司る神の権能。3ターンのあいだ敵全体に混乱状態を付加し、弱体化への耐性も下げる。 |
ソウルリラクゼーション(EX) | 「リラクゼーション」という字面とは真逆な効果のデバフスキル。3ターンのあいだ敵全体を恐怖状態にし、1回まで弱体解除の成功率を下げる。 |
星の海を渡るもの(A-) | 恒星間航行を可能とし、宇宙を渡る存在である機神たちが共通して備えるスキル。星属性のサーヴァントに与えるダメージをアップさせる。 |
その他、他の神々が持っていた"○○の神核"というスキルも所持していると推測される
宝具
汝、星を紊す情動(マインドハック・ミュケーナイ)
「コード・パンデモス入力確認…敵性知性体を確認。霊子情報戦闘開始…汝、星を紊す情動(マインドハック・ミュケーナイ)!!!」
マインドハックと名前が付いているが、機体下部の三つの結晶体に魔力を収束して極太のレーザーを放つ攻撃技となっている。
宝具名の由来はミケーネ(ミュケーナイ)文明の名の由来となったミュケーナイに由来。「紊す」は「みだす」と読み、同じ音の「乱す」と同義語である。
ゲーム中の効果は敵全体に強力な攻撃を与え、魅了耐性をダウンさせ、即死状態を付与する、というもの。
アフロディーテが海の泡から生まれ、上陸したとされるキプロス島に建てられたアフロディーテ神殿はミュケーナイ文明の産物である。神殿の建設年代は紀元前12世紀頃と推測されている。
2世紀の地理学者パウサニアスによると、アフロディーテ信仰は、シリアの地からこの神殿があるパフォスに持ち込まれ、ここから更にギリシャのキティラ島に広められたのだという。このことはアフロディーテのオリエント(東方)起源説の根拠としても挙げられる。
神話・伝説・歴史、その全てにおいてアフロディーテの起源にまつわる場に神殿を建てた文明の名を冠する宝具、ということになる。
他作品での活躍
Fate/EXTELLA
ネロ・クラウディウスがアルテラから譲り受けた「軍神の剣」を触媒に召喚され、彼女と融合してセイバー・ヴイナスへとパワーアップさせた。
当初は音楽と芸術の女神であるミューズを召喚する予定だったが、より自分に合ったアフロディーテを召喚するに至った。
尚、当作品ではローマ神名である「ヴィナス」名義となっている。無論、この時に召喚されたアフロディーテは汎人類史の方である。
Fate/Grandorder
本格的な登場作品に当たるが、今回は汎人類史のアフロディーテではなく、異聞帯のアフロディーテが登場している。汎人類史とは異なる歴史を歩んだ世界の存在である為、自らが発端となったトロイア戦争やローマ帝国の事は知らない様子。
また、汎人類史の彼女の人物像は同じ金星の女神であるイシュタルの影響を受けているようだ。
関連人物
ギリシャ神話
オリュンポス十二神の主神にして最高神。
ホメロスの『イーリアス』ではウラヌスではなく、ゼウスが父親という事になっており、本作ではこちらを採用している。しかしウラヌスの死後養子にしたという説もあるため、現状では具体的な関係は不明。
『イーリアス』での伝承では母はディオーネーだが、そちらの名は挙げられていない。
夫である鍛冶と火の神。異聞帯でも夫婦だったようだ。
こちらでは浮気せず、破壊された最期に夫の名を呼ぶなど、仲は良好だった様子。
その反面、滷獲されたヘファイストスには全く干渉しなかった。
ヘファイストスが不細工な上見向きもしなかったため靡いた浮気相手。ギリシャ1の美男子だったとされる。
後にヘファイストスの仕掛けた罠で行為の様子を晒されてからは、二人で誰もいない島へ逃げ出したという。
この扱いの悪さは、元々別の土地の神だった事に由来するとされる。
トロイアの王子。三女神の中で誰が美しいかを決める「パリスの審判」にて、彼がアフロディーテを選び、褒美として世界一の美女ヘレネーを与えた事がトロイア戦争の発端となる。
前編で登場した為、異聞帯で顔を合わせる事はなかった。
本人が言及しない為忘れられがちだが、型月では彼女がイアソンを盲目的に愛するように呪いを仕掛けたのは他でもないこのアフロディーテで、「裏切りの魔女」の道を歩む最大の原因になってしまった。ただし一説では彼女に呪いをかけるよう唆した元凶がいるともされる。
2021年度のバレンタインイベントではこの辺りの経緯が言及されており、彼女の部下である神エロースをけしかけて自らの力を込めた矢を放させたという事らしい。
出典も地域も異なるが、一部の伝承によっては彼女の出自に関係があるため記載。
とある事情から、アフロディーテが女神デルケトに呪いを掛けた末に生まれた子供こそセミラミスであったとされる。しかし、デルケトからしてみれば望まぬ子供であった為、彼女は捨てられてしまう。
アッシリア王子でアフロディーテがこよなく愛した少年。
しかし、同じく彼を気に入っていたペルセポネはアレスに「事もあろうに貴方の愛している女神は人間に夢中になっていますよ」と告げ口し、アレスはイノシシに化けて彼を殺してしまった…これなんてギリシャ版ディルムッド?
