概要
白黒アニメとは主に戦前から1960年代までのカラー放送で制作・放送されていたアニメの総称である。(別名:モノクロアニメ、白黒作品、モノクロ作品など)
後述する鉄腕アトムが1963年に制作されるまでは、戦前に制作されたポパイ、ベティ・ブープ、などの海外から輸入されたアニメーションが盛んに放送されていた。また、ディズニーなどの初期作品の中には白黒アニメが多数存在する。中にはミッキーとミニーがモノクロ世界を守るために戦うゲームも(ミッキーとミニーのモノクロ危機一髪)。その後、1932年に花と木が世界初のカラーのアニメとして、1937年に白雪姫が世界初のカラー長編アニメーションとして登場すると、こぞってカラーアニメが制作されるようになった。
日本では、1958年の段階でもぐらのアバンチュールや白蛇伝などで国産のカラーアニメーション化自体は一応成功していたが、制作費がかかることやカラーテレビが普及していなかったことから白黒が主流であった。その後、1965年にドルフィン王子、ジャングル大帝がテレビアニメーション用のカラーアニメとして国産で制作される事になるが実際にカラーテレビが普及されるまでの1970年代頃までの数年間はカラー白黒混在の時代が続いた。1971年の珍豪ムチャ兵衛の制作を境に国産白黒アニメの制作は一旦幕を占めることになる。それから44年後の2015年に暗闇三太が、1967年制作の幻のアニメが発掘されたというコンセプトで制作された。
国産白黒アニメの一覧
- 力と女の世の中(日本初のトーキーアニメーション映画)
- 桃太郎の海鷲(戦前に制作された日本初の長編アニメーション映画)
- 桃太郎 海の神兵(戦前に制作された代表的な白黒アニメーション映画で桃太郎の海鷲の姉妹作)
- のらくろ(第1作)(戦前に制作された代表的な白黒アニメーション映画)
- 鉄腕アトム(第1作)(日本初の本格的なテレビアニメーション、但し第56話のみカラー制作)
- 仙人部落(世界初の深夜アニメ)
- 狼少年ケン(NETテレビ初及び東映動画が初制作したテレビアニメーション)
- オバケのQ太郎(第1作)
- 風のフジ丸
- 鉄人28号(第1作)
- エイトマン
- 0戦はやと
- ビッグX
- 新宝島※スチーブンソンの小説『宝島』を翻案した内容である。
- スーパージェッター
- 宇宙パトロールホッパ
- 宇宙人ピピ
- 宇宙少年ソラン
- 宇宙エース
- 怪盗プライド輸入版で後にカラー化。
- 遊星少年パピイ
- W3
- ハッスルパンチ
- 戦え!オスパー
- おそ松くん(第1作)
- 海賊王子
- ハリスの旋風
- 遊星仮面
- ロボタン
- 魔法使いサリー(第1作)18話からカラー化。
- かみなり坊やピッカリ・ビー
- 冒険ガボテン島
- ドンキッコ
- ちびっこ怪獣ヤダモン
- スカイヤーズ5
- おらぁグズラだど
- アニマル1
- ファイトだ!!ピュー太
- あかねちゃん
- 佐武と市捕物控
- ウメ星デンカ
- もーれつア太郎(第1作)
- そばかすプッチー
- サイボーグ009(第1作)
- どろろ(第1作)
- パーマン(第1作)
- 怪物くん(第1作)
- レインボー戦隊ロビン
- ゲゲゲの鬼太郎(第1作)(既にカラーが主流になりつつあったが、作風を意識して意図的に白黒で制作された)
- 珍豪ムチャ兵衛(20世紀国産最後の白黒テレビアニメーション)
- 暗闇三太(2020年現在、国産最後の白黒テレビアニメーション)
また、アニメ作品ではないが気象番組であるヤン坊マー坊天気予報の初期のアニメーションや、1980年代に制作されたトップをねらえ!の一部の回では白黒アニメとして制作されている。
外国産白黒アニメの代表的な作品
- おお、メイベル(世界初のトーキーアニメーション映画)
- 恐竜ガーティ(世界初のカートゥーンアニメーション作品)
- フィリックス・ザ・キャット
- 蒸気船ウィリー(世界初のサウンドトラック方式を採用したミッキーとミニーが登場した初めて一般公開された作品)
- プレーン・クレイジー (初期ミッキーの代表作で、製作自体は蒸気船ウィリーより先なので、媒体によってはミッキー及びミニーが初登場した作品とされる)
- しあわせウサギのオズワルド(ミッキー以前のディズニー作品)
- ベティ・ブープ
- ポパイ
- 西遊記 鉄扇公主の巻(中国最初にしてアジア初の劇場用長編動画作品)
- ミッキーのミニー救出大作戦 (アナと雪の女王と一緒に同時上映されたミッキー初の3D映画)