概要
『フレッシュプリキュア!』に登場する敵組織。
本作よりも前のプリキュアシリーズの敵は「人間に似た怪物」だったが、本作の敵は「異世界の人間」である(人造生物である上級幹部は除く)。
敵幹部がプリキュアと同じ人間という設定は今のプリキュア作品では珍しくもないが、それが初めて登場したのが本作に登場するラビリンスなのである。
人間を不幸にして生まれる「FUKO」のエネルギーを集め、地球も管理しようと四ツ葉町にやってきた。プリキュアと無関係な一般人をターゲットにする点が前作までの敵組織と大きな違いである。
FUKOのエネルギーが一定以上集まると「無限のメモリー」なる存在が現れ、そのすさまじい力を持つ演算装置を入手し、全ての平行世界を管理する力を得ようと目論む。
構成員
上層部
メビウス(声:西村知道) |
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ラビリンスの総統として君臨する老年男性。元々はラビリンスのメインコンピューターだったが、国を乗っ取った。最終決戦では全世界の支配に乗り出すが、最後はプリキュアに敗北して自爆した。 |
クライン(声:樋渡宏嗣) |
メビウスの側近を務める老年男性。爬虫類の遺伝子情報から誕生した。ラビリンスの国家・国民の管理を担う。第48話でノーザと合体してノーザ・クラインとなる。 |
ノーザ(声:渡辺美佐) |
ラビリンスの最高幹部を務める壮年女性で、人間界では「北那由他」と名乗る。植物の遺伝子情報から誕生した。第36話からメビウスの命を受けて登場する。第48話でクラインと合体してノーザ・クラインとなる。 |
ノーザ・クライン(声:渡辺美佐) |
第48話・第49話に登場。ノーザとクラインの合体形態。メビウスから国民を解放しようとするプリキュアに襲いかかるが、最後はキュアエンジェルへと覚醒したキュアピーチの浄化技を受けて倒された。 |
三幹部
総統メビウスに仕える3人の幹部で、ラビリンスの上級国民とも言える存在。普段は人間界にある「占いの館」に滞在している。
イースが脱退して暫く経った第36話からノーザの指揮下に置かれ、より強力な怪物・ソレワターセを召喚するようになる。
最終的にはプリキュア側と和解し、メビウス体制の崩壊後は3人共残されたラビリンスの復興に力を注ぐ。
イース(声:小松由佳) |
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ラビリンスの幹部を務めるクール少女で、人間界では「東せつな」と名乗る。プリキュアとの接近を計る。第23話でキュアパッションとして転生し、ラビリンスから脱退した。 |
ウエスター(声:松本保典) |
ラビリンスの幹部を務める筋肉質の青年で、人間界では「西隼人」と名乗る。力押しの作戦が得意。第46話でメビウスに見捨てられ、第48話ではサウラーと共に改心した。 |
サウラー(声:鈴村健一) |
ラビリンスの幹部を務める長髪の青年で、人間界では「南瞬」と名乗る。知略に長けた策士。第46話でメビウスに見捨てられ、第48話ではウエスターと共に改心した。 |
怪物
ナケワメーケ(声:中野慎太郎) |
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ラビリンスが使役する怪物。三幹部が所有するクリスタルを物体・生物に取り付けることで誕生する。なお、クリスタルの色は幹部によって異なる。 |
ナキサケーベ(声:中野慎太郎) |
イースが使役する強力な怪物。メビウスが製造した闇のカードが素となり、そのカードを物体・生物に取り付けることで誕生するが、使用者の身体を蝕むという欠点をもつ。 |
ソレワターセ(声:中野慎太郎) |
主にノーザが使役する非常に強力な怪物。不幸から育った実が素となり、物体・生物に取り付けることで誕生する。プリキュアの強化した浄化技でないと対処できない強さをほこる。 |
ホホエミーナ(声:中野慎太郎) |
浄化されたウエスターとサウラーが使役する怪物で、プリキュアの仲間として登場する。 |
国家の体制
管理国家と呼ばれている通り、国民は全てにおいて管理され、それは寿命とて例外ではない。完全なディストピア社会が構築された世界である。
技術はかなり進歩しており、高度に機械化されている。街中は画一的で幾何学的なビルが立ち並び、自然の緑は見当たらない。
国民は洗脳装置を取り付けられて意思を操られており、「すべてはメビウス様のために」と言いながら淡々と命令に従っていく。
イースなどの幹部クラスはある程度の裁量を認められているようだが、その権限も目的達成のための意味合いが強い。
支配者の総統メビウスは「人間は管理されて幸福になる」と心の底から信じており、地球人を不幸にしてFUKOを集めることにも罪悪感は持っていない。
これは地球を「管理」するために必要なことであり、無限のメモリーの奪取という目的が達成されれば、地球もちゃんと「管理」されて不幸などなくなると心から信じているからだ。
その素晴らしい幸福に比べれば、今ちょっとした不幸が与えられることなど小さいことなのである。
つまり、イースを初めとした幹部たちは、総統メビウスの理想を信じて戦っている戦士(彼ら自身は“しもべ”と名乗っている)なのである。
名前の由来
4幹部の本名と偽名の名字は方角が由来。3幹部の下の名前はせつな(刹那)、隼、瞬と速さを現すものになっている。
それと対照的にノーザの偽名の那由他は、最も大きな単位の名前(その上は「不可思議」と「無量大数」という単位しかない)である。
クラインのクラインの壺や総統メビウスのメビウスの輪は無限を意味するものであり、それぞれの名前の由来に立場や結末の違いが現れている。
関連イラスト
関連タグ
- 砂漠の使徒…次回作に登場する、プリキュアシリーズでは珍しく科学を活用する敵組織。
- 幻影帝国…数多の国民を抱え、れっきとした「国家」として描かれる敵組織。
- 惑星サマーン…『スター☆トゥインクルプリキュア』に登場する”AI”に管理された住人が住まう惑星。但しこちらはAI側に他の星の生物を害する意思はなく、ハイテク技術と自然の調和がとれている。いわばラビリンスから悪玉要素を抜いた国家。
他作品の関連タグ
- クライシス帝国…20年ほど前のニチアサに登場したそのシリーズ初の「政府」「国土」「国民」をそろえた異世界の敵組織。
- 大ショッカー…同時期のニチアサに登場した全パラレルワールドの支配を目標にする敵組織。
- 外道衆…同じく同時期のニチアサに登場した敵組織で、人間を苦しめて目的達成を目指す点が共通。ただしこちらは悲しみや恐怖を引き出す。
- ダイカイオー:同時期のニチアサに登場するロボで、偶然にも東西南北にちなんだ設定がある事や操縦者の梅盛源太/シンケンゴールド役の相馬圭祐氏が本作の熱烈なファンである事からネタになった。
- 第四惑星人…背景が似ている。
- 素敵探偵ラビリンス…「ラビリンス」繋がりだが漫画作品名。「なゆた」という主要人物が後半から出てくる。
- グロッサー四天王…管理コンピューターに仕える敵組織で、構成員の一人が主人公側の追加戦士になったり、初期メンバーが全員改心する点が共通。「瞬」という人物がいる。
- 眼魔世界…こちらも国民の寿命などが管理されているなど、似ている点が存在する。
- キラボシ共和国…国民をマインドコントロールして管理する繋がり