彼を失ったアフロディーテは大いに嘆き悲しみ、アドニスはアネモネの花へと変じたという。
トロイア戦争の英雄で息子であるアイネイアスの仇敵で、息子を助けようとした所、彼の投げた槍がクリーンヒットした為に激怒。妻が浮気し、故郷へ二度と帰れない呪いを掛けた。
ちなみにこの英雄、アレスと対決して退けているテオスキラーでもある。Fateシリーズに参戦するならばランサーであろうか。
キプロス島の王ピグマリオンの作った彫像。彼女をピグマリオンが溺愛し生きた女性になる事を願ったのをアフロディーテが受け止めた事で生命が宿る事になった。
一説によると上記のアフロディーテが愛した少年であるアドニスは、ガラテアとピグマリオン王との間に生まれた子の末裔とされている。
他の十二神
型月における関係は不明だが、上記の行為公開の際にブーイングを上げたのはアポロンやヘルメスなどの若い男神のみで、女神らは当然の報いだとあきれ果て、あの下半神で有名なポセイドン、ゼウスすら「アフロディーテと関係を持つなんてどうかしている」とコメントしているため、相当なじゃじゃ馬娘として扱われていた事がわかる。
ローマ帝国
彼女とトロイア王家のアンキセスとの間に生まれたトロイア戦争の英雄アイネイアスの末裔がローマ帝国の神祖ロムルスであるとされている。ちなみにアイネイアスのである子孫ブルータスがグレートブリテン島に渡ってアーサー王の治世に繋がっている為、欧州の歴史に欠かせない女神だと言える。
下記にある通り遠い血縁にあたり、歴代ローマ皇帝の中でも特にアフロディーテに似ている事から、あの容姿(特に髪型)は隔世遺伝であることが判明した。
EXTELLAで力を貸した縁からか、水着のデザインも非常に似通っている。
カエサルの生家であるガイウス家が属するユリウス氏族は自らの祖先をアイネイアスの息子ユルスであり、通じてヴィナス神に連なると称していたとされている。
その他
一説では原典を同じくする女神だが、原典が同じというよりかは、イシュタルの要素が後にアフロディーテに付加されたという方が適切な様子。また、BBの取り込んだ「チャタル・ヒュユクの女神」もアフロディーテのみならず、アテナやデメテルの原典とされる。
また、後者との共通点は他の星から来た女神という点であったりする。
同じく知性体の天敵ともいうべき能力を持つ。なのだが引き起こした事態の規模と実際の戦闘時(後述)の厄介さではキアラのほうが遥かに強いのではないかという見方もある。まああちらにはダキニ拳法があるので、特に戦闘面を磨く必要性のなかった彼女がそう言われてしまうのはしょうがないのかもしれない。
同じく魅了系の逸話を持つアサシン。
オリュンポスでの戦闘
オリュンポスではタロス、デメテルに続く3番手の強敵として戦う事になる。前者2人(特にデメテル)が異常な強さを見せつけてきた為警戒するマスターも多かった。
だが実際に戦う際はシナリオでは広範囲に精神攻撃していたくせに魅了攻撃は単体にしかかけてこないという肩透かしっぷりを見せてしまう。
ただしこの魅了スキルは「攻撃・防御・クリ減少・被ダメ上昇・即死耐性デバフ+NPを100%減らす」という超強力なもので、さらにこれとは別に「(全体に向けて)恐怖状態+弱体解除成功率を低下」という前代未聞のスキルを使ってくる。両方ともアタッカーに当たろうものなら悲劇でしかない。初ブレイク時も「宝具封印+スキル封印」を全体に付与してくる。しかもチャージ攻撃は全体かつ「魅了耐性低下+即死付与」付きというデメテルを超える隙のなさである。この為長期戦を挑めばいつ瓦解するかわからないという内容だけ見れば中々の難所である。
だが相手は彼女一体であり、このデバフ地獄も裏を返せばデバフが溜まらないうちに瞬殺すれば被害は被らないという事である。しかもデメテルと違いサポートは自由に選べる上、何より彼女のクラスはよりにもよってあのバルバトスやジャックちゃんと同じアサシン。
挙句の果てには毎ターン回復したり無敵貫通などで回避不能の一撃を叩き込んだりする同じ「愛」に関係するどこぞのビースト達と違い、自分にかけるバフは最後のブレイク時に「攻撃力・クリ上昇」を付与するのみ(防御デバフが下がるというおまけつき)と単純なものだったため、用意しにくい強化解除要員が不要であったことも拍車をかけた。ちなみにこの影響でデメテル相手には効果が出なかった(強化解除・無効ではない)デバフ要員も活躍できる。
