概要
1985年から1987年まで週刊少年サンデーに連載されたゆうきまさみのSFギャグ漫画。
アンドロイドのあ~る君ことR・田中一郎や鳥坂先輩を始め、変人揃いの春風高校光画部(※)部員、OBが巻き起こす騒動をコミカルに描いた物語。それまで部活ものといえば、運動部系がほとんどだったが、文化部を舞台にした作品とした作品としてはおそらく史上初。僅か2年と云う連載期間ながらも80年代の少年サンデーの代表作といわれている。
印象的な台詞が多く、魔法陣グルグル等と並んで掲示板の専用スレッドが台詞だらけになりがちな作品。
いわゆる内輪ネタが多いため、良くも悪くも読者を選ぶ作品であるが、当時の世相を丹念に描き、現在でも古びていない感性から「理想の学園生活を描いた」漫画として挙げられることが多い。
特に「全国優勝」「ライバル校に勝利する」といった目標を掲げず、趣味の合う仲間との日々の交流が主体となっている「 ユルい部活動 」の描写は斬新で、そういった作風でありながらメジャーな週刊漫画雑誌で打ち切りもされず連載されていた事は、後の様々な作品に影響を与えている。
1991年には、バンダイからOVA化されている。原作ファンも好評するほど「わかっている」出来・・・なのだが、光画部や各キャラの説明等が殆んど省かれている(視聴者が既に知っている事前提の)内容なので原作読破後に視聴すること。
2012年11月4発売の週刊ビッグコミックスピリッツ49号にて「ヒーローカムバック」の一環で一話限りの復活特別編が掲載された。
さらにゆうきまさみの画業35周年&スピリッツの創刊35周年を記念した企画の一環として、2015年9月14日発売の週刊ビッグコミックスピリッツ42・43合併号に新作読み切りの前編が、9月26日発売の月刊!スピリッツ11月号に後編が、以降2017年に発表されるなど不定期で連載される。(時系列としては「1987年」のまま)。また、これらの作品を収載した単行本10巻が30年ぶりに出版され、話題となった(漫画作品で新刊にそこまで期間が空く例は前代未聞)。
※ いわゆる写真部だと思っていただいて結構。ただし劇中で春高には生徒会長・西園寺まりいの肝いりで別途「写真部」が新設された。
登場人物
(キャストはOVA版)
光画部
白米で動くロボット……じゃないよ。アンドロイドだよ。主人公だが影が薄くなりがち。
物語開始時点での光画部部長。戦うセンパイ。
皆勤賞なヒロイン。ゆれない。
光画部OB。少年誌にタバコはご法度です!(連載当時はそうでもなかった)
通称しぃちゃん。光画部のお母さん。
「名前呼ばれたことありません!」「名前よんでください!」
新部室に棲む幽霊部員(文字通り)だったが、紆余曲折あり、Rの次の部長に。
Rの奇行を見て光画部に入部してきた謎の美形……という登場だったが、濃いメンバーの中では影が薄くなることも。女装はプロ扱い。
兵藤まことの幼なじみで野球部入部を希望していたのだが鳥坂の口車に乗り光画部へ。特技は生け花。
Rに一目惚れし、光画部に入部。生徒会の西園寺まりいの妹。(鳥坂いわく人質)
1年生。残念な帰国子女。背が高く、野球やバスケの経験はあるが補欠止まりだった。部活動は自由という信念の元入部し、真面目に活動をしている。しかし、背丈が高すぎるためにアングルをたわばに注意されている。
1年生。まことのキングアラジンの真似を見て入部を決意。おとなしい性格の女子生徒だが筋金入りの特撮オタクで、写真も特撮の技術が存分に採り込まれている。
1年生。写真部員近衛史喬の友人で、短気な性格。光画部では真面目にやっているが、アウトファインダーによるアクション写真を好み、鳥坂にたいがいにしとけと注意されている。
生徒会
生徒会選でRと争って以降、光画部を目の敵にする生徒会長。
生徒会に出入りし、まりいに従うが役職は不明。えりかのお目付け役として撮影旅行に同行してからは光画部からも部員扱いに。実はゆうきまさみのお気に入りのキャラ。
まりいのブレーン。堅実においしいところをもっていく。
その他
春風高校柳昇(やなぎのぼる)校長。始業式などで得意の落語を披露する。実は元光画部。演じるのはモデルそのまま柳昇(りゅうしょう)師匠。
死神博士……ではなく春風高校用務員さん。やはり元光画部。
Rを製作した博士。目標は世界征服だが、途中の目的はどっかいきがち。
連載終盤に製作、登場したRの妹。高峰秀子ではない。光画部の撮影旅行には同行していたことがあるが、彼女はまだ中学生である。また、兄ほど装備は優れていない。その一方で、人間と同じ食事ができ、クリームコロッケなどが好物。
Rのモデルとなった成原博士の息子。交通事故にあい、故人に……なってたりはおらず、普通に他校に通学している。連載後の読み切りでは(大方の予想通り)デコから「あきらお兄さま」と呼ばれている様子。のんびりした性格であり、自分ぐらいのんびりな性格でないとこの家ではやっていけないと境遇を達観している。
トリビア
- 登場人物の多くは、作者のゆうきまさみの友人がモデルとなっている。
・たわば→とまとあき(作家・音楽ディレクター)
・鳥坂→鳥坂司(元東京都職員)
・西園寺まりい→川村万梨阿(声優)
・伊東→伊藤和典(脚本家)
・伊東の彼女→高田明美(イラストレーター)
・刑事さん→福田孝(サンデーの初代担当)
・毒島→天本英世(俳優)
・軽音の山本君→山本正之(歌手)
・兵藤信→兵藤まこ(声優・女優)
・校長→春風亭柳昇(落語家)
- SFとしての面白さも認められて、第19回星雲賞漫画部門にも選出されている。
- 実はOVA版制作当時ゆうきはアニメ化に反対していたらしく、今後リメイクアニメの製作は絶望的と思われる。
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