概要
主に名古屋を中心とした東海地方発祥、この地域独特の個性を有する、もしくはこの地域の料理としての知名度が高いB級グルメ・郷土料理の総称。
名古屋は古来、粋な料理は少ない一方で、変わった料理でも知られている。とは言え、「わざわざ名古屋まで行って食べる必要もない」という意見も多い。
尾張人の食文化的特徴
食文化に関しての「尾張的常識と全国的常識の乖離」を列挙すれば以下のようになる。
文化的特徴 | 全国的な一般常識 |
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八丁味噌を時折、口にしないとパワーダウンする。 | 八丁味噌は豆味噌でも特にえぐい味がする尾張のソウルフード。ルーツは三河。 |
串カツやトンカツといったカツには味噌ダレが当たり前で、全国でもそうであると思っている。 | あの独特な風味を持つ八丁味噌でカツのたれを造るのはくれぐれも尾張周辺だけの風習である事を覚えておいて頂きたい。朴葉焼きで有名な郡上ですらも郡上味噌である。そもそも味噌でカツのたれを作るのが尾張近辺のみの風習である。現在は全国チェーンの松乃家で味噌カツが提供されている。 |
菓子パンの小倉抹茶サンド、小倉マーガリンは全国的な種類だと思っている。 | 悲しいかなフジパンや山崎製パン、某山を主とした東海地方限定のパンである事を忘れてはいけない。が、小倉あんが抹茶や動物性脂肪、バニラと親和性が良いのは実の所、大発見であった。 |
豚汁は「ぶたじる」が全国的な正しい読み方だと思っている。 | 文化研究の上で「とんじる」の方が多数であると既に証明されている |
「土手煮」は全国的な料理だと思っている。 | 八丁味噌を用いた郷土料理である。 |
台湾ラーメンは台湾のラーメンだと思っている。 | 名古屋の今池に本店がある味仙という台湾料理店が始めた名古屋発のラーメンである。翻って全国メニュー、しかも国際メニューだと思っている尾張人は注意が必要である。なお、「台湾ラーメン・アメリカン」等、更にカオスなネーミングの形態も存在する。 |
ベトコンラーメンはベトナムのラーメンだと思っている。 | 愛知県一宮市の中華料理屋「新京」、或いは岐阜県岐阜市のラーメン屋「香楽」が発祥とされるラーメンである。コチラも国際メニューだと思っている尾張人、美濃人は注意が必要である |
五平餅はたこ焼きやみたらし団子と同じく全国的な餅菓子だと思っている。 | 五平餅の発祥は愛知県、岐阜県、長野県の山間地。各地方によってわらじ型(愛知県)、団子型(長野県)、小さい楕円形(岐阜県)と分かれる |
餅菜(もち菜)は全国区の野菜だと思っている | 悲しいかな、中京圏限定の野菜で「小松菜に似た葉野菜」と説明しないと通じない(小松菜は関東ローカルの冬野菜から全国区になり一年中食べられるようになったのだが、餅菜は「中京圏の正月限定野菜」のままである)。お雑煮はすまし汁に角餅と餅菜のみのシンプルなスタイルが尾張人の常識である |
上記の通り、尾張人がカルチャーギャップを感じる実際の食べ物とは大概が豆味噌絡みである。裏を返せば矢場○んが彼処まで流行ったのは全国的に味噌ダレ(しかも豆味噌)が流行していない証拠とも云えよう。
元祖・名古屋めし
名古屋では何をおいても鯔(イナ)が欠かせない名物で、「鯔まんじゅう」「鯔めし」こそが名古屋めしの代表である(珍味に鯔の臍の塩辛もある)。また、知多の海鼠腸も、名古屋を本場とする名物である。そして熱田の伝馬町には鮫の皮料理もあったといい、同様に「鯊の子の山吹漬」も酒の肴となる熱田名物であった。
愛知県は養鶏業の本場で(コーチン系の産卵鶏)、鶏肉のすき焼が多くあり、また名古屋には蕎麦屋と看板を出した家がなく饂飩屋ばかり。更に熱田湾の名産は鰻で、割き方も焼き方も全く関西風だが火鉢の上にトタン板で造った覆いをかぶせて東京流の蒸し焼きと同じ結果を得、タレに溜醤油を使うのが特色という。
その他の名古屋めし(B級グルメ)一覧
近年は多くの名古屋めしが生まれている。
きしめん 味噌カツ/味噌カツ丼 手羽先 小倉トースト ひつまぶし 台湾ラーメン/台湾まぜそば
あんかけスパゲッティ インディアンスパゲッティ ベトコンラーメン 味噌おでん
他の地域で生まれたもの
エビフライ:東京都発祥 天むす:三重県発祥 土手煮:大阪府発祥
味噌煮込みうどん:不明(全国各地でその土地の味噌で煮込んだうどんが食べられているが、山梨県の「ほうとう」がルーツという説がある)
ういろう:神奈川県発祥