ポーランド共和国
ぽーらんどきょうわこく
概要
正式国名は、
ポーランド語Rzeczpospolita Polska
英語Republic of Poland
日本語ポーランド共和国
通称はポーランドで漢字表記は波蘭。
人口は3,800万人。
GDPは5,860億ドル(2018年)。
地理
国土面積は32.2万平方キロメートル(日本の九州と四国を除いた大きさ程)。
北にはバルト海が広がり、
西ではドイツと接する。
国土の大半が平原であり、国名も「平原(pole)の国」を意味する。
主要都市としては首都ワルシャワ、南部の古都クラクフ、北部の港町グダニスク、東部のポズナン、南西部のヴロツラフなど。
歴史
10世紀後半にポーランド王国が成立。
ドイツ人とは植民による文化・技術を受け入れつつも、北部のドイツ騎士団(後のプロイセン王国領)の侵攻や略奪に悩まされる状態で、同じくこの被害を受けていたリトアニアとの同盟関係が深くなる。
そしてついにドイツ騎士団を合同で倒して同君連合を形成。
これを機にリトアニアもキリスト教に改宗。
16世紀後半にリトアニア大公国と正式に合同してポーランド・リトアニア共和国を構成し、現在のポーランド中部と東部、リトアニア、ラトビア南部、ベラルーシ、ウクライナの大半にまたがる広大な国土を持ち、穀物の輸出を中心に、スペイン王国や神聖ローマ帝国に引けを取らない栄華を誇った。
なぜ共和国といわれるかと言えば、当時国民の10%をしめたという地主貴族にも参政権があったからである。
しかし、この参政権の中に「1人でも反対すれば法案や決議が成立しない」というとんでもない条項があった(現代の国連安全保障理事会でも、拒否権は5大国にしか認められていない、と言えばどれだけとんでもないかは理解できるだろう)ために、国政は停滞して、ついに18世紀に帝政ロシア、プロイセン、オーストリアによって3度の国土分割を受けてしまう。
1807年にナポレオンによってワルシャワ大公国として復活するが、8年後にナポレオンの敗北を受け、再び三国によって分割。1918年の第一次世界大戦後のベルサイユ条約で独立が認められ、ポーランド共和国が誕生するが、第二次世界大戦でソ連とドイツに分割された。
第二次大戦終結後の1945年に再び復活したが、旧領土の東部の部分がソ連に割譲され、代わりにドイツ東部領土を獲得、国土自体が西に移動する形となった。
その後の東西冷戦では、ソ連中心の共産圏に組み込まれ、ワルシャワ条約機構の一端を担ったが、1989年に民主化された。
2004年にEUに加盟。西欧からの資本を受け入れ、工業国として発展している。
経済
1人当たりGDPは約15,000ドル(為替レート)、35,651ドル(購買力平価)。
西欧諸国に比べると低いが東欧の中では高い部類で、中進国の水準。
ヨーロッパにおける重要な工業国であり、自動車や鉄道車両、パソコンやテレビの組み立てが産業の基幹となっている。低廉な人件費を背景にドイツ系の企業が盛んに進出している。
賃金が低いためにポーランド人はドイツやイギリスに働きに出る者が多い。一方でポーランドは外国人労働者や留学生を多数受け入れており、アジア諸国、ウクライナ、ロシアからの労働力に流入がある。EU加盟国のポーランドで学位や勤務実績を持てば他のEU諸国でも労働許可証が下りやすくなるので、彼らはポーランドを足掛かりに高賃金のドイツやフランスやオランダを目指す人が多い。
ポーランドも移民が国内に定着するのを嫌い、短期間の労働者や留学生は受け入れても、無条件で移民を受け入れることは原則拒否している。
政治
共和制を取り、国家元首は大統領。上院(セナト)、下院(セイム)からなる二院制。
現在の法と正義政権に替わってからはEUの異端児であり、極右政権が舵取りを行う。司法、メディアの介入といった強権的な政治はEU首脳やドイツから懸念を示されているが、ポーランドはEUやドイツへの敵対姿勢を崩していない。
2020年には妊娠中絶が基本的に禁止され、レイプによる妊娠、近親姦による妊娠、胎児もしくは母体の生命に重篤な可能性がある場合でしか中絶をすることが出来ない。
文化
ヨーロッパの中でも独自の保守性を残す国であり、自国の文化とアイデンティティを守っている。宗教に敬虔な国民が多く、ほとんどがカトリックである。また家庭料理を大切にし、ラードやバターを使用した料理が多く、ポーランド人は味の濃い料理を好むという。
- ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団
1901年にポーランドの貴族や財界人の主導のもとに設立された楽団。
pixivでは
国擬人化漫画「AxisPowersヘタリア」のポーランド(フェリクス・ウカシェヴィチの項を参照のこと)を指すタグとして使われることが多い他、民族衣装やミリタリーのイラストに付けられる。