百戦錬磨のマスター達はこぞってFGO恒例行事の採集決戦で猛威を振るった三蔵ちゃんや魔(護)法少女、因縁を持つ若奥様にその姉弟子たる大魔女、愛の獣に打ち克ったプリマドンナといった単体宝具持ち鯖を引っ張り出して「やられる前にやっちまう」速攻戦術で彼女をスクラップにしていった。特に三蔵ちゃんとイリヤについては(後者は確率とはいえ)スキルで弱体無効やガッツを付与してギミックを耐え切る事ができるという天敵でもある(他のメンバーは弱体解除成功率ダウンがあるためデバフを突破できない場面も出てくる)。
ただしこの戦術に不可欠な単体宝具キャスター(もしくはアルターエゴ)は母数が前述したメンバーで大半埋められるレベルで少なく、大半が高レアか限定であるため、最近始めてそこまで強力な高レア単体キャスターやアルターエゴを手に入れる機会に恵まれなかったマスターは苦戦する可能性が大いにある。
もっとも前述の通りデメテル戦とは違いフレンドに制限がないため、サポートに自信があればこれらのサーヴァントを借りることもできる。また若干もたつく場面があるとはいえ、神性持ちなためエルキドゥでハメたり、アサシンクラスに有利な始皇帝などで単騎をする事も可能。
因みにシナリオ配信当時はよりにもよって少し前のイベントのおかげで大魔女を手に入れる機会があり、その一つ後(そして本章配信直前)の採集大戦で一撃必殺戦法に慣れたプレイヤーが大量生産されてしまい、タロス・デメテル戦の腹いせといわんばかりに彼女を吹っ飛ばす光景が続発したのだった…。
余談
喫煙者と思えるケバい外見から「これが美と愛の神?」という意見も出ているが、逆に「アメリカとかのグラビアアイドルみたい」「バブル期の女優を思わせる」という意見もある。
恐らく異聞帯で人類の発展の歴史が停滞した事から彼女の美のアップデートも止まったのだろうとファンからは評されている。確かに彼女が成立に手を貸したセイバー・ヴイナスのデザインがあれほど過激なのだから、汎人類史の彼女は本当にファッションが異なっていた可能性も考えられる。
またアフロディーテは植物の神の一面があることから、煙草という「植物に火をつけて使用する嗜好品」を火の神である夫へファイトスへの愛情のメタファーではないかという考察が存在する。
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アフロディテ:中の人も元ネタも同じキャラクター。
以下ネタバレあり
関係者の一人であるガラテアが実装されたイベント「アキハバラ・エクスプロージョン!」にて、まさかの汎人類史の本神がサーヴァントとして登場した。
どうやら特異点の原因が偶然結んだ因果により、召喚されていた模様。
そして召喚の触媒にもなったメディア作成の嫁ネロ像に溶け込む形で融合し、元フィギュアの「秋葉ねろ」としてアイドル活動をしながら、事の行く末を見守っていた。
その擬態は神霊かつアサシン故か非常に精度が高く、カルデアや様々なサーヴァントが彼女を解析し至近距離で接するものの、同格の神であるアルテミス以外には最後まで見破れなかった。
しかし細部まで擬態できても歌唱力までは似せられなかったようで、歌唱力に非常に難のあるネロ本人と違い、聞く人々を楽しませる見事な歌を披露している。
イベントではほぼこの「秋葉ねろ」のガワを被った状態で行動しており、本人の姿に戻ったのは皆の元から去った後、エピローグでアルテミスと二人きりになった時である。
その際の会話から、彼女には残虐な戦闘回路由来の「アフロディーテ・パンデモス」と高貴で愛深き回路に由来する「アフロディーテ・ウラーニア」の二つの側面があること判明し、アフロディーテとしての性格はその二つが混ざり合う事で培われたもの。
異聞帯で敵対した際の宝具発動のセリフは「コード・パンデモス」であり、同章のエウロペの言からも、異聞帯の彼女はオリンピュアマキアの結果、ゼウスによってウラーニアの側面が壊されたままの状態であった可能性が高い。
汎人類史の彼女によるとそれぞれの回路はある程度思考が独立しているようで、パンデモスの側面で召喚された場合は、ウラーニア側面の自分が起こした出来事については「何を考えていたのかはわからないが、何をやったのかはわかっている」状態であるとのこと。
そんな状態であっても別側面の自分の関係者にはそれなりの情は持ち合わせているようで、イベントではウラーニアの自分の関係者であるガラテアに助言や協力を行う場面がある。